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新米冒険者ホシノのブルライト暴走記 第1話 はじまりの乗合馬車(SW2.5リプレイ)
次 回:第1.5話 第1話を終えて
次々回:第2話 はじまる金色の日々
はじめに
ソード・ワールド2.5――
私ことホシノPが、はじめてプレイするTRPGです。
もともと私はボードゲームをメインでプレイしておりまして、そちらの友人が誘ってくださったご縁でTRPGの世界に飛び込みました。
その友人がGMをしてくださって、私と妻と、さらに友人AとRがPL。
私と友人Aは❝ずぶの素人❞で、妻は別卓でD&Dのオフセ経験あり、友人Rは大学時代からのTRPG経験者ですが2.5は初とのこと。
そんな4人パーティとGMで、このキャンペーンは幕を開けます。
舞台はアルフレイム大陸南西部のブルライト地方。
ブルライト地方はおろか、アルフレイム大陸にすら足を踏み入れたことのないPLたちが、全14話(予定)の大冒険に挑みます。
初プレイのPL視点によるリプレイを、お楽しみいただけたら幸いです。
ホシノP
GM(ゲームマスター):ゲームの司会進行役にしてルール裁定者。
PL(プレイヤー):TRPGを遊ぶ人。たとえばホシノP。
PC(プレイヤーキャラクター):PLの分身。たとえばホシノ。
D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ):アメリカ発、世界初のTRPG。
オフセ(オフラインセッション):参加者が同じテーブルに集まり、リアルで顔を突き合わせて遊ぶTRPG。オフセット本のことではない。
セッション:オフライン・オンラインを問わず、GMとPLたちが同日同時刻に集まって行うTRPG。オンラインのセッションはオンセと略す。
キャンペーン:複数回にわたって続くセッションのこと。つむがれてゆくストーリーの中で、PCたちが成長する姿を楽しむことができる。
ブルライト地方:アルフレイム大陸南西部に位置し、豊かな四季をもつ。
アルフレイム大陸:ラクシアにある、かなり大きな大陸。
ラクシア:剣の作りし世界。わたしたちが冒険する世界。
登場人物紹介
❝暴走機関車❞ ホシノ(ホシノP/初心者)
キャラクターシート
冒険者レベル:2
種族:ルーンフォーク 性別:女性 年齢:7 生まれ:戦士
技能:ファイター2 エンハンサー1 レンジャー1
器用度:19(+3) 敏捷度:14(+2)
筋 力:20(+3) 生命力:21(+3)
知 力:15(+2) 精神力:11(+1)
生命抵抗力:5 精神抵抗力:3
HP:27 MP:11
言語:交易共通語(会話/読文)
魔動機文明語(会話/読文)
戦闘特技:《両手利き》
練 技:▶▶【キャッツアイ】
武 器:〈ヘビーアックス〉
鎧 :〈チェインメイル〉
短評:勝手に切り込み隊長!
ブルー=リーフレント(友人A/初心者)
キャラクターシート
冒険者レベル:2
種族:ナイトメア(人間) 性別:男性 年齢:24 生まれ:軽戦士
技能:フェンサー2 スカウト1 セージ1 エンハンサー1
器用度:20(+3) 敏捷度:20(+3)
筋 力:19(+3) 生命力:16(+2)
知 力:15(+2) 精神力:15(+2)
生命抵抗力:4 精神抵抗力:4
HP:22 MP:15
言語:交易共通語(会話/読文)
魔法文明語(読文)
戦闘特技:《挑発攻撃Ⅰ》
練 技:▶▶△【ガゼルフット】
武 器:〈ヘビーマレット〉
鎧 :〈ソフトレザー〉
盾 :〈バックラー〉
短評:頭脳派回避型タンク!
オデッサ(妻/D&D経験者)
キャラクターシート
冒険者レベル:2
種族:エルフ 性別:女性 年齢:18 生まれ:密偵
技能:シューター2 マギテック1 スカウト1
器用度:19(+3) 敏捷度:20(+3)
筋 力: 8(+1) 生命力: 9(+1)
知 力:18(+3) 精神力:15(+2)
生命抵抗力:3 精神抵抗力:4
HP:15 MP:18
言語:交易共通語(会話/読文)
エルフ語(会話/読文)
魔動機文明語(会話/読文)
戦闘特技:《ターゲッティング》
武 器:〈サーペンタインガン〉
鎧 :〈ソフトレザー〉
短評:安心と信頼の主砲!
グラン=グラッドスーン(友人R/TRPG経験者)
キャラクターシート
冒険者レベル:2
種族:ドワーフ 性別:男性 年齢:78 生まれ:戦士
技能:プリースト(イーヴ)2 ファイター1
器用度:17(+2) 敏捷度: 9(+1)
筋 力:17(+2) 生命力:18(+3)
知 力:11(+1) 精神力:22(+3)
生命抵抗力:5 精神抵抗力:5
HP:24 MP:28
言語:交易共通語(会話/読文)
ドワーフ語(会話/読文)
戦闘特技:《かばうⅠ》
武 器:〈ヘビーメイス〉
鎧 :〈スプリントアーマー〉
盾 :〈ラウンドシールド〉
短評:???
GM
いろんな意味で❝神❞。
気のいいあんちゃん役が上手い。
女性の役も上手い。
三下の役も得意らしい。
第1話 はじまりの乗合馬車
第1話は、友人Rが試験勉強のため欠席。
唯一のヒーラーを、いちばんの経験者を欠いた状態で、ちょっぴり不安ではありますが、ホシノPのホシノ(女性ファイター)、妻のオデッサ(女性シューター)、友人Aのブルー(男性フェンサー)という3名のPCたちが出会うところから物語は始まります。
ファイター:戦士系技能。重い武器を携え、重い鎧を着込む、攻守の要。
シューター:戦士系技能。遠隔から射撃できる。ただし回避はできない。
フェンサー:戦士系技能。軽い武器を持ち、軽快な動きで敵を翻弄する。
1.ブルー氏との出会い
GM それでは、いまどういう状況かといいますと、グランゼールとハーヴェスという二つの国があります。この二か国の間に、よく往来のある商業的な街道があって、その途中の宿屋街に皆さんはいます。
一同 はい!
![](https://assets.st-note.com/img/1737332599-sN1v4PlDW36UziT8Qmq2uxaL.jpg?width=1200)
❝導きの港❞ハーヴェス王国:人口約8万の港湾国家。
❝迷宮王国❞グランゼール:人口約3万の都市国家。
まずは、ホシノとブルーの出会いのシーンから。
ルーンフォークのホシノは、自身がメイドとして仕えていた❝ご主人さま❞であるホシクズ氏が失踪してしまったことを受け、その捜索のために冒険者になりました。
ところが、むこう見ずなホシノは武器と鎧を購入したところで路銀が尽きてしまい、あえなく路頭に迷ってしまいます。
あてもなく宿屋街をさまよっているさなか、行き当たった露店――
その露店商であるブルー氏は、やつれた女の子が唐突に現れたことに驚きながらも、あわれに思い、ひとまず食事を施すために近くの食事処へ連れていくことにしました。
ルーンフォーク:人造人間。基本的には人間と同じ姿をしている。
GM ブルーさんって、この時点ではホシノの事情をよく知らなくて、これから聞くって感じですかね?
ブルー なにも知らないって感じやね。ただ単に、なんか腹をすかせた女の子が店にやってきたっていう、わけのわからない状態(笑)
GM 斧と鎧だけを抱えた女の子が露店にやってきて「無一文なんですー」なんて言うから、とりあえず事情を聴くために食事処へ?
ブルー うん。
GM それで、なにか注文して、いま食事をとっているところでしょう。あれかな、パンとか牛乳とかチーズとか、あるのかな。
すんなりとロールプレイに入れるように、まずはGMとブルーが擦り合わせを行います。
こういった確認を重ねることで、みんなの認識が一致するのもそうですし、いまの状況も具体的にイメージしやすくなりました!
ブルー もうロールプレイは?
GM いいよ! やっちゃっていいし、もし進まなくなったら、こっちから何か言うよ。
ブルー じゃあ……「嬢ちゃん、とりあえず食いな。おごったるさかい、もうホンマ!」
ホシノ「ありがとうございます! 美味しいです!」(もぐもぐ)
さあ、初心者2名によるロールプレイの幕開けです!
ブルーは露店商――商人ということで、関西弁風。
ホシノはメイドということで、ですます調です。
本来の戦闘職――ファイターやフェンサー以外に、一般的な職業をもっていると、しゃべり方などで他のキャラと差別化できて良いですね!
ブルー「で、こないな状態になってるって、どういうことやねんな?」
ホシノ「はい! お金がなくなったんです!」
ブルー「なして?」
ホシノ「あのですね、斧と鎧を買ったら、おカネがゼロになっちゃったんです!」
実際、初期所持金が1,200ガメル。そこから760ガメルの〈チェインメイル〉と、440ガメルの〈ヘビーアックス〉を購入すると、きっかり残金は0ガメルとなりました。
このゲーム、よくできていますね☆
ブルー「アホかぁ!! ……嬢ちゃん、冒険者?」
ホシノ「ホシノは冒険者です。冒険者になろうと思って、斧と鎧を買ったんです」
ブルー「……冒険者になろうとしてる見習いやね?」
ホシノ「正確には、そうですね」
ブルー「その冒険者見習いが、宵越しの銭を持たないで歩き回るって、どういう展開?」
ホシノ「それがですね、武器と鎧を買ったら冒険者になれると聞いて、その通りにしたんです」
ブルー「誰からの情報や、それ?」
ホシノ「えっと、風の……うわさ?」
ブルー「人の情報でもないんかい!」
ホシノ「あ、あとイメージです」
ブルー「なんのイメージ?」
ホシノ「冒険者って、みんな、なんかゴツい装備をしているイメージだったので、それをマネしてみました」
ブルー「……あながち間違いではないけど、嬢ちゃんとゴツいイメージは結びつかへんなぁ、あんまり」
ホシノ「間違ってなかったんですね! よかったです♪」
ブルー「いやいや、ほめてへんよ?」
ホシノ「えぇ!? 違うんですか!?」
ブルー ……マスター、助けてぇ!!
