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25時、ナイトコードで。「君の夜をくれ」考察

こんにちは。うさやろう改め羽紗と申します。改名後初noteです。
今回は瑞希ちゃんのバナーイベント「そしていま、リボンを結んで」で、古川本舗さんにより書き下ろされました「君の夜をくれ」の考察となります。宜しくお願いします。

それでは、まずは歌詞を見ていきましょう。


歌詞

ずっと話したかった なくしてしまった夜のことを
悲しい話じゃない、寂しくなるけど
いいんだ

明かりをずっと消したままで眠れない日は
冷めてしまったコーヒーに逃げ込んでみる
借りたままだったレコードに針を落としたら
情けないステップで踊り出せる
ずっとずっと待ち焦がれた
明け方の日も 消えない今日も
今夜、今日も この夜に
沈んでしまっても きっと

街の陰を照らす明かりが 昨日と違って柔らかく見えたから
目を閉じるよ 眠りにつくよ
君の夜をくれ

歌詞の考察

◆ずっと話したかった なくしてしまった夜のことを
 ○ずっと話したかった

  →瑞希自身が、ニーゴの皆に隠している秘密を話したいと思う気持ち
 「ボクのあしあと キミのゆくさき」で「誰か代わりに言ってくれたら・・・・・・」という感情を抱いている事から、ニーゴの皆にしっかり打ち明けたいという気持ちがある事は確かである。
 ○なくしてしまった夜のことを
  なくしてしまった夜=話したかったという詞からの繋がりを考えると、瑞希の秘密に関する事柄である事が考えられる。
  また、秘密を抱えながらニーゴのメンバーと共に過ごしてきた時間についての例えである事も考えられる。

◆悲しい話じゃない、寂しくなるけど
 いいんだ
 
悲しい話じゃない
  →(瑞希が話したいと思っている事は)悲しい話ではない
 ○寂しくなるけど いいんだ
  →寂しくなる=ニーゴの皆が今まで通り接してくれるかどうかという一抹の不安から生じる瑞希の感情
 ○いいんだ
  
→本当の自分を隠し続けて苦しくなるよりはマシな事だ

◆明かりをずっと消したままで眠れない日は
 →絵名の作業風景を表す詞

◆冷めてしまったコーヒーに逃げ込んでみる
 ○冷めてしまったコーヒー=温かさの感じないコーヒー
  →まふゆが歌っている事から、味覚等を感じない彼女が単に温かさを感じていない事
 または、「朝比奈家の母親」の暗喩
  →「お母さんと居ると冷たい」という旨のストーリー(「迷い後の手を引くその先は」)があった事から。
 ○冷めてしまった=元々は母親から与えられるものには温かさがあった(ような気がしていた)けれど、実はそんな事は無かった可能性があった(→冷めてしまった)。
 ○逃げ込んでみる=母親の事を信じている気持ちがあるため、母親との生活を選択したまふゆの意思(のようなもの)、もしくはそうせざるを得ない状況を指しているか

◆借りたままだったレコードに針を落としたら
 ○借りたままだったレコード

  →奏に沿った歌詞と思われる。
  誰かからレコードを借りた事を忘れるくらい、長い時間が過ぎている事の表現か。

 ここまでの時の流れを比喩するような歌詞は、今回瑞希と絵名が過去を語った事に沿って考えると、ニーゴの一員として過ごした時の流れを表しているように考えられる。
 明かりを消して眠れない夜を、コーヒーが冷めてしまうくらい、はたまたレコードを借りていた事すら忘れてしまうほど、長い時間を共にしたという事か。

◆情けないステップで踊り出せる
 
※上記の流れから、瑞希に沿った歌詞と見て良い
 ○情けないステップ
  →本当に自分が進みたい道を進むことに自信が持てない様子。
 過去に「変なの」など言われていた事から、自分の進みたい道を進むことに対して迷いが残っている。
 姉との会話でも「本当にボクが進みたい道は・・・・・・」と最後まで悩み続けていた。
 ○踊り出せる
  →今度こそ自分の進みたい道を歩むことができるはずだ。

