ある学びの場に参加している。
今回課題の一つに、「自然の中に一人で30分いること」というのがあった。
…これが意外に難しい課題だった。
周りに自然があるようでないようで。それが東京というところだ。
事情と時間が合って「六義園」に行ってみることにした。柳沢吉保の作った大名庭園であり、明治に三菱財閥の別邸となった後、いまは東京都の管理する文化財である。和歌のために作り込まれ管理された庭園が「自然」といえるのかどうか、子飼いの否定怪人ダメダワアが不満を言っていたが、木も花も水も石も「キカイ」じゃないんだからいいんだと説得して出かけてみた。
美しかった。
真夏の緑と日差し、蝉の声が迎えてくれた。春、秋はさらに色とりどりだろう。広い園内を一人でただただ歩いた。作られた「庭」でも、自然の山や野や川や池でも、そんな区別は関係ない大きな「自然」の力は人を癒すものだと実感できた。
もう一つ、大きな気づき。
私が心惹かれてまたここにきたいと思った場所は、「滝見茶屋」と呼ばれるあずま屋あたりだった。全体に静かで動きのない庭園でここだけが水の音をさせている。滝と呼ぶのはどうなの?というくらいの小さなものだけれど…流れてて飛沫を上げるという動きのあるところだ。野山で普通にであえそうな風景。だけど、ここがとても好きだ、と思えた。
水が流れる音。これに惹かれている。なぜかしらないけど。
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