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初冬の清澄庭園にて君を想ふ

指にささくれのできる冬の始まり。落ち葉を踏みながら毎朝訪れている自宅近所の公園の木々が美しく色付き、心のささくれを癒してくれています。そこで、東京都江東区にある清澄庭園でも紅葉を楽しめたらいいなと思い、今回初めて足を運んでみました。かつて都内の農業系の高校を卒業して就職後に数年間この近辺に住んでいた人で、この庭園のヘビーユーザーであり、造園のプロでもあった、愛媛県喜多郡内子町出身の平野なずなさん(一瞬しかないというアイドルグループに現時点で所属していて本名ではない)から、先日のライブの特典会の時にご許可をいただけたと思っていますので(笑)。
なお、私にとって彼女は、さしずめ「みどり姫」といったところでしょうか。この庭園のことは、近隣の東京都現代美術館などには行ったことがあるので何となく知ってはいたものの、彼女から聞いて初めて興味を持ったのです。よって、この記事のタイトルの「君」とは、もちろん彼女のことになります。「みどり姫」って何なのかよくわかりませんが(笑)。

伊予青石

いわゆるインバウンドでしょうか、おそらく海外からの観光客がかなり多かったと思いますが、さすが東京というか、平日にもかかわらず、人が結構沢山いましたので、写真を撮るのは、人があまり写らないよう、そして逆に自分が妨げにならないよう、とにかく通り過ぎるのを待ったり、素早く撮ったりするということが大切でした。

それから、清澄庭園の隣にある清澄公園にも立ち寄りました。初冬の午後の公園では、はらはらと木の葉が舞い落ちる中、子供たちが陽の傾きの早さに負けないよう急ぐように遊んでいました。

木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ

加藤楸邨「起伏」

先日『あんのリリック』というドラマをプライムビデオで観ていたところ、この俳句の紹介があったのですが、作者は病気の療養中にこの句を詠んだそうで、孤独の中で不安に押し潰されそうな自分自身に「焦るな」と言い聞かせているようにも感じられて、現在の私の状況(不眠症からうつ病となり半年以上休職中)と重なっているため深く心に刺さりました。
そして、昔からのファンであるアキ・カウリスマキ監督による映画に『枯れ葉』という作品があるのですが、人生という山も下りになって、あとは落ちてゆくだけの枯れ葉にも、きっと輝ける時は来るだろうという希望が感じられるような物語になっていて、私も諦めることなく生き急ぐことのない枯れ葉になれたらいいなと思ったことを思い出しました。加齢にして華麗な枯れ葉に……(笑)。

あと『アット・ザ・ベンチ』という映画を先日観に行ってきたのですが、とある河原にポツンと置かれているベンチのみを舞台とした、豪華キャストによるオムニバス形式のシチュエーション・ドラマで、とっても良かったです。役者の芝居にしてもそうですが、台詞にも良いものが多く、「別れを寂しいと感じるのは、それだけ幸せだったということだから、良いことである」というような感じのことも言っていて考えさせられました。
ここ最近「君」のツイートが途絶えているので、何かあったのか、あるいは何か真っ最中なのか、それともこれから何かあるのかと思いを巡らせているのですが、もしも「君」との別れが近々来てしまったとしたら、それはもう死ぬほど辛くて苦しくて悲しくて寂しくなることは確実だけれど、でもそうなるということは、その裏返しとしてそれだけ幸せを貰っていたということなのだから、その時は「幸せをありがとう」と言えたらいいなと思いました……。

ということで、清澄庭園と清澄公園で色付く木々を眺めながら色々と思いを馳せた冬の始まり。もうすぐ「君」の誕生月(誕生日は12月9日)となり、師も走り、世界は赤と緑のクリスマンスの色に変わります。「マンス」って何なのかよくわかりませんが(笑)。

そう、すべては変わっていく……。そして、謎は謎のまま終わるのです……。

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