●レコード~踊り出せる 歌詞を繋げて考えた場合
 ○レコードに針を落とす=何らかの方法で誰かが背中を押してあげる事。
レコードは誰かに針を落とされなければ音を奏でることが出来ない。瑞希が自身の力では秘密を告白できない様子を「レコード」、瑞希の背中を押してくれる何者かの事を「針を落とす」と表現している可能性も考えられようか。
レコードに針を落とす=瑞希のニーゴ加入の決意の表現?
 イベントの最終話で、瑞希が姉と電話をするシーンがあり、瑞希は「楽しい」と笑顔で姉に応えた。
 瑞希がニーゴへ加入しようと最終的に決める事が出来たのは、瑞希の姉が背中を押してくれたからであった。そう考えると、レコード(瑞希)に針を落とした(背中を押した)のは瑞希の姉
 つまり、レコードに針を落としたという詞は、瑞希がニーゴへ加入するまでの話を指している可能性も考えられようか。

◆ずっとずっと待ち焦がれた
明け方の日も 消えない今日も
 ○待ち焦がれた
  →3DMVで瑞希と絵名が近づき、手を伸ばし合う様子
   →「待ち焦がれた明け方の日」=瑞希が絵名に秘密を告白できる日?

 ★瑞希・絵名の2人の名前に着目する
  ▲暁山→「」:夜半過ぎ~夜明け近くの暗い頃
  ▲東雲:太陽が昇る仄暗い時間帯
   →2人の名前に書かれた時を表す言葉は「明け方」の近くであるため、この点に沿って書かれた歌詞であるとも考えられる
 ○消えない今日
  ★朝比奈まふゆ(歌唱者)視点で考える場合
   →消えない今日=偽りの自分として過ごす一日
  ★暁山瑞希視点で考える場合
   →消えない今日=秘密を隠したまま過ごす一日
◆今夜、今日も この夜に
沈んでしまっても きっと

○この夜=ニーゴとしての活動時間のこと。
沈んでしまってもきっと
 →活動に夢中になってしまっても。

◆街の陰を照らす明かりが 昨日と違って柔らかく見えたから
○街の陰を照らす明かり
 →瑞希の存在を受け入れてくれるニーゴの存在
○昨日と違って柔らかく見えたから
 →昔よりも、ニーゴとして過ごす時間がだんだんと心地よいものに変わっていく様子

◆目を閉じるよ 眠りにつくよ
 →目を閉じて眠りにつく事さえ出来てしまうほどに、瑞希にとってニーゴは居心地の良い場所である。

◆君の夜をくれ
 ○君の夜=25時、ナイトコードで。として作業する時間のこと。
 ○くれ=瑞希の強い願望。
 「欲しい」ではなく「くれ」と強い言葉をあえて用いることで、瑞希がニーゴの皆と一緒に過ごしていたいという強い想いを表しているか。

歌詞以外の点から考えられる事について

1.巡音ルカの存在
 「在り方を壊す」役割を果たしていたルカが、今回は壊そうとするのではなく包み込むような歌唱をしている事が非常に印象的である。

2.MVの背景について
 特に背景の窓について。
 サビ前までは全員が各々の後ろに配置された窓の前で歌唱しているが、サビに近付くにつれて中央に寄っていく。
 ◎窓=各々がこもってしまった殻/もうダメだ、消えたいと一人で抱え込む様子の暗喩
  →中央に寄って行く動作=「もうダメだ」と抱え込まずに皆で皆を救い合おうとするニーゴの象徴

3.MV終盤の瑞希の動き方
 「アイディスマイル」では自ら離れていくような動作が見られていたが、今回のMVでは、自分からメンバー達に近付いていくような動きが見られる。ニーゴとしての居心地の良さ、またニーゴとして共に活動していたいという気持ちは本心のようだ。