ぜんぜん話が前に進まないため、思わずGMに泣きつくブルー。
実のところ、ホシノとしては、なんとか会話を成立させるだけで精一杯で、なかなか会話の中身までどうこうする余裕はありませんでした……
GM じゃあ、ブルーさんが、ホシノのあまりにも常軌を逸する行動に「うわぁ……」ってなってるところに、ブルーさんの顔見知りの商人がやってきて、「お、なんだブルー、お前オンナ連れ込むようになったんだな。色気づきやがってよォ!」
ブルー「色気づいとるんやったら、まだええんやけど、完全に疫病神やぞコイツ。で、そっちは調子どないよ?」
GM「まぁ、ぼちぼちだよ」
ブルー「そうか」
GM「っていうか、なんか、でけぇ斧とか抱えてるな、そのコ」
ブルー「なんか暴走しとったんよさっき。もう怖くてしゃーないでな。こいつに合うパーティをどっかで見つけたらなあかん思うて。だったら、いちばんデカい街に行くのがええやろ?」
GM「パーティ? ああ!」
ブルー「冒険者になる言うとんのよ、このコ」
GM「ああ、そりゃあ、まぁハーヴェスかグランゼールに行かんとあかんやろなぁ。まぁ、ここいらならハーヴェスの方か?」
ブルー「うーん、やっぱ王国だよなぁ。とりあえずハーヴェスに行けば、このコの手綱をとれる人もおるやろ。こっからやったら、ハーヴェスまでどんくらいかな? 2日、3日かかるか」
GM「まぁ、そんぐらいで着くわ」
ブルー「じゃあ、ちょいと連れてくかぁ」
GM「お前さん、やっぱ面倒見いいな」
ブルー「誉め言葉として受け取っとくよ」
GM「ま、商人としてはちょっとアレだけどな!」
ブルー「やかましいわ!」(笑)
GMがブルーの商人仲間を登場させて、いわゆるテコ入れをしてくれました。これにブルーがしっかりと乗っかり、ホシノを連れて宿屋街からハーヴェス王国へ向かう流れに。
となりでアワアワしているだけのホシノには、すらすらと会話しながら淀みなくストーリーを進めていくGMとブルーが眩しく見えました!
GM「まぁ、そろそろ行っといた方がいいぞ。次の宿屋街に向かう馬車、そろそろ最後のやつが出るからな」
ブルー「おお、そいつはヤバいな。おい、ホシノ嬢!」
ホシノ「はい!」
ブルー「とりあえず行くぞ!」
ホシノ「はーい!」
GM「じゃーな、嬢ちゃん」
ホシノ「あ、商人さま。またー!」
GM「おう、またなー!」……といったところで、このシーンは一旦おわらせていただきます。
2.その頃、オデッサは
GM つづいてオデッサさんですが、貴女も同じ宿屋街に来ています。
オデッサ はい。
GM そして、貴女は代金を支払ってハーヴェスへ向かう馬車に乗ります。その馬車ですが、どうやら先客がいますね。
オデッサ どんな方ですか?
GM では、その人の立ち絵を出します。
その方は、白い服を着て、白い帽子をかぶった少女でした。
はたして、この少女はどんなカタチで物語に関わってくるのでしょうか?
GM オデッサさんは何歳でしたっけ?
オデッサ 18歳です。
GM 18か。では、オデッサさんよりちょっと下だけど、まぁ同年代くらいの、人間の少女ですね。
オデッサ はい。
GM 馬車に乗ってきた貴女を見て、少女はペコリと頭を下げます。
オデッサ では、こちらもペコリと頭を下げます。
GM「あら? エルフの方。珍しいですね」
オデッサ「そうなんですね?」
GM「ハーヴェスの方では、ちょこちょこお見掛けしますけど、そんなにはいらっしゃらないので。……旅をされているんですか?」
オデッサ「そうですね。ハーヴェスへの旅の途中です」
GM「ハーヴェスは初めてですか?」
オデッサ「はい、初めてです。そちらは何度か行かれていますか?」
GM「実は私、ハーヴェスに住んでいるんですよ」
オデッサ「そうなんですね!」
GM「ハーヴェスは色々と楽しい街なので、良い旅になるといいですね」(にっこり)
オデッサ「はい! でも、すこし緊張しちゃって……」
GM「そうですよね。私も元々ハーヴェスの出身ではないので、初めて来たときは緊張しました。でも、良い街ですよ」
オデッサ「そうなんですね。楽しみになってきました♪」
オデッサはTRPGをかじっているだけあって、はじめから安定感があります。そして、GMの女性役の違和感のないこと……
GM オデッサが少女と談笑していると、なにやら外からドタドタと音がします。そちらに目を向けると、「早く早く、乗って乗って。もう出発するよ!」と案内されている二人組の姿がありました。メイド服を着たルーンフォークと、商人風の人ですね。
ブルー「ほらホシノ嬢、急がないと馬車が出てしまう!」
ホシノ「ブルーさま、待ってください!」
GM バタバタと2人は馬車に乗り込んできました。
ブルー「ああ、すみませんね。お見苦しいところをお見せしました。……ホシノ嬢、おとなしくそこに座る!」
ホシノ「ここですか? はい! ホシノ、座りますね」
GM「じゃあ、出発するよー!」という掛け声で馬車は進みはじめます。
ここでGMが乗合馬車の参考画像を貼ってくれました。
幌がついている古風な馬車で、一同は「おー!」と盛り上がります。
3.乗合馬車に揺られて
GM 馬車が出発してからしばらくして、少女がホシノに「あの、その斧なんですけれど、もしかして冒険者か傭兵か何かされているのでしょうか?」
ホシノ「はい! ホシノは冒険者になりたてなんです」
GM「そうなんですね。どちらの所属ですか?」
ホシノ「所属……ですか? 所属って何ですか?」
GM「どこかのギルドに所属されているのかと思いまして」
ホシノ「ギル……ド?」
GM「えっと、もしかして、まだギルドの登録はされていませんか?」
ホシノ「ギルドって何ですか? 美味しいんですか?」
ブルー「食べ物の話じゃないから!」
GM その様子を見た少女は「冒険者として働くためには、どこかのギルドに所属して冒険者登録をする必要があるんですよ」と説明します。
ホシノ「え? 斧をぶん回しているだけでは冒険者になれないんですか?」
ブルー「どこのバーサーカーだよ!」
くだらない冗談ですが、ホシノも会話についていくのに必死です。
思いついたことは何でも口に出す、くらいしないと無言になってしまう。
せっかく、GMが話を振ってくれているし、ブルーもツッコミを入れてくれているので、まずは何でもいいから会話を重ねてペースをつかみたい。
そんなことを考えながら、とにかくホシノは口数を増やそうと試行錯誤しました。その内容については、あとで精査することにして……
GM「冒険者登録をしないと依頼も受けられませんので、ギルドへの所属をおすすめします」
ブルー「そうやな、ハーヴェスに着いたらホシノ嬢に冒険者登録をさせよう」
ホシノ「はい、お願いします。ブルーさま」
ブルー「お願いしますと言うても、ギルドに送るまで、やぞ?」
ホシノ「えっ? ずっと一緒にいてくださるんじゃないんですか?」
ブルー「俺は行商や。ホシノ嬢に構ってばかりもおられん」
ホシノ「えー! ホシノ、不安です!」
GM「ブルーさんとホシノさんは、どういったご関係ですか?」
ホシノ「ブルーさまは、ホシノのお兄さまのような……」
ブルー「ちょっと黙っとき!……行き倒れてたホシノ嬢にメシを奢ってあげたら、この状態よ」
GM「てっきり長いお付き合いなのかと……」
ブルー「いやぁ、このコと長い付き合いになんてなったら胃がいくつあっても足らんよ」
GM「……すみません、いろいろ立ち入ったこと聞いちゃって」
ブルー「いやいや」
GM「私、クロエっていいます」
ブルー「俺はブルーといいます」
ホシノ「ホシノはホシノです!」
GM「あの、ホシノさん……」と、クロエが言いかけたところで、外から「ば、蛮族だぁ!!」という声が聞こえてきました。
4.馬車とゴブリンと私
ブルー「なんだなんだ!?」
GM つづいて「傭兵の皆さん、お願いします!」「おう、任せな!」というやり取りが聞こえてきます。
オデッサ「なにやら騒がしいですね。何が起きてるんでしょう?」
ホシノ「ブルーさま、どうしましょう?」
ブルー ……この場合って、何がやれるんだ?
GM 皆さん、馬車の中にいますので、幌をめくれば外の様子を見ることができます。または「外に出ます」でもいいです。
さて、GMから選択肢が提示されました。
様子を見るか、馬車の外に出るかの二択。
ここはプレイヤーによって判断が分かれるところだと思いますが、なんとなく外に出る派の方が少ない気がしますね。
しかしながらホシノには、ものごとを最短距離で解決したいという思考回路を設定していますので、即座に外に出ることを選択します。
ホシノ ホシノ、外に出ます!
ブルー (すかさず)止める!
ホシノ あ、はい。
ブルー まずは状況確認や。
オデッサ 確かに、外で何が起きているか分からないのに出るのは……
やはり、様子を見る派に多数決で却下されましたね(笑)
本来なら、それでもホシノは外に出ようとするのですが、ブルーに懐いているため、言うことを聞いて踏みとどまっています。
ブルー とりあえず外を見ようか。
GM それでは、ブルーは外に飛び出ようとしたホシノをガバッと止めつつ、オデッサと2人で外の様子を見る感じですね?
ブルー うん。
GM 外の様子を見たお二方ですが、小柄な人型の魔物、いわゆる蛮族といわれるものが多数、先頭の馬車をめがけて突撃していっています。しかし、数名の傭兵たちはそれをものともせず、魔物たちを屠っている様子が見えました。では皆さん、これをどうぞ。
魔物知識判定:5/10
GM セージをもっている方はセージ知識、もっていない方は平目で。
魔物知識判定:魔物の正体を知っているか否かの判定。5/10というのは、5が知名度で、10が弱点値。6面ダイスを2つ振って、5以上が出たら正体がわかり、10以上が出たら弱点を見抜ける。ただし、弱点を見抜けるのは、セージの技能をもっているキャラクターのみ。
セージ:その他系技能。豊富な知識をもち、魔物の弱点を見抜いたり、複数の言語を自在に操ったりと、パーティのブレーン的存在。
セージ知識:2D6の結果に、セージ技能レベルと知力ボーナスの値を足してください、という意味。例えば、ブルーはセージ技能レベル1で、知力ボーナス2なので、2D6の結果に1と2を足す。
2D6(にディーろく):2つの6面ダイスを振る、という意味。
平目(ひらめ):セージ知識などを足したりせず、振ったダイスの出目をそのまま使う、という意味。カレイと双璧をなす魚のことではない。
ブルー よっと!(ダイスころころ)……セージ知識で12!
GM 弱点値も成功ですね!
ブルーのダイス目は「4・5」の9。これに、セージ技能レベルの1と、知力ボーナスの2を足して、9+1+2=12になります。
知名度の5以上ですので、まず魔物の正体が判明し。
弱点値の10以上ですので、この魔物の弱点まで見抜きました!
なお、のこるオデッサとホシノは、ともにセージの技能をもっていませんので、セージ知識を足すことができず、弱点を見抜くこともできません。
オデッサ 2D6の平目で……「6・6」の12!?
GM あっ、すごい! ……ここでクリティカルきたか!
オデッサ こんなところでクリティカル……
クリティカル:2D6で「6・6」を出すこと。判定が自動成功になる。
※こんなところでクリティカル:すでにブルーが成功させていたので、ここでクリティカルを出す必要はなく、幸運の無駄遣いだと嘆いている。
ホシノ 2D6の平目で……「1・2」の3。あわやファンブル!
