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寄席に何度か行き、時間の使い方について考えた

火曜の朝です。久しぶりに気温が上がりそう。天気に左右されない生活をしようと思っていますが、やはり晴れると嬉しいです。調子乗らない1日にします。

ご縁があり、江戸家猫八先生、襲名披露興行に二度伺うことができました。あともう一回予定しています。またコロナ前くらいから行くようになった渋谷らくご、そして落語独演会も好きな落語家さんのに何度か伺うようになり、落語家、色物芸の師匠方の仕事の仕方は、究極の専門職だという見方をするようになりました。ジャンルは古いものかもしれないけれど、新しい仕事の仕方について考えさせられます。

女性であり、主婦は主婦、家のこととの両立をした上で仕事をするべきではないか、時にはこんな見えない呪縛に影響されやすい生活にあり、何をするにも自然でないというか、どこか力が入っている気がします。最近私は、個人としての私、職場で仕事をする者として、職場の中で講師として、本の長屋の店主としての、色々な顔を持つようになりました。年齢的に親との関わりも濃くなっていて、娘として、嫁として、父の娘として(亡父の職場関係のあれこれ)の時間が1週間、1ヶ月の予定に定期的に組み込まれています。そして夫婦として。これは日々のやり取りはもちろんですが、単身赴任中の留守宅としての役割があります。

今までは両立!とどこかで考えていたと思いますが、最近は並列、というかどれも大事だからすべてやるというだけです。両立は、ちゃんとやるという気持ちが強い言葉な気がします。そうするとやらないという選択肢も考えることになります。やらない理由になる言葉。今の自分は、時間の使い方を見直し、時間に対する考え方を修正し、今したいことがすべてできるはずだと考えるようになっています。年齢的にも、今が一番若くて何でもできるだろうと思うから尚更です。やらない選択肢がないならば、どうやるかにフォーカスするのが吉。

寄席に出る落語家さんたちの動きを見ると、瞬発力がすごいと思います。出囃子で高座に上がり、持ち時間のアウトプット。そして次の仕事へ。その間にインプットやメンテナンスをしなければ、アウトプットはできませんから、それも合間に組み込んでいるでしょう。プロとしての体調管理は肌艶に出ます。仕事人としての見ると気づくことがあります。こういうことを考えながら落語を聞くとは思いませんでしたw。まったく違う仕事をしている自分でも、動き方切り替え方を取り入れられないかと思うようになりました。

高座の15分とか30分とかでは一般人には短いです(だからこそ師匠方はすごいのです)。私は元々90分単位でものを考えるのが合っていて、せいぜいプラス30分で次に移動するのが、さまざまな顔で活動するには都合いい気がしています。今は週2日、90歳手前の母の関係の時間を持っています。これはGoogleカレンダーに組み込まれている私の重要なルーティンです。母はすべて自分のことはできますが、それは自分の範囲のこと。全体を見る目が必要で、サポートをしています。母の頑張りで今はこの回数に収まっています。時々週3になることもありますが、なるべく滞在時間は一定にして彼女の生活のペースを崩さないようにしています。90分から120分、娘として舞台に上がり、下がって次の舞台に行く。例えば次は本の長屋としての活動で30分とか。さらに移動して仕事の仕込みをする私。

こうすると今年も夏の旅行も行ける気になってきました。旅行の前日夕方に娘として、翌日は遠征。個人としての自分。戻ってきた日に夕方、娘として。こうやって場面場面、役割を舞台転換のように考えていけば、やりたいことができていく気がしています。

最近は出勤日(昼スタートの仕事)は、午前中を長屋関係のことを考える時間、午後は職場、戻ってからまた別のこと、と切り替えて生活をしています。考えてみれば、寄席でなくても、いろんな芸能人の方とか、ビジネスマンとか講師の方とかも同じなのかもしれないのですが、寄席のあの、時間がきっちり決まって流れていく形が目に見えて、いいなと思いました。持ち時間の中で力を出す、もちろんもっと長く楽しい時間を提供することもできるかもしれないけれど、それはまた今度。このきっぱりした動きがとてもいいと思います。私もそうありたい。

4月までは長屋の仕事はなかったけれど、こうやって自分の生活に組み込むことができています。両立という気持ちはまったくなく。考え方1つでできることってあるのだと知りました。

昨日の帰り際、母に「もう帰るの」と言われました。帰りますよ、また来ますから。これでいいんだと思います。「ではいつまでいればいいのですか」と言って、そこからさらに帰れないという後味が悪い状況も何度かありました。これを舞台で言うのは野暮でしょう。アンコールの拍手も何回かで切るのですから。惜しまれつつまた来ますという気持ちで帰り、次のところへ。こんな気持ちで自分にとって大事なことを、あれこれ取り組んでいこうと思います。

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