【ネタバレ有】なぜ私は奥村春を好きになったんだという問い
つい先日、ペルソナ5Rをクリアした。もちろん無印はクリア済み。怪盗団として八面六臂の活躍をする日々を楽しませてくれるゲーム。
本当に最高だった。また、明智に新展開、芳澤かすみ、丸喜という新キャラも追加され、血沸き肉躍る展開に、まさに僕の心も奪われてしまっていたわけだ。
完成した無印に新展開を加えているわけだから、多少のアラもあったが、それを感じさせないようにするセリフ回しや細かい演出もみていて気持ちのいいものだった。素晴らしい。素晴らしいゲームだった。
しかし、僕に、ある一つの変化が起きていた。僕は、その一つの事実に戸惑いを隠せなかった。
奥村春が好きになっていた。
奥村春。無印を3回クリアしていた僕でも、当時、そんなに好きになれなかった。
春は、物語の後半に登場し、めぼしいイベント(みんなで海に行く水着回、浴衣花火、ハワイへの修学旅行など)にも参加しない。だから、ほかのキャラよりも愛着が湧きにくい。それに加えて、イベントを進める為に「器用さ」のマックス値を求めてくる。奥村春とのイベントを進められる時期までに「器用さ」を上げておかないと、ゲームの終わりまでに好感度をマックスにすることはできない。
だから愛着を持てなかった。でも、いいんだよ、もう。好きじゃなかった言い訳は十分だ。1番の関心事は、自分の中の何が変化したかだ。
僕は、それを自分で精緻に観察する必要がある。なぜなら自分の中のこの変化は、かなり意外だからだ。なぜ彼女のことを好きになってしまったのか。いろいろな要素が絡んでいる気がする。無印から4年。己の中に新たなアルカナが表出した可能性がある。(わしゃワイルドだったんかい)その理由を丁寧に。書くか(主人公がセーブするときの言い方)
まずは、春のキャラクター性を掘り下げてみよう。そこに答えがあるはずだ。きっと。
春は、ぜーーーんぶ省略して書くと、調子に乗った怪盗団のせいで大事な人を失ってしまう、という立ち位置のキャラだ。訳の分からん方法で改心する!と言っていた怪盗団と一緒に行動していたら、大事な人を失う結果となった。もちろん、怪盗団が完全に悪い訳ではない。でも一因ではある。色んな要素をすっ飛ばして、ざーーーっくりいうとそんな感じだ。悲しすぎる。
春は、その後「あなたたち(怪盗団)を疑ったこともあるけど」、といいつつ、「仇を取るために」怪盗団へ入るのだ。
僕は彼女の心の変遷を「なんで寛大なんだ」と思った。外部的な要素だけ追えば、そうやって心が変わるのは、わかる。でも、そうやって彼らと分かり合えるなんて、「寛大な赦し」と「包容力」がないとできない。
違う、そうじゃない!って言ってもわかってくれないことって、多いじゃない。それを、自身の力で立ち直り、そして赦してくれる。
「わかってくれて、ありがとう」と、僕は今回のプレイ中、春に対しそう呟き、涙を流していた(心の)
そして、春のイベントを進めていくと、ある一文が目に飛び込んできた。多分、この文を飛ばさずに読んだからだと思う。彼女に心奪われたのは。
彼女は「そもそも怪盗団に最初に接触したのも、あなた(主人公)と一緒にいたいから」的なことを言ったんだ。
おいおいおいおい!!!聞いてないよ。
てことは?そんなに悲しいことがあっても一緒にいてくれたのは、そもそも?そもそも?そもそも拙者のことを?ワイのこと、好きっちゅうことけ?春ちゃん……………
トゥンク
ミステリの答え合わせ的な。なんで赦してくれたのか、いまいち納得出来てなかったけど、「それはあなたが好きだから」って。
謎解き成功。脱出。全てが繋がり、一気に氷解した。そこから、クリスマスもバレンタインも「誰と過ごす?」の選択肢は春しか選べなくなっていた。
ここまで書いて理解した。己を。
僕は今、「寛大な赦し」「好きが故の優しさ」に飢えているんだ。言葉にしちゃえば簡単だが、恐ろしいほどに納得している自分がいる。
自分がヤバいやつになっていることを理解したところで、終わりとする。