GM 自動失敗だったら経験点50だったから、惜しかったまである!
ファンブル:2D6で「1・1」を出すこと。判定が自動失敗になる。
自動失敗:判定が失敗になる代わりに、50点の経験点をもらえる。
経験点:各種技能を習得するために必要。
※惜しかったまである:すでに成功したブルーから魔物の正体と弱点を教えてもらえるので、ここは逆に失敗して経験点をもらった方がおいしかった。
GM それでは……ホシノは何も分かりません!
ホシノ はい。「なんですか、あの生き物?」
GM そして、ブルーさんとオデッサさんは、よく知っています。あれはゴブリンです。
ブルー ……だろうな。
オデッサ「ゴブリンがたくさんいますね。こんなにたくさんは初めてだー!」
ホシノ「ブルーさま、ごぶりんって何ですか? 美味しいんですか?」
ブルー「だから食べ物やないって!」
ホシノ「えー。ホシノ、お腹すきました」
ブルー「さっき、ご飯食べたでしょ……」
ホシノ「それで、あの方々はゴブリンさまっておっしゃるんですね?」
ブルー「なんでもかんでも『さま』つけてるよ、このコ……」
GM お二方は知っての通り、そんなに怖い魔物ではないですが、数だけは多いので傭兵たちはゴブリンにかかりきりになっています。……じゃあ次は、コレやってもらおうかな。
危険感知判定:10
スカウトorレンジャー観察
危険感知判定:身に迫る危険をギリギリで察知できるか否かの判定。この場合、10以上なら察知できて、10未満なら危険が降りかかってくる。
スカウトorレンジャー観察:2D6の結果に、スカウト技能レベルorレンジャー技能レベルと、知力ボーナスの値を足してください、という意味。
ホシノ レンジャー観察で……8。
GM ああ、惜しい。ホシノ惜しい。
スカウトの技能をもっていないホシノは、レンジャー技能レベルの1と、知力ボーナスの2を足しますが、2D6が「1・4」の5でしたので、5+1+2=8どまりです。
ブルー スカウト観察で…10!
GM ブルーは成功。
オデッサ 同じく……10!
GM オデッサも成功。
ブルーとオデッサは、ともにスカウト技能レベルの1と、知力ボーナスを足します。なお、ブルーの知力ボーナスは2で、オデッサの知力ボーナスは3です。
GM では、成功したお二方。あなたたちの馬車からちょっと離れたところにある茂み、そこに何かが潜んでいるのに気づきます。
ブルー なるほど。
オデッサ なるほど。
ホシノ なるほど。←言ってみただけ。
GM ちなみにホシノさんは気付いてないです。
ホシノ ?(きょろきょろ)
ブルー「前線の撃ちもらしが来はじめたか……ホシノ嬢、とりあえず……」
ホシノ「とりあえず、突っ込むんですね!?」
ブルー「ばか!」
ホシノ「え?」
ブルー「とりあえず、戦闘準備だけはしとき」
ホシノ「つまり、斧を持って突っ込めばいいんですね? わかります!」
ブルー「まだ敵が見えてへんやろ。突っ込むんやないで」
ホシノ「わかりました……準備します……」
ブルー「斧を持って、鎧に着替えて、そこに座る!」
GM その様子を見たクロエは「ど、どうされたんですか?」
ブルー「おそらく前線の撃ちもらしが隠れてるね。その辺に。なんか、そこの茂みが動いとるよぉ……」
GM「え?」
ブルー「1匹、2匹だったらええんやけどなぁ」
GM「ということは、伏兵か何かですか?」と、クロエが言ったタイミングで、そいつらが飛び出してきました!
ホシノ ホシノ、行きます!
ブルー 待てーい!
GM そいつらは後ろの馬車へ突撃しているようですが、どうしますか?
ホシノ ホシノも突撃します!
ブルー (無言でホシノの腕をつかむ)
オデッサ 後ろの馬車か……
ブルー マスター、確認なんだけど、馬車は複数の編隊で進んでるんだよね?
GM はい、複数です。そして、そいつらは真後ろの馬車を狙っています。
オデッサ 声を出すとか。
GM 声を出しますか?
ブルー というか、そろそろホシノ嬢の抑えが効かなくなってきた。
ホシノ ホシノは斧を握る手がワナワナしています。
ブルー「もうダメだ。止められん……」
これは、おそらくブルーからのサインですね。
そろそろ馬車から出ても良いと思ったけれど、そのまま言葉にすると不自然なので、ホシノが突っ走ってしまったことにしたのでしょう。
ナイスなアドリブです!
ホシノ「とつげきー!!」
ブルー「行ってもうた、あのじゃじゃ馬……」
ホシノ ホシノ、馬車から飛び出しました!
GM OKです。
ブルー それを見て、ホシノ嬢を追いかけます。
GM オデッサはどうされますか?
オデッサ クロエさんを気にかけます。
GM 「私なら大丈夫です。それより、蛮族を何とかしないと」と、クロエは身構えます。オデッサさん、冒険者知力で振ってみてください。10かな……いや、8で十分かな。
冒険者知力:2D6の結果に、冒険者レベルと知力ボーナスの値を足してください、という意味。
冒険者レベル:そのキャラクターが習得している技能の中で、いちばん高い技能のレベル。例えばオデッサの場合、いちばん高いのはシューター技能レベルの2なので、冒険者レベルも2となる。
オデッサ 冒険者知力で……9!
GM それでは、クロエの身につけているものから、彼女が神官であることが分かります。
オデッサ それなら安心ですので、私もホシノさんの後を追います。
ホシノが強攻策を提示し続ける役なら、オデッサはその対極にいて常に冷静さを保つ役です。
そして、この二つの選択肢に最終的な判断を下すのがブルー。
ロールプレイをする中で、三人の役割分担がハッキリし始めました。
これが、たとえばテレビゲームのRPGをソロでプレイしているなら、考える頭は一つです。
ところが、なんと今は考える頭が三つ。
なんだか、ケルベロスやキングギドラになった気分ですね!(笑)
GM では、戦闘に入りましょうか!
5.はじめてのたたかい
GM 戦闘開始までの流れは……
戦闘準備→魔物知識判定→先制判定→戦闘開始
GM まず戦闘準備ですが、ここで皆さんはすることがないと思いますが……こちら、つまり魔物側はすることがあります!
オデッサ それは?
GM ザコCがボスをかばいます。いわゆる《かばうⅠ》と同じです。つづいて、魔物知識判定です。が、ザコAとザコBについては、もう面が割れています。だって、さっき、きみたちは――
ホシノ ゴブリンさま!
GM はい。ということで、こいつらに関しては情報を完全に開示します。
ゴブリン Lv2
HP16 MP12
弱点:魔法ダメージ+2
《かばうⅠ》:宣言特技。1撃だけ、ほかのキャラクター1体の身代わりになる。かばうときは、まともに回避ができない。
GM つづいて、ザコCとボスの魔物知識判定です。ちなみに、まあまあ強いよ?
結果、ザコCは弱点まで見抜けたものの、ボスは正体すら分からず。
シールドフッド Lv3
HP19 MP12
弱点:魔法ダメージ+2
ボス Lv??
HP?? MP??
弱点:??
これで、全4体の魔物知識判定が完了しました。
ザコA→ゴブリンA
ザコB→ゴブリンB
ザコC→シールドフッド
ボス→ボス(正体・弱点ともに不明)
GM じゃあ、先制判定しようかな。
ブルー これは何で振ればいいのかな?
GM スカウト敏捷。
ブルー スカウト運動?
GM あ、すみません。運動です。ついクセで。2.0時代には運動パッケージなんて単語はなかったんです。
ホシノ なるほど、2.5からなんだ。
GM はい、2.5からなんですー。
スカウト運動:2D6の結果に、スカウト技能レベルと敏捷度ボーナスの値を足してください、という意味。
ソードワールド2.0:ひとつ前のソードワールド。2008年発売。
ブルー スカウト運動で……11!
オデッサ 同じく……15!
GM ナイスー!!
PLと一緒になって喜んでくれるGM。やさしいですね♪
ホシノ ホシノはホシノはー?
GM え、平目で振っていいよ。
ホシノ お任せください! 平目で……6。
GM しゃーない、平目は無理や。
とりあえず先制はとれたらしいです。
GM 敵は前線に4体配置しますが、あなた方は後ろから始めることもできます。
オデッサ こういうとき、セオリーとかあるんですか?
GM はい、そのセオリーを説明するために、クロエさんを用意しておきました。バフのかかり方とかを見てほしいので、後ろからスタートしていただけると助かります。
オデッサ わかりました!
前線エリア:敵味方の前衛が入り乱れて戦うエリア。
後方エリア:前線から少し離れた、後衛が遠距離攻撃や支援をするエリア。自軍・敵軍にそれぞれある。この場合の後ろ、とは自軍後方エリアのこと。
バフをかける:味方の能力をアップさせること。反対はデバフ。
デバフをかける:敵の能力をダウンさせること。
~戦闘開始~
第1ラウンド
GM 本来、クロエはフェローでやるべきなんでしょうが、今日は回復役がお休みということと、バフの入れ方を勉強してほしいということで、あえて彼女は俺がNPCとして使います。
オデッサ NPCなんですね。
GM はい。クロエはプリースト魔法2レベルと、コンジャラー魔法2レベルまで使えます。
ブルー すげー。
フェロー:PCを再データ化することで、PL不在でも使えるようにしたもの。行動表に則り、ダイスの出目によってランダムに行動する。
NPC(ノンプレイヤーキャラクター):PLが動かさないキャラクター≒GMが動かすキャラクター。ブルーの顔見知り商人や、クロエが該当。今回、GMがクロエをフェローではなくNPCとして使用した理由は、ランダムではなくGM自身が行動させることで、実際のプリーストやコンジャラーの動きを見せて、ホシノたちに勉強させたかったものと思われる。
プリースト:魔法使い系技能。神聖魔法を使い、回復や援護を行う。パーティに1人はいないと、たちまち棺桶が積み上がってしまうだろう。
コンジャラー:魔法使い系技能。操霊魔法を使い、援護や人形操作を行う。かゆいところに手が届く魔法で仲間を助けてくれる。
GM そして、クロエは【フィールド・プロテクション】を撃ちます。
【フィールド・プロテクション】:神聖魔法。エリアにいる全員の守りを堅くする。
GM これは範囲魔法で、範囲内にいる味方に被ダメージを1点軽減の守護を与えます。ただし、毒・病気・呪いのダメージは軽減できません。
オデッサ 頼もしい!
神聖魔法行使判定
魔法行使判定:魔法を行使するための判定。味方にかける場合は、ダイス目が「1・1」以外なら成功。
GM ダイスを振った結果、失敗しなかったので成功です。これから皆さんは18ラウンドの間、ダメージが1点軽減されます。クロエは「あとは、お願いします!」と言って皆さんに託します。
ホシノ「お任せください!」
GM 確認ですが、シールドフッドはボスに対してかばうをしています。
これは、もしかしたら「シールドフッドはボスをかばっているから、攻撃が当たりやすいぞー! オデッサの〈ガン〉でボスを狙って、かばいに来たシールドフッドにダメージを与えるといいぞー!」というGMからのヒントだったのかもしれませんが……
ブルー まぁ、とりあえずゴブリンをやりに行くしかねぇか。
ホシノ じゃあ、ホシノはゴブリンに突っ込めばいいんですね!
