子供の万引き(泥棒)について

私が関心を持っている分野の1つに刑事政策という学問があります。
刑事政策というのは、犯罪者の更生と犯罪被害者の救済を考える学問です。
そんなことから、noteではこの刑事政策に関する問題に関しても、気づいたこと、感じたこと、考えたことなどを発信していきたいと思っています。
今日は、子供の万引き(泥棒)について考えてみたいと思います。

私は万引きという言葉が嫌いです。実態は「泥棒」で、泥棒という言葉を投げかけられたらすごく罪悪感を感じるのに、「万引き」という言葉によって非常に軽く感じられる一面があるからです。そのため、あえて万引き(泥棒)と記載しています。

さて、前置きはここまでにして、以下は、かつて私が見聞きした3つのケースです。
1.自分が欲しいものを手に入れるための万引き
2.いじめやグループ連帯行動による万引き強要
3.親に褒められたいが故の万引き


1.自分が欲しいものを手に入れるための万引きについて
子供が万引きしたと言われると、おそらく即座に1.を想像するのではないでしょうか?何かが欲しかったけどお小遣いが足りずにお店やお友達の家から持ち去った、そんなケースです。

一度やって成功すると、次も次もとなっていくのも恐ろしいですが、もしバレたら、それによって信用を一気に失い、友達も失うという非常に恐ろしい行為です。そのため、万引きは泥棒だ、犯罪だ、信用を失い、失った信用は戻らないということを小さいころからきちんと伝えて理解させる必要があります。

実際に、友達Xちゃんの家でお金を盗んだAちゃんは、担任の先生からAちゃんと普段交流のあったBちゃんその他の親へその旨を伝えられ、交流することができなくなりました。一度の行為がこういうことを招くという現実も知っておくべきかもしれません。

2.いじめやグループ連帯行動による万引き強要について
これは、もしわが子に起きると驚いてしまうでしょうが、背景は理解しやすいのではないでしょうか?

いじめっ子に、何かを万引きするように強要され、その結果万引きしてしまったケースもあれば、グループ全員で万引きしようという画策のもとで、全員で何かを万引きするケースもあります。

もちろん、そんなことはできない、ダメだと言えて拒絶できればいいのですが、暴力が加わるケースもあり、必ずしも拒絶できない場面もあります。

こういうことを考えたとき、まず万引きされた人も、親も、なぜその子がそういう行動を起こしたのかを冷静に聞く必要があります。自分が欲しいからという理由だけで万引きしたならば、1.のケースなので、いかにその行為が問題であるのかを教育する必要がありますが、もし強要されていたならば、繰り返される懸念がありますから、状況に応じた対応が必要になります。

つまり、万引きした子供をいきなり頭ごなしに叱っても、本質的な解決につながるとは限らないので、まずは冷静に話を聞く、問題の根幹を断つための方策を考える必要があります。

3.親に褒められたいが故の万引きについて
これはどんな場合か想像できるでしょうか?私が見聞きしたのはこのようなケースでした。

Cちゃんは、よく親に叱られていました。Cちゃんはとにかく特にお母さんに褒められたくて毎日必死でした。そんなCちゃんがお母さんから頼まれて食品の買い物に行きました。予算数千円でお買い物してきてというミッションでした。

Cちゃんは、できるだけたくさんの物を買えればお母さんに褒められると考えました。そして予算内でいろんなものを買いましたが...もう1品どうしても欲しくなりました。おつりではどうしても足りない。でもこれをもって帰ったらお母さんが喜びそうだと思ったのです。

Cちゃんは万引きがいけないこととわかっていたし、本当はしたくなかった。でも、お母さんに褒められたい一心である野菜を1つ万引きしたのです。お店の人には見つからず、お母さんにも見つからず、お母さんには予定どおりこんなにお買い物できたの、すごいねと褒められました。でも、万引きした事実を言い出せず、ずっとその野菜を見るたびに万引きを思い出し、苦しんでいました。

このようなケースが多いのか少ないのか私にはわかりませんが、こういうことを防ぐには、面倒でも、帰ってきたときにレシートと物を一緒に確認する必要があるのではないかと思います。それをしてからたくさん誉める。レシートとの確認作業があれば万引きはしませんので。

私が子供の万引きについて見聞きした時に一番驚いたケースがこの3番目のケースでした。日常のコミュニケーションを含めていろいろ考えることがありそうですね。

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