拝啓ミスタードーナツ様
私がミスドに通い詰めたのは高校1年から3年生の高校の帰り道でした。
大阪府といえど、京都との境目に住んでいた私は、週に二度、京都の予備校に通っていました。
乗り換えのJRと近鉄の駅の間にあったのが、ミスタードーナツです。
毎日店内は賑わっていました。
私が食べるのはいつもドーナツ3つとコーンポタージュ。
粉を溶かすのではなく、液体のポタージュを温めたものに、ミルクとクルトンが入っていてとても美味しかったのを覚えています。
いくら食べても太らない年代でした。
糖分は全て脳で消費されたと信じています。
月日が流れて25年ほどでしょうか。
今私は小さな会社を経営し、二人の子供を産み、忙しい日々を送っています。
生まれて5ヶ月の0歳児はまだ上の子と同じ保育園には入れず、上の子を預けた後、電車に乗って隣駅の認可外保育園に通っています。
それから一駅歩き、自宅そばの職場に向かうのです。
経営者には育休なんてないですから、退院した日から仕事と子育てと家事の毎日です。自分の時間どころか、たった15分の朝ドラを見る暇も、大好きな勉強をする暇もありません。乳児は夜間もお腹がすくため、眠るのが大好きな私なのにまとまった睡眠時間も取れません。
とにかく願い事は時間が欲しい、それだけです。
ほとんど眠れなかった朝、下の子を隣駅の認可外に預けた後、駅そばのミスタードーナツにふらりと入りました。
どうしてもコーヒーが飲みたかったのです。
授乳中だからカフェインは避けていましたが、仕事の進行もいっぱいいっぱいで目を覚まさないと仕事ができそうになかったのです。
大丈夫、次の搾乳まで6時間はあります。
大好きなチョコファッションとブレンドコーヒー。朝のセットで299円でした。
それから人生で二度目のミスド通いの日々が始まりました。
8時5分から8時20分までの15分。
コーヒーをのんでドーナツを食べながら資格勉強の本を読み始めました。
4月になれば下の子も上の子と同じ保育園に入れます。
それまで、人生で二度目のミスド通いの日々を送るつもりです。
私が高校生の時に通信教育で自分につけた筆名は「ミスドーナツ」だったんですよ。
ミセスになった今でも、勉強のおともはミスタードーナツです。
勉強の時間をありがとう。