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「機能」の言葉を区別してみる
日本語の「機能」という言葉は、しばしば異なる意味で使われます。特にソフトウェア開発の現場で「機能」と言った時に、それが具体的に何を指しているのかが不明瞭になりがちで、コミュニケーション上の問題にもなることがあります。
例えば、次のような「機能」は粒度が不揃いなので、これらを同一に扱うことは難しく感じられます。
・カメラ機能
・通知機能
・タイマー機能
・顔認証機能
・自動更新機能
・コピー(コマンド)
・パスワードの自動入力
・検索語句の補完機能
…
このような不揃いな「機能」を機能一覧としてまとめても、仕様書あるいは設計図としての精度は良くありませんし、それを使ったその後のコミュニケーションコストが大きくなりそうな気がしてなりません。「カメラ機能」と「検索語句の補完機能」ではあまりにも粒度が違いすぎます。
そもそも「機能」という言葉には、英語で言うところの「Feature=特徴」に相当する意味と、「Function=働き」に相当する意味が同時に含まれ、場面によってどちらの意味ととって良いのかが分かりづらいことがあります。「機能」の言葉が指す粒度がはじめから定まっていないのです。そこで、私はこの「機能」の言葉の濫用を避け、英語に倣って「特徴」と「働き」の二つに(必要に応じて)区別することを推奨しています。
区別の仕方
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