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25時、ナイトコードで。「余花にみとれて」歌詞考察
「傷だらけの手で、私達は」がついに終了しました。如何だったでしょうか。
絵名と瑞希の物語が一段落したように思えます。そして、「ニーゴのみんなの前ではもう隠さない」「ここに居ていいんだって思えるように」と想いを口にした瑞希。瑞希は瑞希として、ありのままの姿でいてくれる事でしょう。
余花とは
そもそも余花(よか)とは、春に遅れて咲く花の事で、特に立夏後の桜を指すそう。
イベント「シークレット・ディスタンス」では、大きな桜の木の下で「花の最期なのに何故綺麗なのか」と話すシーンが非常に印象的でしたね。
![](https://assets.st-note.com/img/1733754223-Ypqvw0gnbPG4za9K2oREFtCD.png?width=1200)
因みに「余花の雨」という言葉もあるようで、「新緑や桜をしっとり濡らしてくれるような、優しい雨」という意味のようです。
「雨」といえば、絵名がバナーとして登場した楽曲をはじめ、ニーゴのイベントストーリーではよく雨が登場していましたね。
絵名が「雨」ならば、瑞希は「桜」といったところなのでしょうか。
歌詞
私たちが思うよりも
この世界は優しくないから
せめて私くらいはあなたの
そばにいたかったんだ
ザラついた手触りの言葉で
あなたのこと汚した私は
妙に目にしみる茜色に
縫い付けられたままで
動けないままで
きつく抱きしめて
くしゃくしゃになった
あなたの孤独を見つけたのに
もう傷つける場所もないあなたの心臓が
切なくなるくらいに柔らかく音を立てて
酷く膿んだ傷を押さえながら
それでもあなたは笑っていたのでしょう
それがどうしようもなく嫌なのです
せめて私の前では泣いて欲しいのに
ボクたちが息をする世界は
もうとっくに壊れていたけど
それでもあなたと見たその色は
ただあまりにも美しかったんだ
歩き方を忘れた私たちは
どこまで行けるのかな
どこにも行きたくないのなら
それでもいいよ
ここで話をしようか
何も話したくないなら
ここから見える景色を見ていよう
何も見たくないのならずっとこのまま
ふたり目を閉じていようよ
あなたがいればいいよ
その躰の真ん中で
軋んで割れそうな
噛み殺した声が
聞こえて走り出した
私が今すぐそばに行くから
あなたはあなたのままで待っていて
その指先が体温(ねつ)が触れたボクの心臓は
隠せないくらいにあなたへと音を立てて
酷く爛れて濁っていた空さえ
切なくなるくらい透き通って見えた
私たちの心臓が
音を立てて
重なるくらい
近づいたなら
壊れたままで進んで行く世界の中
それでもふたりで息をしている
考察
私たちが思うよりも
この世界は優しくないから
せめて私くらいはあなたの
そばにいたかったんだ
●この世界は優しくない
→「この人ならきっと大丈夫だと思っても離れていってしまう」という瑞希の経験に基づいたもの。
![](https://assets.st-note.com/img/1733755114-HVQLxe3g1XOR7AqtsEj0h45v.png?width=1200)
●せめて私くらいはそばにいたかったんだ
私=絵名
→「大切な友達」だからそばにいたい。
※せめて:瑞希が何か悩んでいる様子に気付いていたのは今までずっと絵名のみだった事からか。
★「いたかった」:アイディスマイルの「いたいいたいのどっちだ」と同様にあえて平仮名にされているものか。
→前曲同様「痛い」と「居たい」のダブルミーニング?
┗友達で居たかった
秘密を隠して友達のままでいるのは心が痛かった
ザラついた手触りの言葉で
あなたのこと汚した私は
妙に目にしみる茜色に
縫い付けられたままで
動けないままで
●ザラついた手触りの言葉であなたのこと汚した私
→目は口ほどに物を言う
=あの夕焼け空の下で見た絵名の表情のことか
→瑞希からしてみれば「目」や「表情」だけで充分であり「言葉」要らずだった。
●妙に目にしみる茜色に縫い付けられたままで
→絵名が瑞希の秘密を知った時の事が頭から離れない
![](https://assets.st-note.com/img/1733752827-1bPDedJ2mxhEsjf5wFM6SRkz.png?width=1200)
●動けないままで
→絵名の顔がこびり付いてしまい進めなくなった。
自分の言葉で言うことも出来なかった。
![](https://assets.st-note.com/img/1733752952-AS3QXRPDulxM2dGNtOombKVI.png?width=1200)
きつく抱きしめて
くしゃくしゃになった
あなたの孤独を見つけたのに
=せっかく貴方の抱えている事を知ることが出来たのに。
→不本意な形で知ってしまった事を悔やむ様子
![](https://assets.st-note.com/img/1733755909-ejZduhOLUGCXxgzcFvimI0k2.png?width=1200)
もう傷つける場所もないあなたの心臓が
切なくなるくらいに柔らかく音を立てて
酷く膿んだ傷を押さえながら
それでもあなたは笑っていたのでしょう
それがどうしようもなく嫌なのです
せめて私の前では泣いて欲しいのに
●もう傷つける場所もないあなたの心臓
→既に何度も偏見の目で見られてきた瑞希の過去。また、離れていってしまった友達「だった」存在。
●切なくなるくらいに柔らかく音を立てて
=苦悩を包み隠すように明るく振る舞って。
●それでもあなたは笑っていたのでしょう
それがどうしようもなく嫌なのです
せめて私の前では泣いて欲しいのに
→辛さを表に出そうとしない瑞希と、それを不満に思う絵名。
