夢の欠片を拾い集めて
もう一度会える日を、ずっと待ってた。
何故夢を見るのだろう。何の痕跡も残さず、何の意味も為さず、ただ記憶の波にぼんやりと消えていくだけの夢などというものを。
意味がないから。何も残らないから。夢は自由だ。
叶わない夢を見ても、決して届かない願いが形を為していても、夢の中なら誰にも咎められない。
自分の思い描いたとおりにはならないけれど、物語をコントロールすることは出来ないけれど、
でも夢の中だけは、夢の世界だけは、誰にも踏み込まれない、自分だけの世界。
会えるのは、夢の中だけ。
願いが届くのは、ただ夢の中だけ。
ねえ、だから涙が止まらなかったんだよ。
幻だとわかっていても、確かにこの記憶の中に夢は残っているから。
幻だとわかっていても、涙が止まらないんだ。
幻の物語を、ひとつひとつ思い出す。
窓の外に広がる知らない街。青い海。
この世界のどこにも、存在しない物語。
夢に見たあの景色は、世界が選び損ねた無数の可能性のひとつだったのかもしれない。
それでもいい。それでもいいんだ。
この次元のどこかに、願いが叶う選択肢があったのならば。
どこかの次元にいる自分が、幸せだったのならば。
そんなことすら幸せに思うほどに、それほどに。
その先の言葉は、そっと夢の世界に置いていく。
夢の中にならば、その言葉にも居場所はあるだろう。
もう一度会える日を、ずっと待ってる。
この願いが記憶から消え失せる、その日まで。
(※深夜なので中二病全開)
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