ブルー とりあえず、あのゴブリンをやるためには……ホシノ嬢、前行くぞ、前!
ホシノ あれ? そもそも移動ってどうするんでしたっけ?
GM はい。プレイヤーができることは、移動と主動作と補助動作です。
ホシノ はい。
GM まず移動。この場合は後ろから前線に行くということですね。
ホシノ はい。
GM その後できることが補助動作と主動作なんですが、たぶん、いまホシノがやった方がいい補助動作は、エンハンサー技能にある……
ホシノ 【キャッツアイ】!!
エンハンサー:その他系技能。練技を使い、自身を強化する。特殊な呼吸によって、からだの一部を動物のものなどに変容させるらしい。
【キャッツアイ】:練技。自身の目を、動体視力に優れる猫のそれに変容させて、命中力をアップする。そして、昭和のアニソンを思い出す。
GM そうです。【キャッツアイ】です。これは、宣言してMPを3点減らせば使えます。
ホシノ 補助動作って、1ラウンド中に複数回できるんですか?
GM はい。できますが、同じ効果は重複しません。例えば【キャッツアイ】を2回とかはできないです。
ホシノ なるほど。わかりました。
命中力+1の【キャッツアイ】を重ねがけして、命中力+2に……は、できないが。
命中力+1の【キャッツアイ】と、筋力ボーナス+2の【マッスルベアー】を同時にかけて、命中力+1&筋力B+2にはできる、と。
【マッスルベアー】:練技。自身の筋肉を、怪力を誇る熊のそれに変容させて、筋力ボーナスをアップする。
ホシノ では、ホシノ突っ込みます! まず後方から前線へ移動します。次に補助動作でMPを3減らして【キャッツアイ】を宣言します。
ホシノ MP11→8
GM これは判定はいりません。
ホシノ 【キャッツアイ】! ホシノの目が、猫のそれになります。3ラウンドの間、ホシノの命中力判定+1です。
GM はい。
ホシノ そして、ゴブリンAさまに斧を振るいます! 命中力は……14!
GM こいつは、ダイスを振りません。回避力10で判定しますので、当たっています。
ホシノ やったー!
命中力判定:攻撃を敵へ的確に命中させられるか否かの判定。戦士系技能レベル+器用度ボーナス。例えばホシノの場合は、2D6にファイター技能レベルと器用度ボーナスを加える。自分の命中力が相手の回避力を上回れば命中となる。
回避力判定:敵の攻撃を華麗に回避できるか否かの判定。シューターを除く戦士系技能レベル+敏捷度ボーナス。自分の回避力が相手の命中力以上なら(つまり同値でも)回避できる。
※ダイスを振りません:時短のため、ザコ敵の判定は行わず、あらかじめ決められた数値を用いることがある。すべてはGMの裁量による。
GM 次はダメージの算出です。
ホシノ ダメージは……9点!
GM ゴブリンの防護点は2点なので、7点ダメージをもらいました。
ゴブリンA HP16→9
ダメージの計算について、今回のホシノの例を見てみましょう。
ダメージの計算には、威力表というものを使います。
武器や魔法には、それぞれ威力が設定されていて、例えばホシノの斧である〈ヘビーアックス〉の威力は35です。
この数値ごとに威力表があり、威力35の威力表は、
★威力35の威力表★
3→ 3点ダメージ
4→ 4点ダメージ
5→ 5点ダメージ
6→ 7点ダメージ
7→ 8点ダメージ
8→ 9点ダメージ
9→10点ダメージ
10→10点ダメージ
11→11点ダメージ
12→12点ダメージ
……となっています。
表の、左側が2D6の結果、右側がダメージです。
今回、ホシノは2D6で「3・1」の4を出しました。
この4を上の威力表にあてはめると、4点ダメージになります。
これで、威力表によるダメージが算出されました。
つづいて、追加ダメージを計算します。
追加ダメージは、ファイター技能レベル+筋力ボーナスですので、ホシノの場合は2+3=5点ダメージとなります。
先ほどの4点ダメージ+5点ダメージ=9点ダメージ。
これが、今回のホシノが与えるダメージとなるわけです。
防護点:物理ダメージを軽減する点数。いわゆる防御力。例えば、今回のゴブリンAは防護点が2点だったので、ホシノの9点ダメージを2点軽減して、実際にゴブリンAが受けるダメージは7点となった。
ブルー これ、どうすっかなぁ。
GM 先にオデッサが動くという手もありますよ?
ブルー そうね。オデッサさん動いてもらおうか。その状況しだいで考えよう。
オデッサ そうしましょうか。エリアは後方のままなので動かずに、えっと……
GM マギテックシューターは難しいので、説明しますね。
オデッサ お願いします。
GM まず【ソリッド・バレット】という補助動作の魔法を使います。が、補助動作で魔法を撃つときは行使判定がいりません。宣言するだけでOKです。
オデッサ それでは、MPを1消費して【ソリッド・バレット】!
オデッサ MP18→17
マギテック:魔法使い系技能。魔動機術という魔法を使う。魔法の弾丸を作ることができるが、撃ち出すためにはシューターの技能も必要。
【ソリッド・バレット】:魔動機術。弾丸に魔力を込めて、被弾した者に魔法ダメージを与える。
GM 誰を狙います?
オデッサ 誰にしようかな……
ホシノ「オデッサさま!」
オデッサ「はい?」
ホシノ「ホシノが攻撃したゴブリンAさまにトドメを刺してください!」
オデッサ「ブルーさんはどう思います?」
ブルー 火力はどれくらい出るかな?
GM ホシノ前後くらいですね。
ブルー 扱いは魔法扱い?
GM はい、魔法ダメージです。
ブルー ということは、防護点を無視して、弱点もつける……
GM ですです。
ブルー「じゃあ、ホシノ嬢の言う通りAだな。一撃で倒せる可能性がある」
ホシノ(そーなのかー)←そこまで深く考えていなかった。
オデッサ「それではゴブリンAを撃ちます」
GM 命中判定をお願いします。
オデッサ はい……12です!
GM 当たってます。ダメージをどうぞ!
オデッサ ダメージは……9です!
GM さらに弱点で+2して11ダメージ、これが防護点を無視して通りますので、ゴブリンAは倒れます!
ゴブリンA HP9→0
オデッサ やった!!
ブルー よし、1体減った!
ホシノ ナイスです!
ホシノが削ったゴブリンAを、みごとにオデッサが一撃で仕留めました!
これで敵のあたま数が減ったので、つづく守りが少し楽になります。
オデッサ ブルーさん、お願いします。
ブルー はい、じゃあ俺も前に行って、補助動作で【ガゼルフット】を宣言して回避力判定+1!
ブルー MP15→12
【ガゼルフット】:練技。自身の足を、スピードスターたるガゼルのそれに変容させて、回避力をアップする。
ブルー そして攻撃だけど……《挑発攻撃Ⅰ》って宣言せんといけんのよね?
《挑発攻撃Ⅰ》:宣言特技。力加減した攻撃を当てて相手の気を引き、反撃を自身に向ける。ただし、知能の高い相手には効果がない。
GM はい、宣言は必要です。どうします?
ブルー 宣言します。えっと、挑発は……
GM 敵に当たりさえすれば挑発は発動します。ゴブリンもシールドフッドも知能が低いんでね。ボスは分からないけどな、ふはは!
ブルー 問題は、ゴブリンB? シールドフッド?
ゴブリンの防護点は2で、シールドフッドの防護点は5です。
物理攻撃のブルーはシールドフッドに対して分が悪いので、ここはゴブリンBが妥当でしょうか。
ブルー 弱いヤツから狙って、あたま数を減らそう。ゴブリンBで。
ホシノ ホシノも賛成です。←ちゃんと考えていた。
ブルー 命中は……18!
オデッサ 高い!
ブルー ダメージは10点。《挑発攻撃Ⅰ》で-2点だから……8点の、さらに防護で2点軽減されて6点か。
GM うまくゴブリンBを挑発できましたね!
ゴブリンB HP16→10
ブルー 意外と、このキャラも火力出るな!
GM ゴブリンBは挑発され「ゴブッゴブッゴブッゴブッ!」と……
どうやら、ブルーに対して怒り心頭のようです!
第1エネミーラウンド
ブルー そちらのターンか。
GM 向かっていきます。「ゴブゴブゴブ!」
ブルー「来な?」(手をくいっくいっ)
GM ゴブリンは命中を振らないので、10を回避してください。
ブルー 回避力……18!
オデッサ ナイスー!
GM 高いな! じゃあ、そうですね、ゴブリンBはニヤニヤしながら「ゴブー!」と襲いかかってきましたが、あなたは余裕でかわしました。
ブルー いや、この出目が高いのコワいな。
ブルー、幸運の先払いを気にしているようです。
GM つづいて、シールドフッドはボスへかばうⅠを宣言しますね。攻撃対象はランダムで。なにせ知能が低いんでね、誰を叩くとか考えないんだ。結果……ホシノの方へ向かっていきます。
ホシノ「はい、いらっしゃいませ」
GM シールドフットは命中力が12です。
ホシノ ホシノの回避力は……14!
GM 普通に避けましたね……
ホシノ ひらーり、ひらりー。
オデッサ 2人ともすごいですね!!
ブルー いやいやいや、問題はこの先や。あいつや。
GM ボスも普通に攻撃してくるかな。あ、対象はホシノです。
ホシノ「はーい。いらっしゃーい、ボスさま」
GM ボスは……振るかな。あ、低い、8。
ホシノ 余裕ですね♪
ブルー それ、フラg……
ホシノ ほら、12!
ブルー あら、意外。
GM じゃあ、ボスは嬉々として、でけぇ斧を振ってる方に向かって武器をブンッて振るんですけど、ノーコンだったせいかホシノには当たりませんでした。
なるほど、ボスの出目が低かったのをノーコンと表現したわけですね!
ともかく、このラウンドはブルー→ホシノ→ホシノと3連続回避を達成して、みごと蛮族の攻撃を完封しました!!!
GM あ、ちなみにボスの外見ですが、毛がはえた蛮人みたいなヤツです。
ホシノ 汚らしい御方ですね。
ブルー コボルドじゃねーか?
GM いや、でっけぇです。コボルドと違ってでかいです。
オデッサ でかい……
ブルー これで、次は第2ラウンド?
GM そうです、そちらのターンです。
第2ラウンド
GM じゃあ、きみたちには、クロエに何をしてほしいか聞こうか。
あ、うっかり、クロエの存在を忘れかけていました。
縁の下の力持ちを忘れてしまってはいけませんね……
ブルー 逆に、なにができるんじゃ?
