日本語講師のボランティアをはじめた時のこと。
日本語教育能力検定試験の受験を決めたのが2023年4月。試験は10月。勉強を始めるのは早くはなくむしろ遅いけど、試験勉強だけでその期間を過ごすのは無理だと思った。日本語講師のことを調べる中で日本語を教えている人のうちの多くがボランティアとして教えていることを知った。私にもできるボランティアはないか調べた。住んでいる市の国際交流会館でボランティアによる日本語教室があり、オンラインのマンツーマンレッスンもあった。早速説明会に参加して登録。教室レッスンに参加するのは何となく気が進まず、オンラインレッスンから始めることにした。誰にも教わらずに一人の部屋から世界のだれかに繋がり日本語のレッスンをするというのは正直怖かったが、パリやニースのベンチで毎日知らない誰かと話したことを思い出して、まずはリラックスしてやってみようと思った。
始めてみると、市でやっているボランティア教室ということもあり、既に日本に住んでいる人が多い。つまり、もうすでに日本語がある程度話せる人が多く、自分が持っているボキャブラリーでとにかく日本人と話す機会を持ちたいという方が多かった。今思えば経験の全くない私には本当にありがたかった。時々、文法的なことを聞かれたり、似た表現の違い、言葉の意味など、生徒さんからの疑問にお答えする。日本旅行が好きな人、数か月後に旅行を控えている人などもいて、ちょっとした観光情報などを聞いてくる人もいた。ボランティアのレッスンでは毎回違う生徒さんがランダムでやってくる。(生徒さんが気に入った先生を指名することもできる。) その時々に新しい出会いがあり、それぞれの違ったリクエストにお答えしていく。こういうことはけっこう好きだと思った。
自分が言語学習が好きなのもあって、日本語の文法や表現について説明することも苦にならず楽しんでできた。ボランティアは週に何回参加しなければならないなどの縛りもなく、他の予定で忙しい時や自分の時間が欲しい時はあまり入れず、教える練習をたくさんしたい時はできるだけたくさんのレッスンを経験させていただいた。
ボランティアでのオンラインレッスンがとても楽しくて、4月から10月までの期間を楽しく充実して過ごすことができた。
日本語の先生として立派に仕事ができるようになりたいという思いがモチベーションとなり、年末無事に日本語教育能力検定試験の合格通知を受け取った。
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