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自分にも相手にもやさしいテキストコミュニケーションって?

テキストコミュニケーション、勉強したことありますか?

私はライターを始めて、今年で6年目になります。
ライターは全くの未経験でしたし、それどころか職歴もないところからスタートしました。最初は……というか今でも、敬語を含め、ビジネスマナーは正直ちょっとあやしいです。でも幸い、そんな私でもここ数年は営業らしい営業をしなくても途切れることなくお仕事が続いています。
たぶん、その理由は「一緒に仕事がしやすかったから」、つまり「コミュニケーションがとりやすかったから」です。
私はライターの採用側、管理側も経験があります。採用するときは確かに輝かしい実績がものを言うこともありますが、継続してお仕事を渡したくなる絶対条件は「コミュニケーションがとりやすい人」です。
どんなに文章が上手でも、コミュニケーションがとれなければお仕事できません。そして、文章が上手だからテキストコミュニケーションが上手かというと必ずしもそうではないのです。

もう一度お尋ねします。
テキストコミュニケーション、学んだことありますか?
それ以前に「上手にテキストコミュニケーションをとろう」と意識したことがありますか?
もしなければぜひ今日から勉強してみてください。
もしかしたら仕事をとれる確率がぐんと上がるかもしれませんよ。

※以下は先日行った「テキストコミュニケーションについて話そう」のスペースの内容をテキスト化したものです。ざっくり知りたい人はまずこの記事から!一つ一つの内容は今後別の記事にて掘り下げ、下記マガジンに格納していきますので、ぜひご登録ください✨(今のところ無料の予定です)

テキストコミュニケーションは何で大事?

・今やテキストコミュニケーションを使わない人はいない。
→仕事のメールやチャットはもちろん、LINEだってテキストコミュニケーション。私生活でも人は文でやり取りしている。

・テキストコミュニケーションは文章だけのやりとり。
→文章にしたことしか伝わらない。もっと言えばその文章から「相手が」とらえたことだけしか伝わらない。情報量は少ない。

・テキストコミュニケーションは「残る」。
→テキストだからやりとりが残る強みはある。言った言わないになりにくい。報酬まわりの話なども自分で行わなきゃいけないフリーランスにとっては強い味方。

チャットとメールの使いわけ

メールは読むのも書くのも「重い」

・文字通り、チャットは「おしゃべり」、メールは「お手紙」
:チャットは数十回のやりとり前提で、メールは数回で完結前提のUI
→振り返りやすさはチャット>>メール
→内容の重さはチャット<メール
:内容の重さ=受け手が読むのに要するリソースでもある。
→メールを読むのは大変。
:ある程度相手が動ける内容をまとめて返信するor
そうじゃないメールにはタイトルに【返信不要】を

・グループチャットの分だけCCのメールが来る
:メールのやりとりがメインの人は「自分が動かなきゃいけないメール」か「とりあえず目を通せば良いメール」か精査する作業が必要※
→アクションが欲しいならそれが序盤でわかりメールがありがたい
→結論ファーストで行こう!
※フリーランスに来るメールは多くが「自分向け」なので、そういったメールはすごく多い会社員の立場とのギャップを意識しとく必要がある。

チャットの編集機能は「便利」なだけじゃなく「怖い」

・チャットの編集機能は「相手も使える」もの
:価格交渉などにおいて、証明にはなりえない
→契約周りはメールかPDFでしっかりやっておく

・契約以外でも「言った言わないになりそうなこと」はスクショ
→ぼんやりした言い回しははっきり確認してからスクショしよう
例:「大体月末くらいに出してくれたら」
→何日の何時か確認→返事がきたらスクショ
スクショがなかったら20日くらいに「月末くらいって言ったでしょ!」と言われても泣き寝入りするしかなくなってしまう

・初めてのお客様には申し訳ないけど「性悪説」で接しよう
→ちょっとでもめんどくさくなりそうな言動があれば確認してスクショ
例:「文字単価2円で2500字ね」
→記事単価5000円なのか、増えた分減った分で文字単価が増減するのか確認
→後者の返事なら必ずスクショしておく!

Q. メールはチャットと比べハードルが高い。どうすればいい?

メールは「お手紙」なので前後に挨拶などが必要で要件のみのチャットと比べると送るのに気を遣う方が多いと思います。
ただ、メールの「挨拶」の多くは形式的なもの。読む側もそこまで重要とは思っていません。ある程度失礼にならないテンプレを作ってさくっと済ませ、内容に注力しましょう。
私は「お世話になります。」で始まり「引き続きよろしくお願いいたします。」で〆るようにしてます。
「ある程度失礼にならない」がわからない!という場合は相手が使ってるのを真似しちゃうのもありです。

チャットでやりがちな失敗

メンション不足で読んでもらえない

・いろんな仕様があるがメンションを付ける=通知されるという認識が◎
例:
Slackはスレッドで返信=通知ではないことがある
個別チャットなどでも管理の都合で他の社員などが一応入っていると担当者が自分向けだと思わないことも

