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「何食べたい?」「何でもいい」にイラッとくるあなたへ
「何食べたい?」「何でもいい」
「どこ行きたい?」「どこでもいい」
結婚したての頃、よく夫のこんなLINEにイライラして、ケンカになっていました。ケンカになるのはこらえ性のない私ならではかもしれませんが、「イラッ」とくるのは結構あるあるなんじゃないでしょうか。
「何でもいいとかどこでもいいとか、判断をまかせてくるのって優しいようで全然優しくない、結局いっつもこっちにだけ責任発生しちゃうじゃん。」
と思ってたわけです。
でもこの答えが返って来てたのは、実は私のせいだったのかもしれません。
情報が足りない質問は答えられない
私はしばしばこういう返事をもらうと「夫は気が利かない!」と思っていました。しかし、普段の夫はというとむしろ気遣い屋、私がテレビを見て何気なく「食べたいなぁ」と口にした地方のお菓子などを、さりげなく出張の時に買ってきてくれるような人なのです。
そして、今の仕事を始めて、気が付いたのです。
私の質問が、悪い。質問の情報量が全然足りていない。
仕事で質問をするとき、私はしばしば選択肢を設けます。フリー回答にすると知りたかったことと違う回答が帰ってきたり、そもそも回答するのが大変で、返事が遅くなったりするからです。質問を投げかける側は自分の都合で質問できるけど、質問に答える方はその質問が届くやいなや急に答えを考えなきゃいけなくなります。だから、答える手間は極力減らすべきだ、と考えていたのです。
仕事では。そう仕事では。
でも私ときたら、プライベートではこんなテキストコミュニケーションを全然意識できていなかったのです。
「何食べたい?」ってなんだよ。仕事で「どうしたいですか?」なんて聞くわけないのに、なんでこんな情報量の足りない質問してたんだろう。
そう思い至ると、「イラッ」は自分に向きました。
仕事中にこんな質問を受けた夫は考えを巡らせたに違いありません。
「何作っていいか思いつかないのかな?」
「それともどこか食べに行こうってこと?」
「もしかして体調悪かったりする?何か買ってきてほしいのかも」
「でもとりあえずもし作るとしたら返事遅いと困るよな……」
で、忙しい間を縫って、画面をタップします。
な、ん、で、も、い、い、送信。
そうです。「何でもいい」とか「どこでもいい」を作り出していたのは私の質問の方だったのです。
具体的な質問には具体的な答えが来る
「今日作るもん思いつかないんだけどなんか食べたいものない?」
そう送ってたらたぶん普通に「カレー」とかって返事が来たはずです。
具体的に聞かないから、具体的な答えが返ってこない。
「どこ行きたい?」だってそう。考えられる余地が大きすぎる。
「明日はちょっと遠出したいんだけど行きたいとこある?」
「私は服買いたいんだけどついでにどっか行きたかったりする?」
「明日どっか出かけたい?私はおうちでゆっくりでもいいけど。」
こんなに可能性があれば面倒だから「あなたに合わせますよ」の意で「どこでもいい」になるのも仕方ないと思えるのではないでしょうか。
質問は、質問そのものよりも背景情報が大事です。
特に好き同志だったらなおさら、相手の状況に合わせて答えたいもの。
普通に面と向かっての会話だったら、その人の置かれた状況や表情からある程度絞り込めます。でも、テキストだとそれができないのです。
それなのにプライベートのやりとりはつい普段の「おしゃべり」感覚でそのことを忘れてしまいます。
その情報不足が相手の思いやりと融合した結果、「イラッ」のもとになっているのかもしれません。
情報を言語化するという思いやり
ただもちろん私もそうでしたが、そっけない質問をする方も、別に悪気があるわけじゃありません。もしこんな質問を受ける側になったらこんな風に、聞き返すのもありです。
「何食べたい?」
「何か作ってくれるの?食べたいもの言ってもいい?」
「うん、買い物今からだから何でもいいよ。」
テキストコミュニケーションは、会話みたいに少ない情報量ではやりとりできません。でも実は、テキストコミュニケーションのやり方をそのまま会話に取り入れても意外と「まわりくどいな!」とかいうことにはならないんです。むしろ、お互いに情報を全部出すことが習慣化すれば、だんだん齟齬がなくなって、トラブルが減ったりします。
「ん!」と湯呑を差し出し、「はいはい」とお茶を用意する。
みたいなのは、常にどちらかが神経をとがらせているからできること。
絶対にどちらかがすり減っていきます。そしてこれを当たり前にしちゃうと、前者は永遠に他の人だとうまく意思を伝えられないし、後者は常に人の顔色を必要以上に伺うみたいに、お互いがコミュニケーション下手になってしまうんです。
相手を思いやるなら、まず持ってる情報をちゃんと言語化すること。
相手が言語化してこなかったら聞くこと。
これを続けたら、だんだん最初から相手も言語化するようになります。
……多分。ソースは我が家の夫婦で今のところn=1なので、ぜひみなさんも仲の良い人と試してみて、結果を教えてくださいね。
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