![](https://assets.st-note.com/img/1733753328-GowtAxvr1JkNZziu2PB3X7LO.png?width=1200)
ボクたちが息をする世界は
もうとっくに壊れていたけど
それでもあなたと見たその色は
ただあまりにも美しかったんだ
●ボクたちが息をする世界
=瑞希が生きる現実の世界。
→ニーゴの皆の前では何も隠さないという意思表示:「ボク」
●もうとっくに壊れていたけど
=偏見の目で見てくるような人間たちがいるような、どうしようもない世界だけれど。
●あなたと見たその色はただあまりにも美しかったんだ
→「シークレット・ディスタンス」で見た桜の事か。
「ずるいくらいに綺麗」で美しいものだった(冒頭「余花とは」参照)。
歩き方を忘れた私たちは
どこまで行けるのかな
どこにも行きたくないのなら
それでもいいよ
●歩き方を忘れた私たちはどこまで行けるのかな
→前に進む方法が分からなくなったこと
●どこにも行きたくないのならそれでもいいよ
→「進む」ではなく「逃げる」スタンスであった瑞希を尊重するさま
ここで話をしようか
何も話したくないなら
ここから見える景色を見ていよう
何も見たくないのならずっとこのまま
ふたり目を閉じていようよ
あなたがいればいいよ
●ここで話をしようか
何も話したくないなら
ここから見える景色を見ていよう
→話せるようになるまで待つという絵名の強い意志。
=話してくれるまでずっと傍にいよう
![](https://assets.st-note.com/img/1733753600-SemC5fDMzQT1qIpnyo3Njb4X.png?width=1200)
●何も見たくないのならずっとこのまま
ふたり目を閉じていようよ
あなたがいればいいよ
=イベント「荊棘の道は何処へ」の瑞希の衣装から取ったものか
→現実を見たくなければそれでもいい、あなたがいればそれで。
![](https://assets.st-note.com/img/1733798157-aYUnZGltRINXCFKsHJgV6MmP.png?width=1200)
その躰の真ん中で軋んで割れそうな
噛み殺した声が聞こえて走り出した
私が今すぐそばに行くから
あなたはあなたのままで待っていて
●その躰の真ん中で軋んで割れそうな噛み殺した声が
軋む:みしみしと音を立てる
割れそうな噛み殺した声=我慢し続けた想い
→溜め込んだものが爆発して何処かへ(物理的に)消えてしまった
![](https://assets.st-note.com/img/1733798195-XtsqhAH8LBP0x1J6rvgQGOlS.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1733798195-6wJU4kKQoPnMSarsEtqFN0DW.png?width=1200)
●あなたはあなたのままで待っていて
→ありのままの瑞希を受け入れる絵名の様子。
→「傷だらけの手で、私達は」では息を切らしながら瑞希を追いかけた。
![](https://assets.st-note.com/img/1733798133-92v05lGnFiaNOYjZJz3mDesf.png?width=1200)
その指先が体温(ねつ)が触れたボクの心臓は
隠せないくらいにあなたへと音を立てて
酷く爛れて濁っていた空さえ
切なくなるくらい透き通って見えた
●その指先が体温が触れたボクの心臓は
→絵名が瑞希の手を握りしめた時のこと
![](https://assets.st-note.com/img/1733798086-Wrkg0t5eZLGvOJufP1dpnaVU.png?width=1200)
●隠せないくらい音を立てて
→もう誤魔化しきれない程に想いが爆発して。
●酷く爛れて濁っていた空さえ切なくなるくらい透き通って見えた
=あの夕焼け空さえも、涙で流されて綺麗なものになっていた。
→絵名と瑞希が交わる重要シーンは全て「夕焼け」だった。
私たちの心臓が音を立てて
重なるくらい近づいたなら
壊れたままで進んで行く世界の中
それでもふたりで息をしている
●私たちの心臓が音を立てて
重なるくらい近づいたなら
→絵名と瑞希の距離が、再び近くなったのならば。
→「傷だらけの手で、私達は」のラストシーン
●壊れたままで進んでいく世界の中
→「迷惑をかけても一緒に居たい」と決めた瑞希と、それを受け入れた皆
●それでもふたりで息をしている
=今までとは少し変わったかもしれないけれど、本質は何も変わらない、そんな関係が続いていく
さいごに
いかがだったでしょうか。
色々と考えてしまうかもしれない、顔を覗いてしまうかもしれない。けれどそんなことは「瑞希がいなくなることと比べたらどうだっていい」と言い放った絵名。本当に心の底から友達で居たいと思うからこその、とても優しく温かいワガママだったのかもしれません。
この曲は全体的に瑞希の歌唱パートが地声に寄っているのかなぁという印象を受けました。そして、絵名の瑞希に対するまっすぐで正直な思いが、全体的に描かれているなとも感じます。
そして公式2DMVのラストシーン(4:33頃)では、瑞希が何か口を動かしているのが分かります。その言葉は「ありがとう」なのか「ただいま」なのか・・・・・・想像が働くところでもありますね。
「シークレット・ディスタンス」から現在まで追いかけてきた、暁山瑞希の物語が、ここで一旦落ち着いたと言って良いでしょう。
As always, in the Night Cord.
いつもの日々がまた戻ってきたことを祝して、本記事を閉じようと思います。
それでは。
![](https://assets.st-note.com/img/1733800035-7miPxQH5cMVIngEFNBjbZGKL.png?width=1200)
直して!!!!!!