・とにかく誰でも良いから早く対応して!ってときには全員にメンションをつけるべし(To担当者、CC:To知ってそうな人、でも可)

指示語や曖昧な表現で認識の齟齬が起きる

・チャットはおしゃべり感覚で細かにやり取りする分指示語を使いやすい
例:「その修正は終わりました」
→ライターは1つのコメントに対しての修正のつもりだったとしても、ディレクターは記事全体の修正と誤読する可能性がある。

・主語の省略もよくある
例:「対応しました!」
→ライターは修正対応のつもりでも、もしかしたら「入稿対応」などと思われるかもしれない

スタンプを使うとき気を付けるべきこと

・リアクションで示せるのは「見ました!」くらいまでの情報量しか伝わらないと認識しておこう。過度な感情はのせないこと。
例:
ハイタッチのつもりで出した絵文字→拒否だと勘違いする人も
「一生懸命やってます」の意で💦→「困ってるのかな?」と思われるかも
→私は土下座(感謝の意)と頭の上で〇(承知!の意)しか使わない

・絵文字は人によって受け取り方が異なる
:受け手の感覚の問題だけでなくデバイスによって送られる絵が微妙に異なったりするので注意が必要

Q. Gメールに実装されたスタンプ使っても大丈夫?

まず前提として、Gメールのスタンプはそういう機能がないメールアドレス相手では使えません(スタンプボタンそのものが表示されない)。
Gメール同士で、相手が使ってきたら使ってもいいと思います。
ただし、その相手がOKでも会社全体でOKとは限りません。
スタンプに対する心象は本当に人によってさまざまなので、同じ会社でも別の人に対しては相手が使ってくるまでは様子見がいいでしょう。

言いづらいことを言うときは?

トラブルの「理由」はどうでもいい

・何かの要因で納期に遅れるとき相手が知りたいのは
「自分(ディレクター)がどう動けばいいか」
=現在の原稿進捗、いつまでなら書けるか、他者に引継いでも良いか否か、そのときの報酬はどうするか、など
:できない理由など「あなたの大変さ」はどうでもいい情報
→全部書く必要は全然ない。「体調不良」「所用」「私用」などで十分。

・体調不良の場合
必要な情報:結局のところ書けるのか、書けるとしたらいつ回復の見込みか
=今の体温や症状はいらない、病院に行く日などなら書いてOK
✖今熱が39℃あり、頭痛もひどくとても執筆を行うことができません。
〇体調不良で、現状治る見込みもないため、大変申し訳ないのですが他の人に執筆していただきたく存じます。
〇本日午前診で病院にかかる予定です。今後の執筆については通院が終わり次第ご連絡差し上げますが、間に合いそうになければ他の人に変わっていただいても大丈夫です。

・他の仕事の場合
必要な情報:今の進捗、納期をどれくらい遅らせたら書けるのか
✖他にも複数の案件を引き受けており~
〇はずせない所用があり~
相手が知らなくても良い情報をわざわざ与える必要はない。
聞いてきたら答えればいいし、もしそれで「他の仕事なんかするな!」みたいなお客様だったら今後のお付き合いを考えて良い(マイルドな表現)

トラブル用テンプレを作っとこう

「納期遅れ」だったら最初の謝罪はマスト
謝罪→現在の進捗→今後の見通し→自分的にはどうしたいか→とはいえそちらにおまかせします→改めて謝罪→再発防止策の提示の流れがベストでは。
トラブル時などにこういったメールを出すのは大変なのでテンプレをつくっとくと相手に迷惑がかからない。

・納期は「遅れそう」くらいで連絡しましょう
遅れそう→やっぱ間に合いました!で怒る人はいない

トラブルに対する「誠実」な対応とは

大変さの提示や理由の正当化で怒られる量を減らそうとしても
相手の大変さは変わらない
=真の「誠実さ」は自分の立場を考えず相手が動きやすい状況を整えること

テキストコミュニケーションがスムーズにできたら、こんないいことがある!

継続のお仕事が増えるよ

ライターを使う側からすると「新しい人を使うのは怖い」
=知ってる人で対応したい
→案件発生ベースで声掛けしやすいのは「あの人と仕事しやすかったな」という印象の人。仕事ができても、ピリピリした印象だと、声掛けしづらいです。

家族や友達とのトラブルも減るよ

体感、齟齬のないやりとりを意識しだしてから夫婦喧嘩だいぶ減った。
連絡帳などでも感情的にならず先生に動かせる文章が書けるよ。

AIにもプロンプトが伝わりやすいよ

AIは指示語の認識が下手くそだし、誤読もよくする。
→認識の齟齬が少ないテキストコミュニケーションが普段からできてるとAIの出力の精度が結構上がるよ。

まとめ

仕事におけるテキストコミュニケーションは「接客」
テキストコミュニケーションの正解は相手によって変化する
常に相手の動きやすさを考慮した「オーダーメイドの接客」を目指そう!

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