GM 教えましょう。選択肢を提示します。まず、【エンチャント・ウェポン】。これは物理ダメージ+1します。
ブルー おお。
GM 【プロテクション】というのもあります。これは対象の被ダメージを-1しますが、【フィールド・プロテクション】と違って1体ずつにかける効果なので、被ダメージ-1が重複して-2になります。
オデッサ すごい!
GM あとできることは……ないかな。回復は今のところ必要ないからね。
ホシノ オデッサさまに掛けられるバフとかないんですかね?
GM あるとすれば、回避-2&命中+2の【ファナティシズム】という魔法があります。
【エンチャント・ウエポン】:操霊魔法。武器などを強化する。
【プロテクション】:操霊魔法。守りを堅くする。
【ファナティシズム】:操霊魔法。攻撃を当てることに集中してもらうかわりに、やや足元がお留守になる。
ホシノ 回避を犠牲にして、命中しやすくするわけですね。
GM ですです。加えて、オデッサは後方にいて回避が不要なので……
ホシノ ホシノ、オデッサさまにその魔法を掛けてほしいです。
ブルー まぁ、それは確かにアリやね。
GM OKです。ちなみに、これは複数を対象にすることも可能ですが、いりますか?
《魔法拡大/数》:宣言特技。対象の数を増やし、そのぶん消費MPが増える。本来、対象は1体だけのはずの【ファナティシズム】が、複数を対象にできるのは、きっとこの特技のおかげ。
ブルー いりません。勘弁してください。←回避型
GM そう、あなたの場合はデバフにしかならないんだよね。
ホシノ え、ホシノにもかけてもらえるんですか?
GM 可能ですよ。
ホシノ ください!
オデッサ 回避が下がっちゃうけど大丈夫?
ブルー 一応、ホシノ嬢は防護点が6あるから……
ホシノ ホシノ、かわしてみせます! 回避型なので任せてください!
ブルー うそつけー。←投げやり
GM (笑)では、【ファナティシズム】をかけますが、まず、それが成功するかですね……成功です。ちなみに、この成功・不成功なんですけど、相手がいれば「成功値を抜いていれば」なんですけど、これに関しては「自動失敗しなければ」です。
オデッサ ピンゾロでなければ、ということですね?
GM はい。というのも、味方にかけるバフだからです。
ホシノ 味方は抵抗しないですもんね。
GM そうですね。お二人は18ラウンドの間、命中+2&回避-2になります。そして、クロエは「お願いします!」と言っています。
ホシノ「お任せください、クロエさま」←存在を忘れかけてたヤツ
GM ……では、そうですね、どうしますか?
ホシノ ホシノ、行きます!
GM 誰を狙いますか?
ホシノ 【キャッツアイ】と合わせて命中+3で……ゴブリンBさまを狙います。
GM はい、了解です。
ブルー「ここで倒してくれると、とってもありがたいが……」
ホシノ「任せてください!」えっと、命中から……15!
GM はい、命中です。ダメージどうぞ。
ホシノ「てりゃー!」ダメージは14です!
ゴブリンB HP10→0
GM ダメージ出ましたね。出るときは出るんだよ、これくらい。〈ヘビーアックス〉は。
ブルー 普通にやれてるね。
ホシノ「ホシノ、やってやりました! 見てくださいましたか!? ブルーさま!!」
ブルー「ほんまコワいわ、このコ……」
GM さっきと打って変わって、ちゃんとゴブリンの首を飛ばしたね。
ブルー スプラッターやんけ!
ホシノが削って、オデッサがトドメを刺し。
ブルーが削って、ホシノがトドメを刺し。
すばらしいコンビネーションプレイが、これまた連続で決まりました!!
オデッサ 次は、私がシールドフッドですかね。
オデッサの銃は魔法扱いなので、シールドフッドの高い防護点を無視することができます。どうやらGMは、シールドフッドをオデッサの❝エサ❞として用意したようですが……
オデッサ MPを-1して【ソリッド・バレット】を宣言して……
GM まぁ、なんだ。思った以上に余裕じゃないか、ははは!
ホシノ 楽勝ですね!
GM 楽勝ですね! ははは!
オデッサ 撃ちます……危ない危ない、命中力10でした。
GM えーっとですね、これ、同値回避です!←フラグ立てた人その1
ホシノ です、ねぇ……←フラグ立てた人その2
オデッサ「ごめんなさい、手元が狂いました……」
GM まぁ、そういう日もある。
ブルー うわぁ。と、なると、どうすっかな。じゃあ、マスター、《挑発攻撃Ⅰ》を宣言してシールドフッドにアタックかけます。
GM OKです。
ブルー 当たるでしょ、これなら。命中力は……12!
GM 当たりますね。ダメージをどうぞ。
ブルー「おりゃあ」……9!
GM 9から《挑発攻撃Ⅰ》の-2と、防護点の-5で、2点通しです。
シールドフッド HP19→17
ブルー ただし挑発で、こっちに向かって攻撃してくるね?
GM はい、そうです。シールドフッドは「なんダ、あいツ!?」って言いながらブルーさんを威嚇しています。
ホシノ「汚らしい蛮族さまです」
第2エネミーラウンド
GM まずは、シールドフッドがボスへかばうⅠを宣言しつつ、ブルーさんへ殴りかかります。命中力は固定値で12です。
ブルー 回避は……16!
GM はい、回避です! じゃあ、シールドフッドは自慢の盾でズッと前に来るんですけど、あなたにサラッとかわされて「あレ?」って顔をしていますね。
ブルー 意外とシールドフッドの命中、高いよね。
GM 次、ボスの攻撃対象は……ブルーくんだね。
ブルー きたよぉ……
GM じゃあ、斬り返しⅠでも宣言しちゃおっかな。
ブルー ちょっと待った。斬り返しⅠってなんだ!?
ホシノ あれよね? 攻撃を外したときに、返す刀で……
《斬り返しⅠ》:宣言特技。攻撃を外したとき、もう一度だけ攻撃できる。
GM はい。なんか大剣もってるヤツが「うおおおお!」ってブルーに対して殴りかかってきます。命中力は……10。回避どうぞ!
ブルー 回避力……11!
オデッサ ギリギリかわした!
GM もう1回するねぇ!←今日イチ嬉しそう。
ホシノ セカンドチャンス!
ブルー セカンドピンチなんだよ!!
GM 2回目は命中12です。
ブルー 回避力……10。
GM じゃあダメージ振るねぇ!←やっぱり嬉しそう。
ホシノ「あー! ブルーさまー!」
GM ほらよっと……出目は9!
ブルー 14点から……差し引き10点通しじゃねぇかよ!
GM ああ、よかったねぇ! これ以上だったら、ちょっとマズいことになってたからねぇ!!
実は……もし出目が10以上だったら特殊能力の痛恨撃が発動して、さらに+6点ダメージになるところだったのです!
GM はい、じゃあ10ダメージどうぞ。
ブルー HP22→12
(仮に出目が10だったら、HP22→5)
ホシノ おいたわしや。
GM 斬り返しが当たったことで、ボスはニヤリと笑いますね。
ブルー 出目が低いなぁ……
GM 2回も振れば低い出目が出ることもあるのさ!
ブルー いや、ちがうねん。2回とも低いねん。
1回目:「1・3」の4。
2回目:「2・1」の3。
GM それ言ったらね、こっちも低いからね。ダメージでまあまあ良い出目が出たけど!
第3ラウンド
ホシノ ホシノ、突っ込みまーす!
GM どっちに突っ込む?
ホシノ シールドフッドに突っ込みます!
GM シールドフッドでいいんだね?
ホシノ「……ブルーさま、どちらがよろしいです?」
ブルー「ちょっと待ってね、確認するから」
ホシノ「はい」と言ってホシノは斧をワナワナさせながらお待ちします。
ブルー 先に、オデッサさんにボスを狙ってもらって、かばったシールドフットに魔法ダメージを入れてもらう方がいいかな。
ホシノ それではホシノ、ステイします。
GM じゃあ、その前にクロエが動こうかな。
ブルー 回復あるんだよね?←のこりHP12
GM そのためだからね。……ブルーさんに【キュア・ウーンズ】を撃ちました。7点回復!
ブルー HP12→19
オデッサ おー!
GM あまり出目がよろしくない。……では、クロエはやることを終えましたので、みなさんどうぞ。
ブルー 正直な話、ホシノ嬢でもシールドフッドにはあんまりダメージを与えられん気がする。
ホシノ 5だもんね、シールドフッドの防護点……
オデッサ オデッサが先に攻撃しますね。
GM 誰を狙います?
オデッサ ボスで。
GM わかりました。では、シールドフッドはかばいます。かばうを1回使いますね。これ1回だけなので。……じゃあ、シールドフッドは自慢げに盾を構えて「きかねーヨ!」みたいな顔をしています。
オデッサ 命中値は……15!
ブルー よし、とりあえずファンブルしてないね? さてダメージ。
GM ひきつづき「きかねーヨ!」みたいな顔をしていますが、どうぞ!
オデッサ ダメージいきます……12!!
ブルー ガツンといったな、これは。
GM はい。シールドフッド、驚いています。「く、くエー!?」「エー!?」「いテー!」って顔していますね。「うソ!?」みたいな。盾を見ながら「え、え、え、エ?」みたいな。「なん……だト?」みたいな驚きが、ありありと伝わってきますね!
シールドフッド HP17→3
GM シールドフッドは魔法ダメージが弱点だから+2点で、もうHPは3しかないね。
ブルー だよね。のこり3だから……
ホシノ ホシノ、行っていいですか? いいですか?
ブルー いや、俺が《挑発攻撃Ⅰ》の宣言なしで、シールドフットに殴りかかるか。
オデッサ なるほど。
GM なるほどね。
ホシノ なるほど?
《挑発攻撃Ⅰ》を宣言しなければ、シールドフッドの標的になれない代わりに、ダメージ-2されません。つまり、ブルーはダメージ量を優先して、3点ダメージを狙いにいったわけですね。
ブルー じゃあ、命中力は……14!
GM 命中!
ブルー ダメージは……8!
シールドフッドの防護点は5点なので、8-5=3点ダメージ!!
GM ちょうど8だから、シールドフッドは落ちたね。
シールドフッド HP3→0
ブルー よし、狙い通り!
GM さきほどまで、大したダメージはなかろうと高をくくっていたシールドフッドが慌てた様子のところに、きみはトドメの一撃を刺し、あわれにも倒れました。
ブルー「ホシノ嬢、ボスへの道はできたぞ」
ホシノ「満を持して! ホシノの出番です!」ボスを攻撃!
GM どうぞ、命中力を出してください。
ホシノ 出目は……「6・6」のクリティカル!!
オデッサ おー!
GM こっちもクリティカルしないと避けられないぞー!
ホシノ やったー!
GM (ダイスころころ)……やっぱり無理でしたー! ダメージどうぞ!
ホシノ いきます! えいっ……「5・6」で、またまたクリティカル!! 次が「5・1」で……11+7+5=23ダメージ!!
