最近返却された本
図書館の「最近返却された本」の棚が好きです。
知らない街に行くと、かならず訪れたいのが「郷土・歴史館」「図書館」のふたつ。図書館にはその街の歴史や、土地柄がよく現れると思う。出身の作家の特集や郷土史コーナー、例えばお医者さんが多い町なら医学書がやけに充実して配架されていたり、お話の読み聞かせを頻繁におこなっていたり、とか。本から垣間見ることのできるその土地の文化がとても好きです。
とりわけ「最近返却された本」のコーナーは、リアルタイムでそこに訪れた人の息遣いまで感じられるようです。おそらく今日返された本だろうから、情報の鮮度がちがう。重要なのは「どの本を借りた」ということよりも、どの並びで配置されているかということだったりもする。これってもう、本棚もとい頭の中をまるごと覗き見しているようなものです。「部下のマネジメントで悩んでるんだなあ」とか「ご家族がこの病気にかかられたのかな」と心配になったり、「やたらこの作家が好きな人がいるんだな」とか「あっ、この本、わたしも読みたかったの。もう読んだ人がいるんだな」とうれしく感じたり。該当する人がもしかして同じ空間にいるのかも、と思うと、どきどきします。
そうして眺めているうちから、思いがけない興味関心を引き出されたりしてコーナーから、何冊か借りて帰ることもあります。念のために、ストーキングとかそういった意味では断じてありません(笑)選書を通じて立ち現れる「誰か」像がとてもおもしろいなあと、そういうお話でした。
ちなみに今日は次の本を借りました。
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