ENFPから見たMBTI各タイプ⑤、INFJ
はじめに
今回はINFJについて触れるが、例によって、全て私(ENFP)の偏見に基づくものであることに注意が必要である。
読者の方にはそのことをよくご理解の上、以下の記事をご覧いただきたい。
1.MBTIに求めるもの
世の中にMBTIにハマるINFJは多い。
note界隈のMBTI関連記事を見渡してみても、INFJは特に個体数が多い。
一説には、全体に対するINFJの割合は1%程度と言われるが、noteの記事の比率で見ればとてもそれどころではない。
MBTIに関心を持つINFJが多いと言う事実は、INFJにとってMBTIの需要があることを物語っている。
実際彼らの書く記事を読んでいてMBTIに救われたとか助けられたと言う表現が目につく事があるが、その意味するところは例えばINFPが書いた場合とは意味合いが異なるようだ。
結論から言うと、INFPがMBTIを自己受容の手段として使用する傾向があるのに対して、INFJはMBTIをあくまで自己分析手段として、または他者への分析に転用する形で使用する傾向がある。
(上記は、当然のことながら個人差がある。)
2.客観情報で捉え、感情で判断する。
INFJは、感情型としては、主観に満ちていて自分大好きなINFPとは対極の存在と言える。
彼らの書く文章は客観的な色彩で綴られる傾向がある。
それと同時に、その文章には細部にまで筆者の性格の傾向が現れてくる。
しかし、INFJの場合、文章から筆者の主観の詳細それ自体がハッキリとは見えてこないと言うことがある。(もちろん、その傾向には個人差がある。)
その場合、どちらかと言うと、筆者であるINFJ自身に自分自身が明確には見えていないのではないか、と疑われる節がある。
それゆえに、INFJにとってMBTIは特別な意味を持つ可能性がある。
物事を、自分自身さえ含めて客観的に認識するINFJにとって、MBTIはその認識の空白を埋めるのに有用なツール足り得る、と考えられるのである。
情報は極めて客観的に認識され、にもかかわらず、価値判断は感情に基づくため、その思想や行動は一定の特徴を持つことになる。
これは、好循環が起これば冷静かつ利他的に振る舞うが、悪い方向に向かうと、無自覚にストレスを溜めまくった挙句に最終的にドアスラムへと行き着くことになる。
3.人間関係と周囲からの影響
基本、INFJの対人関係はサバサバしている。
彼らはパッと見で控えめに振る舞い、自己主張少なく、人によっては超然としているように見えるかもしれない。
しかし、何気に彼らは周囲の環境の影響を受けやすい。
他の自意識が強いタイプは、コロコロ感情が変わるため影響を受けていることが分かりやすい。
それに対して、INFJの場合は、自意識が薄いため見た目上影響を受けている事が分かりにくいが、よく観察すると確実に侵食されているのが見て取れる。
例えば、人々の間で暴力が横行して感情が入り乱れるような環境下では、INFJは荒む。
逆に、優しく穏やかな人々に囲まれていると、本人も健やかになる傾向がある。
こういうところは、例えば、精神の独立性の強いISTPなどとは明確に区別される。
結果、INFJは環境によってはストレスを少しずつ蓄積していく傾向が見られ、ストレスコントロールが苦手な印象を受ける。
また、INFJは相手の性格や行動パターンを把握するのが得意であると言える。
しかし、INFJの一部について、彼らは表層を捉えるのが得意だが、他人の深層心理、つまり、その本人自身が自覚していないような深い動機への理解や関心がやや薄い傾向が見られる。
この傾向は、INFJが自身の動機に自覚的でないため、他者に対しても同様に捉えているということがベースにあるとも考えられる。
ただし、これはINFJ全般に言える傾向ではなく、個人差があるところを見ると、彼らの経験によるところが大きいのかもしれない。
4.心理機能
こうして見ると、彼らINFJの性格傾向はNi(内向的直観)による知覚の影響が色濃いことが見て取れる。
直観、特にNiは無意識下で働く事が多い。
その直観によってもたらされた認識は成長とともに蓄積され、構造化されて行く。
そして、その知覚にFe(外向的感情)による判断姿勢が加わることが、彼らをユニークな存在へと仕立て上げている。
余談だが、中年期以降のTi(内向的思考)の発達したINFJは、直観の言語化が進むため、自らの確信に説得力を付与できる事が多くなる。
しかし、それがTe(外向的思考)ではなくTiであることが、彼らのユニークさをさらに担保することになる。