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ここにいるよと教えてくれた胎嚢ちゃんへ

暇。入院ってこんなに暇なのか。
ドキドキしながら病棟にやってきて、手術に必要な処置を終え、順番が回ってくるのを待っている。俎上の鯉ならぬベッド上の患者。

前回子宮外妊娠かも、という旨の投稿をした。その直後の診察でも結果はわからず、週明けに持ち越しになった。
すると、胎嚢確認というまさかの逆転ホームラン。エコーの写真をもらい、夫にも見せて「根性のある子だね」と喜んだりした。

そしてまた1週間後、胎芽が見えるかな、心拍もわかるかなと緊張しながら内診台に上がった。何も見えなかった。
胎嚢ちゃんはどこへ行ったんだろう。

採血の結果、hCGというホルモン値が高いこと(7週て6万くらい)、出血が続いていることから「胞状奇胎」の可能性があると言われた。
そして、正常な妊娠では無いので子宮の中身を取り出す手術をしなければならないと。

もう、そこからは仕事の調整、「胞状奇胎」で検索(「ほ」と入力するだけで予測してくれるまでになった)、入院準備などでバタバタとした日々を過ごした。
落ち込んでる暇なんてない、と言えそうな流れだけれど、暇があると落ち込みはした。
なんでうちはこんな大変なルートを通ってるのかな、という気持ちを夫と共有できたのはよかった。「他にもっと大変な思いをしている家庭がある」という正論はさておき、「今の私たちって予想していたよりハードな展開だね、なんでだろうね」とままならなさを分かち合うことができて、よかった。

今回は残念な結果だった。胞状奇胎だったら半年は経過観察のために妊活はストップだそうだ。
その間にダイエットをしようと夫と誓い合った。なお、夫は在宅ワークから会社へ出勤する日々となり、すでに5kgの減量に成功している。
前向きに、また準備をして、挑んでいくしかないのだ。

何にせよ、胎嚢が見えたのは私にとってひとつのステップアップというか。
「白鳥の歌」「いたちの最後っ屁」と、対照的な言葉が同時に浮かんで、この場合どちらが適しているのかわからないけど。消えてしまったけど。ここにいるよー!と教えてくれて、ありがとう。
今度はもっと育てられるとよいなぁ。