GM またクリティカルしやがった!
武器や魔法には、それぞれC値(クリティカル値)というものが設定されていて。ダメージを判定する2D6を振って、このC値以上の値が出つづける限り、さらに2D6を振ってダメージを上乗せすることができます。
ホシノの〈ヘビーアックス〉のC値は⑪。そして、いま出たのが「5・6」の11。まさにクリティカルで、もう1度2D6を振り、「5・1」の6(威力表で7ダメージ)を上乗せできたのです。
このように、クリティカルには、単に「6・6」が出た場合のクリティカルと、C値によるクリティカルの2種類があります。
オデッサ すごーい!
ホシノ やったー!
GM 23……え、待って? えーっと、死にはしないけど、けっこう痛いダメージが入りましたね。
ブルー ハハハ……23は痛いだろうなぁ……
GM アックスでクリティカルは、なかなか良いですねぇ。
ホシノ やりました!
GM ただ、まだボスは立っています。ということで……
第3エネミーラウンド
GM ボスが動きますね。「もう容赦はしないぜ!」そうだな、これはもう、さすがにホシノを狙うだろう!
ホシノ「いらっしゃいませ、ボスさま!」
GM ボスの命中力は……10です。回避どうぞ。
ホシノ 回避力は……9です。
ブルー 斬り返し関係なく、これで一発やね。
GM ダメージの出目は……「5・4」! くぅー! 出目があと1あれば!!
例の、ダメージが+6される痛恨撃。またもや妖怪いちたりないの前に不発でした。
ホシノ それでも……「ぐぬぬ」
GM 14点から差し引き7点です。
ホシノ HP27→20
(仮に出目が10だったら、HP27→13)
GM すんでのところで、うまいこと鎧の硬いところに当たったんでしょうね。ボスは思ったほどのダメージが出ずに苦い顔をしています。というわけで……
第4ラウンド
GM ここで【キャッツアイ】や【ガゼルフット】は切れるので、再度展開する必要がでてきます。……結構いい勝負になってるなぁ!
ホシノ ホシノ行きます! MPを-3して補助動作で【キャッツアイ】使います!
GM 要るかなぁ……? 要るか?
ホシノ ホシノ、出し惜しみはしないのです!
GM 要るかなぁ? 本当に要るかなぁ?
ホシノ ホシノ、獲物を前に舌なめずりはしないのです!
GM なるほどね。
ホシノ MP8→5
ホシノ ホシノの瞳が縦に割れます。ではホシノ、ボスさまに攻撃します。命中力は……13!
GM ボスの回避力は……10。命中だね。どうぞ、ダメージを。
ホシノ いきます! 9です。
GM なるほどね。OK、了解です。まぁ、まだ立っていますねぇ。
オデッサ どうします?
ブルー オデッサさん、いくか?
オデッサ 私、いきましょうか。
ブルー うん。
オデッサ MP1を消費して、【ソリッド・バレット】を宣言します。
ブルー ボスのHPが分からないのがキツいなぁ。
GM 普通、分かんないからねぇ。
オデッサ 命中力は……13です!
GM ボスの回避力は……13! オデッサに対しては出目が良い!
オデッサ「腕を磨かなければ……」
GM ボスも〈ガン〉を警戒したんだろうね。
オデッサ、本日2度目の同値回避です。
どちらも、あと1あれば命中していたのですが……
ブルー 【ガゼルフット】いきます。
ブルー MP12→9
ブルー 《挑発攻撃Ⅰ》やぁ!「おりゃあ!」命中力は……13!
GM じゃあ回避振るでぇ……12。ダメージどうぞ。
ブルー ダメージは、ほぼ入らんやろう……9-2で7。
GM ふんふんふん、了解です。そうですね、けっこう苦しそうです、ボス。あと最後、クロエが動きます。
ブルー これ、どうしよう?
オデッサ 何をしてもらいましょうか?
ホシノ 普通に回復していただきたいです。
GM ……はい、成功です! それぞれ9と8を回復してください。
ホシノ HP20→27
ブルー HP19→22
~小休止~
GM みなさん、適応が早くて助かります。
ブルー いやぁ、きつい。ダイス目が……
オデッサ だいぶ操作に戸惑っています。
GM はじめて触ったにしては、すごく適応が早いですよ!
オデッサ 本当ですか、よかったです!
GM 助かります。
オデッサ 私の場合、攻撃パターンが【ソリッド・バレット】1択なので。
GM まぁ、そのうち魔法は増えるので、いろいろ択は増えますから。
オデッサ へー!
GM MPに余裕が出てきたら【ターゲットサイト】を使うとか。あとは、【クリティカル・バレット】っていうのがレベル2で入るんですけど、それを撃ったらC値が-1されるんです。なので、クリティカルしやすくなるんです。っていうのもあります。ただ、そっちはMPが2消費されるので、MPと相談しながらって感じで。
オデッサ 【ソリッド・バレット】は、MPの消費が1なのが本当に良いですね。
GM ですね。これと同じ威力どころか、これよりも低い威力の魔法を撃つのにMP6点消費しなきゃいけない、ソーサラーっていう魔法使いがいるんです。悲しいですね!
オデッサ そのぶん、いろんなことができますから……
GM できる、けどね。純粋な火力でいったら、やっぱりマギテックシューターよ!
オデッサ 一方で命中が……やっぱり、出目が良くなかったので。
GM さっきのアレは、ボス側の出目も良かったので……
>オデッサ 命中力は……13です!
>GM ボスの回避力は……13! オデッサに対しては出目が良い!
GM ホシノがぶん回っているぶん、お二人がちょっと不遇な……あるあるですね! C値⑪でクリティカルは、なかなか無いので……あれですね、探索判定とかで振るわなかったぶん戦闘で絶好調ですね。
ブルー あいつは戦闘狂だからしゃーない。
オデッサ 【キャッツアイ】効いてるねぇ。
ホシノ よかろー? やっぱり【キャッツアイ】にして正解やった。
もともとは先に【マッスルベアー】を取るつもりでしたが……筋力アップより命中力アップの方が使いやすいと実戦で痛感しました。
GM オデッサも1ラウンドだけ命中力を+1する魔法があります。
オデッサ ほう。
GM 【ターゲットサイト】というのがMP2消費することで命中を上げられるので……
オデッサ なるほど。
GM それを使ってみるというのも手ですね。
オデッサ 確かに。
GM でも、これは1ラウンドしか効果がないので……使いどころを選んで使うと強いです。
【ターゲットサイト】を再びオデッサに勧めるGM。これが、この後ちょっとしたフラグになります(笑)
【ターゲットサイト】:魔動機術。術者の動体視力を補強して、命中力をアップする。
ブルー いまのところ、うちのキャラは予定通りの動きをしよるはしよるけど……
ホシノ すばらしい! めっちゃ回避しますよね!
ブルー 回避の方の出目が、あんまり良くないんだよなぁ。
ホシノ (笑)でも、1回しかダメージもらってないですよね?
ブルー まぁ、【ガゼルフット】込みで回避力の基礎値7だからね。
GM 7あるんだよ!
ホシノ 7もあるの!?←回避力3
GM 実は今回のボスって、回避型のブルーにひやひやして欲しくて用意しました!
一同 (笑)
GM 斬り返しをもっているのは、そういう理由です。まぁ、元々もっているんだけどね。こいつはルルブに載っている魔物なので。
ホシノ へー!
GM この魔物、ブルーメタじゃんって!
一同 (笑)
ブルー あのとき出目さえ良ければ回避できてたんだけどなぁ、2回とも。
ホシノ まさかの出目が「1・3」と「2・1」でしたからねぇ。
GM TRPGは、そういう日もある!
ホシノ あるある!←初プレイ勢
GM だから、みんな人間を使うんやで。1度だけ出目を反転させることができるから。
ホシノ あれって予備動作なんですか?
GM あれは、そのときに言えば発動する。
ホシノ そういうものなんですね。
ブルー ゲーム世界の1日に1回しか使えないけどね。
ホシノ じゃあ、ホシノも言えば、HPをMPに変換できるの?
GM それは主動作。
ホシノ あ、そうなんだ。
GM 人間の能力は判定を振ったときですね。
ホシノ なるほど!
[HP変換]:ルーンフォークの種族特徴。1日に1回、HPをMPに変換できる。
ブルー そういえば、このボスって属性攻撃とかじゃないよね?
GM 属性攻撃じゃないよー。
ブルー あと銀じゃないよな?
GM 銀じゃないよー。
ブルー それ聞いとかないと……
ホシノ あ、そっか、ブルーさまはナイトメア……
[弱点]:ナイトメアの種族特徴。銀に弱い。あとブルーは土属性にも弱い。
GM 弱点は抜けないとダメなんですけど、言っちゃうと、このボスは知能が低いので(笑)
ブルー 武器が銀なら弱点じゃないの?
GM 弱点をつく場合、プレイヤー側は隠蔽判定を、魔物側は弱点を抜きにいく判定をしないといけないので……
ブルー あ、そうなんだ。
GM じゃないと、弱点は適用されません。
ホシノ 単に弱点を知っているだけじゃダメなんだね。
GM そう。まぁ、このボスはバカなので大丈夫です。
ブルー 一応、聞いておかないとね。俺は弱点をもってるから。
GM あ、えらい! ほんとブルーさんは記憶力が良い。
ホシノ さすがブルーさま!
GM といったところで、そろそろ戻りましょうかね。
第4エネミーラウンド
GM 初期作成はねー、これくらい長引くから楽しいよねー。このゲーム、強くなればなるほど大味になるからな。
ホシノ そういうものなんですね。
GM はい。
ある程度、強いキャラを最初から使うと、大味なゲームになりやすく。
逆に、まっさらな冒険者レベル2以下で初期作成したキャラを使うと、そんなに強くない敵を相手にしても戦闘が長引いてしまう、ということみたいですね。まさに、いまホシノたちがボスにトドメを刺せないでいるように。
GM じゃあ斬り返し。そして挑発されているのでブルーに攻撃。命中力は……10。出目が低ゥい!
ブルー 回避力は……10! よし、とりあえず同値回避だな!
ホシノ 返す刀は?
GM 命中力は……9。 終わったな、これは!
ブルー 回避力は……14! よしよしよしよし!
ホシノ ナイスです!
オデッサ お見事!
GM ボスは、わりと息も絶え絶えの状況なので、武器をぶんぶん振るんですけど、まるで扇風機! ブルーには全く当たりません!
ホシノ「この、ぶんぶん丸が!」
ブルー ほんとはホシノ嬢もぶんぶん丸になるはずなのに、ぜんぜん当たってるんだよなー。
ホシノ ふっふっふー。
GM いや、だって堅実だもん! 【キャッツアイ】入ってて、しかも【ファナティシズム】入ってるから堅実なんだよ! 堅実そのものなんだよ!
第5ラウンド
ホシノ ホシノ行きます! ホシノ行きます! ホシノ行きます!
