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25時、ナイトコードで。「Iなんです」考察

はじめに

 こんにちは。羽紗です。当初書き始めた頃は「Iなんです」公開直後だったんですが、サボりにサボってしまい年末になってしまいました。
 今回のニーゴイベント、とても良かったですね。特に絵名がまふゆの母と電話越しに話すシーン。まふゆのために、自らのプライドを捨て去ってまで彼女を守ったシーンはとても震えました。公式がついに二次創作を始めたのかなぁと思ったらまさにその通りでした。私も東雲一家の食卓にお邪魔したいですね。

閑話休題。

 今回は書き下ろし楽曲「Iなんです」の考察です。主に絵名とまふゆの2人を考察の中心にしながら書き進めていこうと思います。

歌詞

人生みんなバカ可愛い
あるがままに いられずに そう
人類史上かつてない 戦いなんです
それがIなんです

空前絶後の大乱闘で
偶然絶望連鎖と踊り明かしてさ
幸福論破の大合唱で
盲信背徳を付け足し

喜びも戸惑いも喉の渇きも
キミが選んだことから逃げられないよ
切り返せ 起死回生
さあ夜の中で声を上げて

人生みんなバカ可愛い
あるがままに <まだ> 気付かずに
そう人類史上かつてない 過ちなんです
それがIなんです

前人未到の大混乱で
偶像崇拝天使の虜になってさ
報復論争は平行線で
凡人解釈いと悲し

祝福も嘘つきも悲しみさえも
キミが望んだことなら消えやしないよ
繰り返して 輪廻転生
さあ夢の中で目を覚まして

人生みんなバカかわいい
逆さまに <わぁ> 神懸かり
そう人類史上またとない やらかしなんです
それがIなんです

人生みんなバカ可愛い
あるがままに いられずに
思い上がりも甚だしい
まぁしょうがないんです こればっかりは

人生みんなバカ可愛い
悪足掻きからの雨上がり
そう人類史上かつてない 輝きなんです
それが愛なんです

歌詞に沿った考察

◆人生みんなバカ可愛い
あるがままに いられずに そう
人類史上かつてない 戦いなんです
それがIなんです

○人生みんなバカ可愛い

 あるがままにいられずに そう
 →人生において、最も可愛い(大切だと思える)存在は「自分自身」そのものである。だからこそ、反対を押し切ってでも自分がやりたいと思った事を貫き通そうとする事もあるが、そうする事ができない。
 =「周囲に反対されようとも己を貫き通すこと」「自分がしたいと思ったことをすれば良いということ」

 ストーリーに沿うと、まふゆの事を指しているようにも感じられる。絵名のように、自分がやりたい事を貫き通せず、親の反対を押し切ることが出来ないまふゆの姿。

○人類史上かつてない戦いなんです それがIなんです
 →自分の現状(上記参照)を変えるため、自分自身や周囲の環境に立ち向かうことは、人類史上かつてないほど大変な戦いである。「I」(=自分)は「I」自身と戦い続けている。
 例えば絵名であれば「絵」と向き合い続けている一方、まふゆは「自分自身」を探し続けている。これもある種「自分との戦い」と言える。

◆空前絶後の大乱闘で
偶然絶望連鎖と踊り明かしてさ
幸福論破の大合唱で
盲信背徳を付け足し

○空前絶後の大乱闘
 ★
空前絶後:これからも今後も起こらないと思われる、ごく稀なこと。
 →己を貫くための周囲との対立はそう何度も起こりうる事では無い(そのような状況に陥ること自体が稀なことであるとも考えられる)。

○偶然絶望連鎖と踊り明かしてさ
 →自分のしたい事を貫いた結果、偶然にも絶望の連鎖を招いてしまった。絵名の過去(=受験の失敗)を彷彿とさせる

○幸福論破の大合唱で
 盲信背徳を付け足し

 幸福論破の大合唱=「己を貫くこと」は必ずしも幸福を招く事では無いと周囲の人間から言われること。
 ストーリー上に沿っていくならば、「音楽を続けたい」とまふゆが言ったのに対して、まふゆの母親が「後悔しないようにね」という言葉を発していたシーンが当たるだろう。
 ★盲信:訳も分からず信じ込むこと
 ★背徳:道徳に反すること
 これらを付け足すという詞なので
 →「己を貫くこと」が道徳に反しているという事を信じ込まされている

◆喜びも戸惑いも喉の渇きも
キミが選んだことから逃げられないよ

 →人生は一度きりであるが故に、自分の選択から逃げることは出来ない。たとえそれが「喜び」だろうと、「戸惑い」だろうと、「喉の渇き」(=退屈さ?)を齎す事になっても。

◆切り返せ 起死回生
さあ夜の中で声を上げて

 ★切り返す:切りかかってきた相手に逆に切りつけること。 また、相手の
       攻撃にすばやく反撃すること。 
       批判に反論したり、自分に向けられた質問などにうまく答え
       たりすること。
 ★起死回生:死にかかっている病人を再び生きかえらせること。
       滅びかかっているものや事業などを、再び蘇らせること。
       また、そういうものが再び生きかえること。
 ○=夜のように真っ暗な自分の人生。ストーリー上では「朝比奈まふゆの人生」の比喩。
 親の言いなりになる事しかできない人生を「夜」と表現しているか。
 ○声を上げて=自分のやりたい事を見つけ、自己を貫こうとする態度や様子
  →親の傀儡として生きる事を辞め自分らしさを貫いていけ という意味合いが込められた歌詞か。

◆人生みんなバカ可愛い
あるがままに <まだ> 気付かずに
そう人類史上かつてない 過ちなんです
それがIなんです

○人生みんな~気付かずに
 →自己の人生において最も優先されるべき存在は「自分」であると考えている人が多いとされているが、まふゆは「あるがままの存在(=自分らしさを前面に出す様子)」でいられていない事に、まだハッキリ気付けていない。

