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素人土木ICT#4【中堅面倒くさがり屋活用のすゝめ】

 さて、トータルステーション(かそれに準ずるもの)と3D設計データ作成ソフトが手元にあり、施工時に活用できるスマートツールもある。モノが一通り揃うと一つ問題が浮上してくる。

 誰に一番最初に使わせるか

 である。当然、ICT推進担当者がデータや操作法をテストして、社内で最低限教授してやれるような環境は醸成済みだ。

 自分の現在の技術に、絶対的な自信と実績をもつ人は嫌がるだろう。高齢であったら猶更である。モノを与えても使わない可能性が大きい。

 若手(経験年数10年未満かつ若年)はどうか。きっと喜んで導入し、研究心を持ちつつ見事に使いこなして現場を進めるようになるだろう。メリットだらけのように感じる。

 中堅ではどうか。特に面倒くさがりのマンネリ化している者は。ICT施工の楽さに一旦気づけばどんどん覚えてさらに楽をしようと考えるだろう。

 私は中堅ダラダラ社員を当面の導入・慣熟に充てて足掛かりにし、じ後の業務の資とするのをお勧めする。(居れば)

 安易に楽を選ぶ人間というのは、本質的に新しい技術に適応するのが早い。楽する為に最低限(合理的な)の努力をするからである。転じて真面目で几帳面で、コツコツ仕事をする人間は新技術導入の足掛かり的なイケイケドンドン業務はあまり向いていない。小さなこと(誤差や勝手の違い)に固執する傾向にある。別に否定しているわけではない。

 当然楽をする人間というのは重複した確認作業や日々のルーティンワークを極端に嫌うどころかしないので、注意が必要だ。ただ手を抜くところが分かる分、対策も容易である。

 若手は何故ダメなのか。決してダメではないし、素晴らしく柔軟な頭ですぐ様モノにしてくれる。だがそれだけ。ICT技術全般の社内における課題や問題点が掴みにくくなる。若手は新しいものを見るやいなや勝手に覚えるし、研究心をもって掘り下げるので焦る必要もないだろう。うちの若手はやきもきしたようだが(新しいものを使わせてもらえない為)、組織的要求とはそんなもんである。
 
 ということで実際に中堅面倒くさがり監督にICTツールを持たせ施工管理に当たらせたが、当初の私の目論見通りに悠々と使いこなした。適応能力が高い証左であろう。

 「え、そんな使い方出来るんですか?」

 と、こちらが驚くような創意工夫も見せ、見事にこちらが想定していなかった失敗も同時にしてくれた。ただの無精者がさらに楽をしたいあまり、ICTチャレンジャーになったのだ。

 
尚、その監督は今、ICT神器を全て取り上げられた状態で仕事をしている。わざとそうしたのだ。凄く悲しんでいて、見てて辛くなるが仕方がない。昔のカンも維持して欲しいから。

 
ICT技術は、今までくすぶって?いた中堅面倒くさがり屋にスポットライトを当てるツールであることを確信して、結びとする。


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