子を持つことはリスクなのか

最近、リスクとかリターンとかコスパとかで評価する

合理的な人が増えてきましたよね。

子どもに関しても、コスパ悪いとか

リスクがでかすぎるなんていう言葉をよく聞きます。

なので、3人の子を産んでみた私が

実際のところどう感じているのか、書いてみようと思います。


まず、子を持つことは間違いなくリスクです。

まあリターンもあるけど、リスクがでかいことは間違いない。

特に、妊娠・出産は言葉悪いですけど、ほぼガチャです。

人の意見なんか一切参考になりません。

子どもの状態1つで、親は死んだり、精神的に病んだり、社会的に終わったりします。


でも、なんとなく、妊娠出産って「ほんわかしあわせ」なイメージで

あんまりネガティブなこととかは考えませんよね。

普段「最悪」しか考えないネガティブ魔人な私でも

出産のトラブルで死んだときに備えて遺書を書いたくらいで

生まれてくる子は健康と信じて疑いませんでした。

というより頭に「自分の死」以上の「最悪」が思いつかなかったんです。


さて、私の第3子は先天性疾患を持って生まれました。

生まれたときに肺が一切機能しておらず人工肺をつけることになり、

同意書の「脳出血」や「重度の障害」という言葉に

背筋が凍ったのを覚えています。


このとき、人として思ってはいけないことなのですが

自分の死より子供の死より

「子供の障害」を恐れてしまいました。


死は悲しいものだけど、「瞬間」の出来事です。

でも「障害を持った子を育てること」は「いつまで続くかわからない」。

私だけじゃない。私の生活を、家族を、一変させてしまう。

上の子たちの顔が浮かんで、一瞬同意書を書く手が止まりました。


たとえ健常児であっても

子を育てるということは「瞬間」ではありません。

親は子より年を取っているのですから

自分の一生をかけて育てることになる可能性も十分にあります。

なので、起きうるリスクは膨大です。


結果として、私は息子の命を見捨てられず同意書にサインをしました。

息子は順調に回復し、大きな障害は残らず

今ではちょっと体が弱いだけで普通の子と変わりません。


でも、息子の命か上の子たちとの平穏な日々か

秤にかけなければならなかったあのときのことは

今でも本当にトラウマです。


私は本当は4人子供が欲しかったのですが

たとえ0.000001%でもあの日を繰り返す可能性があるから

もう絶対にもう1人は産みません。


子育てのリターンについてはあえて触れません。

リスクが絶対起こるとは限らないように

リターンもどうなるかわからないからです。


子供だけに言えることじゃないけど

リスクもリターンも確率論。

あなたが100人に1人や、1000人に1人になることは

あたりまえにあり得ます。


リスクを避けることよりも

きっと大事なのはリスクに備えること。

頼れるところを増やしたり

夫婦で意見をすり合わせたり

とにかく金を貯めて置いたり

どれもやっといて損はないです。


ここまで察しがつくかと思いますが

子供はコスパも悪いです。

労力もお金も膨大にかかる。


だけどそんなリスクもでかくてコスパも悪い

「子を持つ」ということを

あえてやってる人が多いことこそが

答えなんじゃないかな。


少なくとも、私は後悔してないです。


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