音楽は感情のタイムカプセルだから
音楽で、記憶を掘り返すこと、あると思う。
不意に聴いた音楽で、不意に忘れていたことを思い出すこと、あると思う。
その思い出の解像度が曖昧なほどに、音楽によって思い出される風景とか心情の明確さに驚くと思う。
普通に生活してるだけの生活と、音楽が割って入ってくる生活じゃ、思い出されることの解像度は明らかに違う。
だから、音楽は、タイムカプセルとして使うといい。
私の場合、初めて一人暮らしをしてた時、ずっとミスチルのSenseってアルバムを聴いていた。
初めて一人暮らしを始めて、慣れ始めた半年後、それを一気に封印した。Senseを聴かなくした。なぜなら、このときの初々しい感情をいつまでも保存しておきたいって思ったから。
なぜなら、受験中に聴いていた曲を、一人暮らしを始めた時に聴くと、すっごい解像度で当時を思い出していたから。
「曲を聴くだけでこんなに受験中の思い出が蘇るなら、一人暮らし始めの思い出も、きっと鮮明にいつか思い出せるんじゃないか?」
そんな仮説が浮かんだから。
その仮説は、めちゃくちゃうまくいってる。
今でもエモい気持ちになったら、封印された曲を、ちょっと聴いてみる。
すると、しっかり聴こえてくるんだ。
その曲と一緒に当時の思い出が。
だから、結局大人になったら、思ってもみなかった感情とか、持ち得ないと思ってた思考とか、そんなんにぶち当たると思う。
その時、きっと外れた感情や思考を、結局今の我々は取捨選択しするしかない(捨てる方が多い)
学生時代の、何にも考えない、手当たり次第の感情に任せたような感覚ではなく。
だけど、取捨選択を厳密に行ったはずの我々社会人の感情から溢れたものでも、保存しておきたい気持ちはもちろんある。
それを、歌ってのは冷凍保存してくれるから。
すごくない?たっくさん捨てたのに、その捨てた感情すらも、歌は隅々まで保存してくれるんやで。
リリンが生み出した文化の極みでは?
それがおれにとってはラブライブの歌だと思う。色々あったから。
あなたにとっての、その時々の保存曲、きっとあると思う。
ただ、それを集中的に聴く期間は、あえて区切った方がいい。
歌は、聴いた瞬間自分の感情とか思考をすぐにその曲に溶かしていくから。
気をつけて。冷凍保存するイメージで。ちゃんと区切っていこう。
今の感情や風景を残したいなら、自分のいま聴いている歌を聞き込んで、感情も載せて、
その後、耐えれなくなって、思い出したくなった時、思い出に頼りたくなった時だけ、聴けばいいと思う。
な。
それが気化冷凍法やで。
以上や。
そういう時、ミスチルって本当便利だから、聴いてみて。
全てのアルバムに自分の色んな人生の残り香をのせてしまったせいで、ミスチルを最近聴けなくなってる。
40歳になった時に、一気に聴きたくて。自分の人生を、感じたくて、最近聴いていない。
今から、やっていこう。一緒に。
思い出、気化冷凍してこうや。
終わり