【君達は】地場建機屋の悩み相談【何処へ行こうというのかね】
先日の事である。懇意にしている地場建機屋の若い(といっても私より年上だが)営業マンと、現場で立ち話。どうも何らかの情報を欲しているようで、それがICT関連の情報だという事に私が気付くのにはそう時間はかからなかった。
中小零細土建屋がICTを導入してモノにするかどうかの葛藤があるように、地場建機屋も岐路に立たされているのだ。CSPI-EXPOのとあるリース屋のブースのデカさを見ればわかるが、大手リース屋のシェア拡大は尋常ではない。これでは地場建機屋(地場といっても社員100人超)が危機感を覚えるのは無理もなかろう。
事実うちも、ICT建機購入の際、付き合いのあるこの建機屋をはなから選定からはじいてしまった。
内容としては、上から「ICTを覚えてきて、自社で全て出来るようにしろ」というものであった。なるほど、年寄りにありがちな乱暴な指示である。
年寄は横文字の機材を神器か何かと勘違いしているケースが往々にしてある。スマホを使っているくせに「自分にICTは理解不能」と決めつけているのもたちが悪い。そのクセ他人が気になるもんだから「どうなんだどうなんだ」と騒ぐので本当にたちが悪い。挙句に(以下略)
自社で全て出来るというのは、ICT施工の一連のフローを完結できるということなのか、はたまたICT建機に関わる(GNSSローカライゼーション~初期設定~装着・操作まで)事に限定されるのか。
前者の場合だと、専属のチームを編成して業務にあたる必要があるため厳しいだろう。設計・測量・建機の最低3名は必要だ。1人で頑張ってもいいが、1年もすれば髪の毛は全て抜け落ち、痩せこけ、家庭もうまくいかなくなるだろう。
後者であれば既存の組織を活用して出来るかもしれない。というかエンドユーザーたる土建屋もそれを望む。
というのも、大手ですら「出来ます出来ますこんなこと出来ますやりますやります即対応です」と営業をかけてくるが、その実態は外注である。重点的にサポートしてくれる巨大な現場なら専属チームを送ってくれるだろうが、地場零細土建屋ごときにそんな精鋭部隊を持ち出し覚悟で送り込んでくることは考えづらい(憶測)
さて、地場建機屋営業マンも前者の「フローを全て完結できるように」というイメージだった様子である。別にこちらからしたら知ったこっちゃないので「へーそうなんスか~」で済ませてもよかったが、それでは聖人君子としての名が廃るので、前述した後者の選択肢を伝えた。
一気にドバっと金と人をかけて開拓していくのも気持ちがいいが、既存の有形無形の財産をなんとか工夫して対応していくのも悪くない。
ICT建機周りに関わるセットアップ全般は、既存の土場で訓練出来る。腐っても建機屋なので、3D仕様機は一台あるらしい。ならば使いこなせるようにすればいいだけである。これだけで他の建機屋に比べれば、圧倒的なアドバンテージを確保できる。
土木工事の急速なICT化により、地場土建屋・建機屋双方にとって大変な時代である。限られた資金・人員で、今、出来ることを脳漿を絞り実施していかなければならない。まあしなくても、当面大丈夫だと思うけどね。
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