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【零細土建屋の】業務改善のすゝめ【現場監督は地獄だぜ】

 「お~い、うさぎ~、監督連中の残業時間、労基に叩かれるからどうにかしろよ~」

 とんでもねえ話である。転職すぐの人間に放つ言葉ではない。あ、うちの父なんですがね・・・


 他業種(といっても自衛隊だが)転職してきた身としては、土建屋の現場監督というのは本当に大変な仕事であると感じる。最初から最後まで一連の業務を一人でこなし、挙句神のごとき段取りを求められるからだ。
 私も前職でチラっと中間管理職をやっていたが、大きい組織の場合、業務は高度に分担・マニュアル化されている為、拘束時間は長いが業務の範囲というのが明確な分まだマシである。


 長時間労働というのは組織にも、労働者個人にもいい影響は全くない。経費的、健康的悪影響はもとより、どんどん組織が腐っていく。
 先ず長時間会社に居ることが当たり前になり、癖になる。しかもそのようなライフスタイルが当たり前になる為、終わる時間にルーズになる。残業時間を当てにした業務計画を立てるようになったらおしまいだ。リフレッシュ出来ないもんだから能率は上がらず、みんな不幸に。

 さて、かくして業務改善を拝命した私だが、先ずは「現場監督」の業務というものを理解しなければならなかったので苦労した。

 業務改善には段階があり、私は以下の順序で実施するように心がけている。

1 問題認識
  問題の事実を正しく収集・認識し、じ後の改善策策定に資する。
2 問題点
  問題認識で収集した事実の問題点(まんまやんけ)を、様々な視点(法
 令、安全衛生、組織、経費)から洗い出す。
3 原 因
  問題が起きている組織的・人的・職務内容的背景をもとに洞察する。
4 処置及び対策
  2及び3項を基に1項事象を直接制する施策を策定する。

 みたいな感じである。文字にすると仰々しいが、概ねの人はこのような思考過程で様々な問題解決に挑んでいるだろう。以下は実際にやっている途中のものを簡略化したである。

 先ず現場監督1人1人の負担を軽減する事を主眼にしている。なかなか恥ずかしい話であるが、契約等の業務まで場合によっては監督にさせていたのだ。当初は先代が一人親方的な感じで会社を立ち上げた?のでやむを仕方がないが。
 清算等に関しても、まさにどんぶり勘定で、原価管理何それ美味しいの状態だった。精算する前に次の現場に入って行くためである。無理もなかった。
 チラっと見れば分かるが、1年やそこらで是正できるものではないので、改善中の案件である。監督一人一人の時間外労働は僅かずつであるが減少している(気がする)。よって今までの収入を維持させるために大幅な昇給も実施した。社内の風通しも良くなった(気がする)

 仕事の質を落とすわけにもいかない。しかし時間外労働も減らさなければならない。あちらを立てればこちらが立たずの最たるものである。

 「質は落とすな、だが残業もするな」というのはあまりにも不誠実ではないかと感じる。
 もちろん労働者側に全く問題がないか?といえばそうではなく、往々にして問題があるケースも散見される。(残業が癖になってる、自身の仕事の仕方をそもそも改善しない)

 労使ともに人と人である。互いに歩み寄り改善していかなければならない。先ず組織がスジを通さなければ、労働者に改善を強要して成果を出すのは難しいだろう。


 零細土建会社からは以上です。


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