そう人類史上かつてない 過ちなんです
 それがIなんです

 ●人類史上かつてない過ち
 1.絵名の人生に沿ったものと思われる。中学時代、美術系の学校の受験をしたが失敗し現在に至ること。
 2.自分らしさを貫くことそのものが、世間体から見れば自己中心的に見える場合もあり「過ち」であるということ。
 ●それがIなんです→I=私
  →それ(=反対を押し切ってでも、自分らしさを貫き通す姿)が私本来の姿だ!と開き直る様子。

◆前人未到の大混乱で
偶像崇拝天使の虜になってさ
報復論争は平行線で
凡人解釈いと悲し

 ★前人未到=過去に誰も到達していないことや、誰も成し遂げていないこと。
 →過去今まで起こることがなかった大混乱
  =まふゆの心の変化(音楽をやりたいと伝えた彼女の心情の動き)、心の変化に戸惑うまふゆ自身を指す

偶像崇拝天使=宵崎奏のこと。また、奏の曲によって救われている者たち(ニーゴの面々)。
虜になる=彼女の曲によって心が温かくなる(救われること)感覚の虜になっている

 ○報復論争=「才能は無い」と言った父親に反抗して、未だ絵と戦い続ける絵名の行動そのもの
 ○平行線→絵名と父親との間には、まだ蟠りが残っている。

凡人解釈=絵名の暗喩
 →ストーリー中に、「孵化」をイメージしたイラストを上手く描けない絵名が登場する。「孵化」に対しての解釈を形にできない絵名を「凡人」と表現しているか。

◆祝福も嘘つきも悲しみさえも
キミが望んだことなら消えやしないよ
繰り返して 輪廻転生
さあ夢の中で目を覚まして
「祝福」=救い「嘘つき」=自分を偽ること
 →救われたいと想う気持ちも、自分を偽ろうとする行為自体も、今の環境に対して抱いている悲しみも、望んだ事であればずっと消える事は無い。
  =自分が望まなければ、決して変化することはない。

 ★輪廻転生:人が何度も生死を繰り返し、新しい生命に生まれ変わること
  →今回の場合、「自分を偽っている現在」から「自分らしさを前に出す事の出来る姿」へ生まれ変わることか。

○夢の中で目を覚まして
 =前回の絵名バナー楽曲「ノマド」において、「夢の途中で目覚めたなら この夜は一層濁ってしまうだろう」という歌詞があり、これに対するアンサーにも見てとれる。
 「ノマド」における「夢の途中で目覚める」は、「夜が濁ってしまう」という詞から、自分が向かう道(=夢)の途中で挫けてしまうような印象を抱かせる。
 一方、今回は「夢の中で目を覚ます」とあるため、夢を見続けながらも覚醒する感覚であると考えて良い。
 つまり、夢から現実に戻ることなく、夢を見続けながら(やりたい事を最優先事項として)前に突き進めという意味合いが込められていると考えられようか。

◆人生みんなバカかわいい
逆さまに <わぁ> 神懸かり
そう人類史上またとない やらかしなんです
それがIなんです

 ●神懸かり=神憑り(かみがかり)
  →科学や理論を無視して、不条理な事を狂信すること。そういう人。
 つまり、「将来のため」だとかいう現実的な理論を無視してでも、自分のやりたいこと(それが不条理(=筋道が通らないこと)だとしても)を貫き通す姿。

◆人生みんなバカ可愛い
あるがままに いられずに
思い上がりも甚だしい
まぁしょうがないんです こればっかりは

 ★思い上がりも甚だしい=ひどく自惚れている様子
 →自分には才能があると思っていた過去の絵名

しょうがないんです こればっかりは
 =既に過去の事なのだから、今更どうこう言っても仕方の無い事である。

◆人生みんなバカ可愛い
悪足掻きからの雨上がり
そう人類史上かつてない 輝きなんです
それが愛なんです

 ★悪足掻き=しても仕方の無い事を焦ってあれこれと試みること。
 からの雨上がり→悪足掻きしていたら、雲の隙間から光が見えてきた。
この僅かに漏れてくる光はほんの一筋ではあるものの、人生の中で一番の輝きを放っている。
 →生きてきた中で一番輝いている瞬間。悪足掻きも悪い事ではないのかもしれない。

○それが愛なんです
 →己の望むことを、己が望むままに貫いていく事こそが、最大限の「自分に対する、自分ができる最大の愛情表現」だ。

その他の要素からの推測

○英語タイトルが「I am you」であること
 →直訳すると「私はあなた」。私とあなたは一心同体であるという事なのか、それとも、貴方のことを自分の事のように考えている事の比喩なのか。

 ちなみに今回のエンジェルナンバーのコーナーはありません。


さいごに

 絵名が絵に対して立ち向かっていく様子は以前から見られていましたが、今回まふゆを引き連れ、まふゆからも刺激を受けてイラストを進めるという様子が見られた。
 相互作用と言うべきか、絵名はまふゆの様子から刺激を受け、まふゆは絵名の様子や絵名の家庭から、今まで経験したことのない色々な経験をした。喧嘩はするけどどこか温かい東雲家の姿を見たまふゆは、一体何を思うのか。
 今後、まふゆがどのような方向に進んでいくのか見所ですね。そしてこれを書いている頃には、弓道部イベントの真っ最中です。真っ最中なのでネタバレは出来ませんが、まふゆにとって「大丈夫な存在」が増えてくれる事を祈るばかりです。

 さて、今回の考察記事をこの辺りで終了したいと思います。セカライもだんだん間近になって参りました。風邪とかひかないようにね。
 それでは、また次回の記事でお会いしましょう。

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