ブルー 行ってこい、行ってこい!
オデッサ 行ってらっしゃい!
ホシノ ホシノ、主動作でボスさまに攻撃します。命中からいきます……14! いかがでしょう?
GM まぁ、当たるでしょう。回避力は……9。まぁ、当たるわな。
ホシノ では「てりゃー!」ダイス目は……「3・1」。
GM 出目がよろしくない。それでも、わりと入るね。……まだ立ってます。
ホシノ あと、お願いしまーす!
ブルー オデッサさん、トドメ刺しちゃってください。
オデッサ じゃあ、【ターゲットサイト】……どうしようかな。
ホシノ どんどん使っていきましょう!
オデッサ MP2を消費して命中力+1。
ブルー「なるべくこのターンで決めたい……」
オデッサ「撃ちます!」ダイス目は……「1・1」!! うわ! うわ!
ブルー なんでじゃー!?
オデッサ ぎゃー!!
GM オデッサさん、オデッサさん。
ブルー 経験点50点。
GM はい! 経験点50点プレゼントです!
オデッサ うわー!
GM 自動失敗の回数を記録しておいてください。
オデッサ はい……
GM 私も最初のキャンペーンで使ったマギテックシューターで、おんなじ状況がありました。そのとき「ジャムった」って言いました。
ホシノ なるほど! うまいなぁ! うまい!
※ジャムる:銃の弾が詰まって撃てなくなること。あるいは、コピー機の紙が詰まること。コンビニの印刷機が詰まって、正しく印刷されなかったチケットのことをジャムリ券といったりも。
ブルー うわー、これどうしよう。
オデッサ なんで、あそこまで補正して失敗するー?
ブルー (笑)これどうしよう。やれるんやろうか、やれんのやろうか。
ホシノ ブルーさま、全力でいきましょう!
ブルー 《挑発攻撃Ⅰ》を使わず、通常攻撃でいけってこと?
ホシノ はい、どんどんいきましょう!
ブルー 挑発いらん?
ホシノ はい! 構いません! いっちゃいましょう!
ブルー まだクロエさんのターン残ってるよね?
GM 残ってるし、もし余ったら【プロテクション】でも撃ってあげるよ。
ブルー まぁ、そうだね。もう、その考えでいくか。じゃあ通常攻撃でいきます。まずは命中力……11。ビミョー!
GM ボスの回避力は……11! あー、同値回避だ! しぶといねぇ、ボス! ボスしぶといねぇ!
ブルー 出目が悪いんだよぉ! これ、クロエはホシノ嬢に【プロテクション】撃ってもらった方がいい気がするなぁ。
GM 対象は、お二人です。
ホシノ やったぁ!
ブルー あー、俺にもかけてもらえるのか。それがやれるのか。
GM そう。
ホシノ クロエさま、有能!
GM 一応、こういう敵をぶつけるから、回復役は要るよねって登場させたんだけど、要らなかったかもしれないなー!(笑)
ブルー いやいやいやいや! まだ終わってへんがな!
GM はい、【プロテクション】は成功。お二人は-1点軽減されます。
ブルー 【プロテクション】は何ラウンドもつの?
GM 18ラウンドですね。だいたい、このゲーム18ラウンドもやることないんで。
一同 (笑)
ブルー てか、そんなにやってたらMP尽きるわ!
オデッサ ですね。
GM というか、敵は何をやっているんだって話だよね(笑)
ブルー 双方そろってファンブル合戦やってるとしか考えられない。
ホシノ どろじあいー!
第5エネミーラウンド
GM じゃあ、挑発はなかったので、ダイスでボスの攻撃対象を決めますかな。……おお、ブルーさんだ。
ブルー 俺かよー。もー。
GM まぁ、いいんじゃないですか。だって回避高いし。避けるでしょう! ハハッ!←露骨なフラグ
ブルー 斬り返しの宣言がこえーんだ……
GM 命中力は……「1・1」でファンブル!
ブルー ということは、俺は回避を振るまでもないか。
GM はい。斬り返します。6ゾロ来い……「6・6」キタ―――(゚∀゚)―――― !!
ホシノ キタ―――(゚∀゚)―――― !!
GM (笑)6ゾロ来いって言って本当に来るんだ!? こえーよ!
ブルー 回避力の出目は……「5・3」。無理やな……
GM ダメージは……出目が低い。8点。
ブルー つまり3点通しだ。
ホシノ 計算はやっ!!
ブルー HP22→19
GM いやー、あれだな。6ゾロ出たときは面白かったんだけどな。
ホシノ (笑)
ブルー いや、さすがに勘弁してくれ(笑) 「1・1」から「6・6」とかアホかー!
GM (笑)
オデッサ リプレイつくったら、つくりものだろって言われる出目ですね。
GM そうだね(笑)それはそうって思います。正直言って。
つくりものじゃないんだなぁ!
第6ラウンド
ホシノ ホ、シ、ノ、い、き、ま、すー!
GM どうぞー!
ブルー このターンまではバフがついてるから。
ホシノ じゃあボスさまに。えいっ。命中力は……12。
GM ボスの回避力は……14!
ホシノ ホシノ空振りー!
GM ボスは、まだ死にたくないみたいですね。あの、誰か一人倒すまではって顔をしてます。
オデッサ うわー。
ブルー イヤなヤツだなー!
GM どうぞー!
オデッサ じゃあ、私がいきますけど……【ターゲットサイト】はイヤな記憶ができたので……使わない。
一同 (笑)
GM ウソでしょ!?(笑)
オデッサ ほんとですよ!
ホシノ オデッサさま、使いましょう!
オデッサ えー!?
ホシノ 出し惜しみはよくないです! あとで後悔しても遅いんです!
GM そうね。
オデッサ でもなー。
ホシノ 使っときゃよかった! ってなるのが、いちばんコワいんです。
オデッサ じゃあ、わかりました。【ターゲットサイト】を宣言します。
さっきは36分の1を引いてしまっただけで、本来は36分の35の確率で効果があります。1に引きずられて35を捨てるのはもったいないです。
というか、ただでさえ、ここまで2度も同値回避されているのに、ここで【ターゲットサイト】を使わなかったら、またまたまた同値回避されるフラグが立ちそうで……(笑)
ブルー そういえば、いま6ラウンドだけど、これで1分なんだよなぁ。
GM はい
オデッサ ゲーム上ではそうですね。
ホシノ 1ラウンド10秒×6だもんね。
ここまで、リアルの6ラウンドは小休止込みで1時間半です。
オデッサ 【ソリッド・バレット】を使って、命中力は……19!
一同 おー!
GM ボスの回避力は……14。うん、命中ですね。
オデッサ ダメージは……10点です!
GM 10点ダメージですね。……ボスは倒れますね。
オデッサ ほっ。
ホシノ やったー!!
ブルー やっと……
GM みなさんの勝利です!!
はぎとり
GM では、勝利したので、はぎとりを行ってもらいます。
ホシノ 肉だ肉だー!! お腹いっぱい食べられるぞー!
GM 食べ物じゃない!
オデッサ (笑)
ホシノ え?
ブルー だから魔物を食おうとするな!
ホシノ ホシノ、聞いたことがあります。こういうときは「上手に焼けましたー」って。
オデッサ お腹こわすよ!(笑)
GM 焼きたかったら、フェアリーテイマーを習得しよう。
フェアリーテイマー:魔法使い系技能。妖精魔法(炎)の【ファイアボルト】などで上手に焼けるかも?
ホシノ ほう!
GM いや、いいよ、冗談だから今の!
ブルー やるぞ、こいつは!
オデッサ だめだめだめだめ!
一同 (笑)
後日、実際にフェアリーテイマーについて調べてみたところ、
ルーンフォークは、そもそも妖精の姿が見えないので、フェアリーテイマーにはなれません!
……という事実を突きつけられてしまったのでした。残念!
GM さて、はぎとりをしようとするんですけど、その前にあなたたちは気付くことがあります。
オデッサ はい。
GM このボスなんですけど、剣のかけらといわれる鉄のカタマリが体から浮き出しています。これはですね……この世界の村とか街とか都市には、守りの剣というものが置かれています。
一同 はい。
GM 守りの剣は、その一帯の地域から、穢れをもつものを遠ざけます。具体的にいうと、穢れの強い蛮族などがそこに入ると、もう、ぐでーってなっちゃう。
ホシノPの頭の中に、某たまごが浮かびました。
GM もう頭が痛くて、なにもできないよー状態になっちゃう。
オデッサ 結界みたいな?
GM はい、そうです。結界です。言ってしまえば。
オデッサ はい。
GM で、それを維持するためには、この剣のかけらを納める必要があります。
オデッサ なるほど。
GM 剣のかけらを納める冒険者は、名誉があるので、名誉点をもらえます。名誉点に替えることができます。一応、換金もできるんですけど、めんどくさいんで名誉点です、これは。
一同 はい。
GM その名誉点を決定するので、6面ダイスを3回振ってもらいます。剣のかけらが3個だったので。今回3人なので、1人ずつ1D6を振ってください。
ホシノ→「5」
オデッサ→「4」
ブルー→「1」
ブルー あらま。
GM 合計10なので、全員、名誉点10点ですね。
オデッサ はーい。
ブルー ほんまにダイスに嫌われてるな、今日……
ホシノ ドンマイです! ブルーさま。
ブルー ちなみに、マスター?
GM ほーい。
ブルー ボスが何だったか聞いてもいいの? この場合。
GM ああ、まぁ、いいでしょう。
このあたりは、GMの裁量みたいですね。
GM ボルグハイランダーってヤツです。
ホシノ なんか、かっこいい!
GM データも開示するかー! いっこ賢くなったということで、データも開示しますかね。
一同 ありがとうございます!
ボルグハイランダー Lv4
HP44 MP17
※剣のかけらで強化されていた。
ブルー なんじゃ、こいつ!?
ホシノ HP高いですね!
GM 実は剣のかけらで強化されていますから。剣のかけらを取り込んだ魔物は強くなります。
オデッサ なるほど。
GM まぁ、そんな感じで強化を受けて、HPが15点増えているので。
ホシノ だいぶ増えてますね。
ブルー あと、出なかったけど、痛恨撃っていう、とんでもないのが書いてるじゃねーかよぉ……
GM そうだよー! だから俺は、あのとき、なんでダイス目が「9」なんだよ!? って。
ホシノ ああ、もし「10」だったらってことですか?
GM はい。
ブルー 「10」だったら+6点なんだよ、ダメージ。
ホシノ ちょっとしたクリティカルみたいなものですね。
ブルー 俺、死にかけてたよね。それ受けてたら。
GM そうだよー。なんだったら、運が悪かったら1人くらい、もっていけるかなーってぐらいの気持ちだった。
オデッサ うわぁ!
ブルー なんで、1回目のセッションから倒そうとしてんだよ!?
一同 (笑)
GM いや、それくらい痛い目を見ておけば、ホシノも落ち着くかなって思ったんだけど……
ホシノ そんなことないですよ! ホシノは行くとこ行きます!!