4.エンジェルナンバーとの関連性
 前回「バグ」考察の際に用いた「エンジェルナンバー」を今回も登場させて考えてみる。
 ★エンジェルナンバーとは:何度も同じ数字の列を見るような気がしてしまう。それがエンジェルナンバーと呼ばれている。繰り返し見かける数字は、天使からのメッセージであるとされ、そこには意味が込められているのだとか。筆者はよくわからない

 前回、ノーツの数字を挙げて話を進めていたため、今回も同様に考えていくものとする。

 ●MASTER難易度のノーツ数:662
 ●EXPERT難易度のノーツ数:482

☆エンジェルナンバー「662」
 ・物質面で必要なものは全て齎されている。天に導かれたアイデアを具体的な行動に移してください。
 ・全てうまくいくと信じましょう

 ▲物質面で必要なものは全て齎されている
  →自分を表現するための物理的な手段を瑞希は手にしている。
   =可愛い服やアクセサリー、カワイイ自分を追求するためのコスメ等
 ▲天に導かれたアイデアを具体的な行動へ・・・
  →天に導かれたアイデア=背中を押してくれる誰か
  →具体的な行動=瑞希自身のアクションを指す
 ▲全てうまくいくと信じましょう
  =過去のトラウマが原因で、絵名たちを信じ切れていない心がどこかにある事から、自分の秘密を告白できずにいる瑞希に対するメッセージ。
   →ニーゴの皆は大丈夫だと強く信じる心を持とうという言葉の暗示  

☆エンジェルナンバー「482」
 ・豊かさについて天使から受け取るメッセージを信じ続けてください。この導きがあなたの必要とするものをすべてもたらす助けとなります。
 ・天使が、あらゆる方法であなたを支援してくれていると信じてください。なぜなら、彼らは本当にそうしているのです。

 ▲豊かさ
  =瑞希が本当の自分であり続けること。
 ▲天使から受け取るメッセージ
  =類をはじめとする、本当の瑞希を知ったうえで接してくれる者達、または陰から瑞希を見守り支えるセカイのバーチャルシンガーたちの言葉。
 ▲必要とするものを全てもたらす助け
  
=瑞希が瑞希であり続けるための助けになるという事。
 ▲あらゆる方法であなたを支援
  =過去のストーリーを参照すれば分かる通り、絵名がピクニックに誘い出したり、文化祭の時に類や杏をはじめとする皆が瑞希を誘うなど、瑞希の悩みについて真剣に考えてくれたり、輪の中に呼んでくれたりする事。

 エンジェルナンバーから考えられる事は以上の通りです。
 瑞希に対して、周りにいる友を心の底から本気で信じ、「彼ら・彼女らなら大丈夫だ」と過去のトラウマを払拭出来るように導こうとしているようにも思えます。
 実際、「君の夜をくれ」は、瑞希が「ニーゴの皆とずっと一緒にいたい」という気持ちが溢れんばかりに伝わってきます。瑞希自身の「自分を受け入れてくれる友達」を求めている姿が、此処にも表れているかのようですね。

さいごに

 今回のイベントストーリーでは、瑞希と絵名のニーゴ加入談が行われました。ストーリーの齟齬等で一悶着あったものの、ストーリー自体のクオリティは非常に高いものであったと思います。私自身号泣しました
 「へんなの」マンが登場するのでは?と予想されていましたが、今回もそれはお預けのようです。もしかしたら最後まで出てこないかもしれませんね。
 そして、瑞希の想い等を込めて書き下ろされた楽曲「君の夜をくれ」もまた素晴らしく優しい楽曲でした。本当にありがとうございます。譜面もっと優しくしてください

 それでは、また次回のバナーイベントでお会いしましょう。もっと考察のスキルを上げたいです。

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