上司クビにより採用面接官になったので外資/海外現地採用の参考になる(かも)なことを書いてみる
先日生まれて初めて、
上司(ベルギー人)がクビになる
という体験をした。
「あなた達に言わなければならないことがあるの」と、teamsビデオ越しに話し始めた上司は、
泣いていた。
正確に言うと会社ではなく、ポジションをクビになった
とにかくすごく優しくて良い上司だったので、
インド人部下は憤慨泣き、
イギリス人部下はフォローの言葉を熱弁、
私も思わずもらい泣き、
となかなかにセンセーショナルな現場。
そして、部下達3人は、今まで以上に絆を深めてこれから上司の残してくれたものをより良くすべく頑張ろうと結託した。
が、数日後、
今度は、
あれだけ憤慨していたインド人が会社を辞めると言い出した。
良いおぽちゅにてぃーを見つけたの、と。
いやいや、まてよ。と。
おぽちゅにてぃー今見つけちゃったんかい、と。
あの感動劇場はなんだったのかと。
状況を整理すると以下ご覧の通り、
ただでさえ、ギリギリで生きていたのに、
上司と同僚を同時に失いカオスな状況に追い込まれたイギリス人と私は「良かったね!」と言いながらも尋常じゃなく顔が歪んでいたと思われるので本当にこのご時世、コロナで、遠隔でビデオオフの会議で良かったと思っている。
(もはやコロナ様様
そして、そんな可及的速やかに社内公募でポジションを埋めなければいけない中、
ベルギー人を突然クビにした手厳しいBig Bossにinterview panel(採用面接官メンバー)に入らないかと言われた私には震えながらクビを縦に振る以外の選択肢はなく、
成り行きで生まれて初めて面接官側を体験することになった。
今日はそんな人生初体験で学んだことや
応募者に対して思ったことを自分の覚書として書き連ねつつ、
これから外資系や海外現地採用を目指す方に
役に立つか、立たないか分からないことを書いてみたい。
全体的な選考プロセス
今回社内公募なので給料の交渉などはないが、
それ以外の選考プロセスや面接官側がどう評価するかは一般化出来る部分あるかしら、と期待。
【対象】
インド人の空きポジション
【評価者】
interview panel 3名
1. プロジェクトの責任者(以下、Big Boss)
2. 応募者の上司となる人
(今回不在故わたくしうさぎのしっぽが代打)
3. 応募者と同列の別グループリーダー
(以下、おかめ煎餅)
【書類選考】
2種類提出する必要がある。
・CV(curriculum vitae): いわゆる履歴書のこと。どの会社でどれくらい、どの役職で働いていたかを書くだけでなく、各ロールでのアピールエピソードを記載する。
・cover letter: 日本語では送付状と言うらしいが、イメージ的には志望動機と、私を採用しないのは損だぜベイベとカマス採用者宛のお手紙。
→評価方法
6項目程度に関してinterview panelが各自1-3点をつけ、合計点を3人で比較して上位者を面接に呼ぶ形式。
6項目の内訳は、求められる経験からjobに必要なソフト面のスキルの事例記載有無(例: プレッシャーの中でパフォーマンスを発揮しなければならない仕事であればそれに関連した事例など)を含む。
※基本的には募集要項に記載されているskill/期待される人物像にのっとっている。
【面接】
構成は以下。
1. 基本質問:
Please walk us through your CV especially highlighting any relevant episodes to this role. (履歴書のこと要約してちょ)
2. 会社の期待される行動指針に関連した質問: 詳細は略すが、うちの会社の期待される価値観に関連するエピソードを問う。
3. Jobに必要なスキルに関連した質問: Jobに必要なスキルに関連したエピソードを問う。主に問題解決方法等のソフトスキル。
4. 質問タイム: 応募者からの質問タイム。
→評価方法
・会社全体として期待される行動指針
・job特有の必要なスキル
のそれぞれいくつかリストされている項目に対して3段階評価し、最終的にコメントと採用・不採用を記載する。ただ、こちらについては結局3人のinterview panelが口頭で意見を交換し、決めた。
ここからは、アドバイスというとおこがましいので、いくつか応募者に対しての感想を言わせていただきたい。
お主何故応募した?
と思ってしまった人たち。
1. cover letterを付けない:
どゆこと?普通に付けろって書いてあるのに無視ってなんでしょう。印象も悪いので書類で即落ち。(CVににcover letterの内容も含まれてるレアケースは例外)
2. jobに関連性のないエピソードと経歴:
仏の心で評価つけようとしていた私でも
0点を付けざるおえない人たちが数名。
全く違う分野から応募するのは良いが、繋がり不明、全く期待される人物像に関連性のないエピソード書いてる人。なぜ。
「上司に言われた追加業務頑張りました!ドヤ」って書いてあった履歴書は何アピールか分からず笑ってしまった。
あと写真でページのほとんど埋めてる人とかね。斬新de賞。
3. jobを理解していないor興味ない:
これはバレるんですね。
新卒の時頭では分かってたけど、面接側になって実感しました。
特に質疑応答で「そゆ仕事じゃないのですが?」「え?応募要項に書いてあったYo?」っていうこと聞いてくる人。それでバレる。
話が長いと面接官も寝ちゃうわよ
ちなみに、おかめ煎餅は途中でほんとにあくびしてて焦った。
それはさておき、
話が長い応募者に対してBig Bossが何度も繰り返してたこと。もう何度も言うもんだから私の耳にオクトパスですよ。
問題点→解決策→結果
この3点ですっきり手短に。
背景一生懸命説明されても細かいところ理解出来ず、脳内で情報をシャットアウトしている自分がいたので、細かい背景説明は本当に意味ないと痛感した。
これは、外資系とか現地採用とか関係ないですね。
「あなた」の色んな話を聞きたいの。
結構、「みんな」でやったことを話す人がいる。
これはもしかすると、外資系・海外現地採用だとなおさら強いのかもしれないが、
聞きたいのは「あなた」が具体的にどういう行動をそこでしたのか。
そして、エピソードは言語に自信がなければ、
なおさら何を聞かれても対応出来るように
大量に用意し、あらゆる角度からの質問でも言い方を変えて対応出来るようにすべきだなと思った。
少し言語の問題で上手く話せていない応募者がいて、1つのエピソードで全て通そうとしていたのが、きっと優秀なのにとても残念だった。
私も自分が面接の時は、さすがに英語で応用を効かせる自信がなく、壊れたRadioのように何度も何度もエピソードを繰り返して自信を持って話せたので、その作戦はオススメしたい。
まとめ・余談
今回は初めての面接官側をやってみて、
こうやって決めてるんだーとか、
社内公募だと周りの評判を聞いて裏をとるんだなーと知ったり、
コワモテBig Bossがteamsのビデオ画面乱れながらガチトークしてて笑いを堪えるのに苦しかったり、
おかめ煎餅、感情が顔に出過ぎでやばかったり、
思いの外面白い体験だった。
そんな、参考になるかならないか全く分からない海外現地法人の面接のお話でした。
私も人のことばっか言ってないでこの良き経験を忘れないようにしたい。