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「会う」と「出逢う」のちがいはなんだろう?

今日ご近所のなんとかさんに「会う」というのはその日の晩には忘れてしまうけど、「出逢う」というのは、自分にとって大切な人とどこでどうやって会ったのか印象に残っていて、心に残り続ける会い方のことか。

でも、ちょっと考えてみると実は…最初からそれほど劇的ではなくて、その日その瞬間にはご近所のなんとかさんに「おはようございます」を言ったくらいのささやかな「はじめまして」だったかもしれない。古い漫画のようにお互いの目と目がバチバチっと閃光を…というわけにはいかない。とても親しく深く付き合っている友人だけれど、最初はどこでどう会ったのかあまり覚えていないという人もいる。

「出逢い」という言葉で語られる状況は、本当に初めて「会った」ときからいくらか時間が過ぎて、その経過した時間に載っている出来事や言葉や風景全部を含めてのことのような気がする。愛おしいと思ったり大切だと思ったり、あるいは憎らしく思ったりもするかもしれないが、その感情をもった現在から眺めた最初の地点のことを「出逢い」と呼ぶのだ。

今日、この瞬間、「会った」ものの価値が今の私にはわかっていない。

これは後で「出逢い」であったと呼べるものなのかもしれないし、明日の夜には消えてしまう記憶なのかもしれない。

いずれにしても、この遭遇は自分だけで選べるものではない、何かの力の結果であろう。この瞬間を無頓着に通り過ぎて、あとで残念なことをしたと思うまい…一瞬一瞬気が抜けなくて、くたびれそうだけど。

瞬間瞬間、指先からこぼれ落ちていくような時間と空間。日記をつけたり写真を撮ったりするのは、「出逢い」で会った瞬間をなんとか残そうとする工夫なのかもしれない。


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