ブルー いや、痛い目に遭うのは俺やろ?
GM それは、そう。
一同 (爆笑)
おっしゃる通りで、ブルーさまは《挑発攻撃Ⅰ》で魔物を引き付ける役。
この日のセッションでも、いちばん敵の攻撃を引き受けてくれました。
GM そして、はぎとりですね。じゃあ、その方法について教えます。
一同 お願いします!
GM はぎとりは2D6をそれぞれ振っていただくんですが、今回倒したのが、ボスであるボルグハイランダー、シールドフッド、ゴブリン2体ですので、それぞれに2D6を振ってもらいます。
オデッサ なるほど。
GM まず、ゴブリン2体を誰か振ってください。
ホシノ じゃあ、ゴブリンさま2体はホシノが振っていいですか?
GM どうぞ。2回ぶん振ってください。
ブルー というか、今日はホシノ嬢にぜんぶ振らせりゃいい気が俺はしてしまうんやけど。
オデッサ ブルーさんは商人みたいですが、戦利品などに詳しいんじゃないですか?
ブルー いや、今日は運が悪そう。
オデッサ なるほどー。
ホシノ→「6」「8」武器(30G)×2
GM まぁ、これはアレですね。実際に武器として使えるものではなく、売り物程度のものです。2つで60ガメルですね。
ホシノ はーい。
GM では次、シールドフッドのぶんを誰か振ってください。1回です。
ブルー えー、俺いっていいですか?
オデッサ どうぞー!
ブルー オデッサさんに、ボスのドロップはお任せします。
一同 (笑)
オデッサ 私でいいんですか? 今日、大失敗してますよ?
ブルー でも私さっきから2D6で3やら4やら出しまくってるんですよ。
ブルー→「11」着慣れたフード(80G)+粗雑な盾(50G)
ホシノ ナイスです! いちばん良いヤツですよ!
GM 自動で手に入る粗雑な盾と、着慣れたフード、トータルで130ガメル追加です。
ブルー やった。
オデッサ ナイスです!
ブルー やばい、商人がめつい。
一同 (笑)
GM 売れるものを、よく解っている。
ブルー うん。
GM では最後。
オデッサ はーい。
オデッサ→「8」意匠を凝らした武器(150G)
ホシノ いいですね!
ブルー 悪くない、悪くない。
GM 意匠を凝らした武器、150ガメル。……これを、あとで皆さんに分配するので。
オデッサ 意匠を凝らした武器も売るものですか?
ブルー 換金アイテムっぽいね。
オデッサ なるほど、なるほど。
GM いやぁ、ご理解が早い!
ホシノ おカネをチャリンチャリンって落としてくれるわけではなくて、ドロップ品を売ることで稼ぐ世界ってことだよね。
ブルー 相手が人間とかだったら、おカネをとれるんだろうけど。
オデッサ 相手は魔物ですからねぇ。
貨幣経済を採用している魔物とか、いたらイヤだなぁ……
ブルー だいたい、はじめての戦闘で、自分より2レベルくらい高い相手と戦うことになるのかよって思ったけど……
オデッサ そうですねぇ。
GM このゲーム、基本的に同じレベルの魔物はザコなので。だって、ゴブリンが数体ならんでいただけじゃ、きみたちコワくないでしょ?
ホシノ はい、ぜんぜんです!!
ブルー いやいやいやいや。
オデッサ はじめての戦闘ですよー?
GM そのために、クロエさんをつけたんですねー!
オデッサ なるほど。
ブルー まぁ、ついてなかったら大変なことになってるけどねぇ。
GM 逆に、クロエがいなかったら、ちょっと調整が難しかったんですよ。
オデッサ なるほどー。
GM それもあって、バフと回復を受けたときの練習も含めて、クロエをつけました。あと、物語の都合上。
6.金色の垂れ耳亭
GM では、はぎとりを終え、きみたちはホクホクなところ、クロエさんが駆け寄って「みなさん、さすがです!」
ホシノ「クロエさま、ありがとうー!」って言いながら抱き着きます。
ブルー あれ? これ、なんかダメージが入りそうな勢いだな……
一同 (笑)
ホシノ バキバキバキバキッ!(笑)←筋力20
GM「ホシノさん、い、痛いです……ホシノさん!」
ホシノ「あ、ごめんさい!」と言ってから、ホシノはクロエさまの手を取ってぶんぶん振ります。
GM「あー、あー、ありがとうございます……そして手が痛いです!」
一同 (笑)
オデッサ「援護のおかげで助かりました。ありがとうございます」
GM「いえ、オデッサさんが最初の一体にトドメを刺してくださったからこそですよ。さすがです」と、にこやかに。オデッサの銃をほめてますね。
ブルー「いやいや、ナイス援護ですよ。助かったわ、ほんま」
GM「お怪我は大丈夫ですか? さきほど結構な傷を負われていましたが」
ブルー「いやいや、なんとか。街までは大丈夫でしょう」
GM クロエは【キュア・ウーンズ】を撃って回復します……成功。なんか、減ってたんで。
ブルー HP19→22
GM「これで、すこしは大丈夫だと思いますが!」
ブルー「いや、助かった。ありがとう!」
GM たぶん、あれだよね。最後のすかしっ屁だよね。ボルグハイランダーの。
ブルー そうだよ。クリティカルが出た命中だよー!
GM すげぇきれいに当たったはずなんだけどなー。ダメージがそんなに出なかったんだよなー。残念。
オデッサ いやいやいやいや。
ブルー どうにかこうにかギリギリ回避はしてるんだよ。かすったんだよ、たぶん。
GM そこに、さきほどまでゴブリンと戦っていた傭兵たちがやってきます。「おお、助かったぜー!」「お前らがいなかったらヤバかったぜー!」
ブルー「前の方は大丈夫なんですか?」
GM「おお! こっちはまぁ、ゴブリンしかいなかったしな!」……ゴブリンの死体の山が向こうのほうに築かれています。
オデッサ「すごい数ですねぇ……うしろの馬車は大丈夫でしょうか?」
GM うしろの馬車の御者がやってきて「いやぁ、きみたちのおかげで命拾いしました。ありがとうございます。とてもお強い冒険者なんですね!」
ブルー「商人です」
一同 (爆笑)
GM「えっ!?」
オデッサ 誰も信用しない(笑)
GM「あんなに勇敢に戦っていたじゃないですか!」
ブルー「いや、俺、冒険者ちゃうよー! 行商! 俺は!」
GM 傭兵の兄ちゃんが「いやいや、お前、商人っていうのもいいかもしれねぇけどよ、お前なら冒険者か傭兵にでもなった方がいいぜ!」
ブルー「興味がないんだよなー。俺には金勘定のほうが性に合っとるよ」
GM その傭兵の兄ちゃんが、今度はホシノとオデッサのほうに「で、あんたらはどこの冒険者ギルドに所属してるんだい?」
ホシノ「ホシノ、わからないです!」
オデッサ「私は、これから登録してみようかと……」
GM「てことは新米かぁ! なかなか良い戦いっぷりだったぜぇ!」
ホシノ「ありがとーございます!」
オデッサ「どうも、ありがとうございます」
GM「お前らの、今後が上手くいくよう祈ってるぜ!」……傭兵の兄ちゃんは、ひらひら手を振りながら去っていく。
ホシノ ホシノは斧をぶんぶん振って、それに応えます。
GM「おお! 元気でいいな!」と、傭兵の兄ちゃんも剣をぶんぶん振って応える。
ブルー「これやから冒険者はホンマ……」
GM その様子を見て、クロエが言います。「あの、みなさん、その、もし冒険者登録がまだなら、私のいる冒険者ギルドに来ませんか?」
オデッサ「クロエさんの冒険者ギルドに、お誘いいただけるんですか?」
GM「私は冒険者ではないですけど、実は、そこでギルドの受付をしていまして。まだ、新しくできたばかりのところでして。人を集めているところなんです」
オデッサ「それは願ったり叶ったりです。ぜひ、お願いします」
GM「本当ですか? ありがとうございます!」
ホシノ「ちょうど良かったですね、ブルーさま!」
ブルー「よし、そこでホシノ嬢のパーティが見つかれば、とりあえずは俺も行商に戻れるか……」
ホシノ「えっ? ブルーさまも一緒にいらっしゃいますよね?」
ブルー「ホシノ嬢、俺は冒険者やないねん」
ホシノ「ホシノ、ひとりだと不安です……」
GM「では、お二人はどうします?」
ホシノ「ホシノはブルーさまと一緒に入ります!!」
ブルー「……え?」
一同 (笑)
ホシノ「……と、いうことで、クロエさま、お願いします!」
ブルー「あれ? ん? ちょっと待って?」
一同 (爆笑)
GM ブルーが、あたまの上にハテナを浮かべて「ん? ん? ん?」ってなっているのを尻目に、クロエが言います――
「ようこそ、❝ゴールデンロップイヤー❞へ!」
つづく
ホシノのSS
取り戻した色、手に入れた家族。
夢をみていた。
まっ暗闇に、ひとり。
敬愛する、ご主人さまの気配は無く。
ただただ、黒という色が広がるばかり。
ホシノは、ひとりぼっちだ。
ご主人さまが姿を消した、その日から。
あれだけ華やかだった屋敷は色を失い。
あれだけ鮮やかだった庭園は色を失い。
すべては絶望という闇にのまれていった。
まるで糸がプツリと切れた操り人形のように。
まるで歯車が止まった機械仕掛けの人形のように。
ホシノは動けなくなってしまった。
そして――おかしくなった。
要するに、気が触れたのかもしれない。
要するに、誤作動を起こしたのかもしれない。
それは、立ち上がったというべきか。
それは、再起動したというべきか。
ホシノは屋敷の錠を下ろして。
でたらめな方向へ駆け出した。
千といくらかのガメルだけを握りしめて。
目がさめた。
目に色彩が流れ込んでくる。
ブルーの青い髪。
クロエの白い服。
ここは、馬車の中だ。
となりには、オデッサが座っている。
金色の髪。
緑色の瞳。
目が合った。
「ホシノちゃん?」
ホシノちゃん。
ホシノさん。
ホシノ嬢。
おかしな話だ。
たったひとつを失ったはずが。
ふたつにも、みっつにも増えている。
こういう人たちを、なんというのだろうか。
ホシノにとっては、ご主人さまがすべてだったので。
この人たちが何なのか、よく分からない。
ただ、こんな言葉を知っている。
❝家族❞
そうなのかもしれない。
ちがうのかもしれない。
❝きょうだい❞
より近いのかもしれない。
より遠いのかもしれない。
ためしに、つぶやいてみる。
「お姉さま」
オデッサは、すこし驚いた顔をしたのち、やさしく微笑んだ。
ふたりを、なにか温かいものが包み込んだような気がした。
おわり
次 回:第1.5話 第1話を終えて
次々回:第2話 はじまる金色の日々
本作は、「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の、二次創作です。
(C)GroupSNE
(C)KADOKAWA