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百年祝祭 - Peace Parade ~天才シグマ ウイバナ考

1月も終わり、明日から春だというのに、実はまだ今年になってウイバナさんの現場に行っていない。
青春生活ツアーも大阪、名古屋とすすみ、昨日の名古屋では新曲「STAY WITH ME」が披露されたところではありますが、周回遅れで百年祝祭についてまたつらつらと。

あくまでド素人の個人的感想です。

ピースシリーズ最新作、超大作「ピースサイン」のあと、一体どうやって続けられるのだろう?と思っていたら、あまり気張らずに自然体で作られていました。
マイナーチューン(Dm?)、III度で終わる、かき回すだけかき回して"to be continued…"といった曲のようです。

とはいえ、歌詞には悩まされました。なんと唄っているのか?聞き返したので私の昨年のヘビーローテーションナンバーワンになりました。それを見透かして楽しむかのように、しばら—————————————————————く(この長さを感じ取ってほしい)歌詞は公開されず、1119やっとその全貌があきらかになりました。

最大の難関は

なんて呑気な論理で Lonely Good-bye

「論理」という言葉は、「あー」となりました。普通、歌詞には使いません。でも、實川さんなら使いそう。それもさることながら、
ファソラ、ファソラ、ファソラーファソファ、で、音符3つに対して
Nan-te Non-(ki)-na Ron-(ri)-de Lone-ly Good bye
と、2モーラに近く唄われているのが聞き取りを難しくしています。

聞き取れないもどかしさを抱えつつも、ここに焦点が集まるのも、シグマさんの歌い回しの妙でしょう。
いつもはどストレートの高音を聞かせてくれるシグマさんですが、この小技はすごい。鼻母音、鼻腔音の連続で回転するような節回しを聞かせてくれています。サキマル節はおもに口腔と咽頭の共鳴を振るわせてていますが、シグマさんはそれを鼻でやってのける。この「なに唄ってるかわかんない」、鼻腔共鳴、それでいて快感、というと思い出されるのはサザンオールスターズの桑田佳祐です。これができちゃってるのですから、シグマさんはすごいな、と、つくづく感じます。恐れ入りましたとひれ伏すしかありません。

シグマさんって天才だよな〜と思います。
まったく歌や音楽を生育期にやっていなかったのにこんなに歌える。
特典会で
「今日はちょっと喉の調子よくなかったんだよね」
と言われても「どこが…?😅」と、たじろぐしかない。凡人の私にはわからない次元にいつもいるようです。
一方で「天才の孤独」も一入のよう。ウイバナさんのメンバー、スタッフさんに恵まれてなによりです。

で、歌詞に戻りますと、

(1サビ)起こるすべて意味があるなら
終わらないパレード魅せて
(2サビ)神がサイコロを振るなら
終わらない パレード魅せて

インテリジェンスの高さが際立つ實川さんの歌詞。はじめは因果律に拘束される「ラプラスの悪魔」の世界、それとアインシュタインが量子力学を認められず例えた「神がサイコロを振る」という因果律の成立しない世界を対比させています。

I (once) had a dream, but not come true.

これはちょっとショッキング。" I have a dream"ではなく"had"。過去形、つまり実現しないまま夢を失った、ということになります。恋しい人と逢えた夢?とも考えられなくもないですが、"once"があるということはやはりdreamは自己実現したかったなにか、と思われます。Peace (on) Paradeとはdreamを追い求め続けている姿なのかもしれません。
最近實川さんがおっしゃったと伝えられている、「初花」はそういう自己実現の夢と、恋愛を両方意味しているということを考えると、冒頭の恋しい(?)人に逢う夢と、自己実現のdreamをオーバーラップさせているのかもしれません。

神様が産み落とした

言葉を生もう
絵を描いて生もう
うたを唄って生もう

またもや用字の問題。難しいです。神様が「産む」で、人間は「生む」というという法則は見つかりますが、答えのような気がしません。
ちょっと意外だったのは「絵を描いて生もう」。「言葉」は作詞、「うた」はそのものですが、ステージを考えれば当然次は「踊る」になるはず。ところが「絵」。マクマキさんの活躍もfeatureしたのか?それとも芸術を意味するところで代表的な文学、美術、音楽を並べたのか。
とはいえ、これはCメロの

夢を描いて

の伏線になっています。そのためだけだったのか?難しいところです。

賢いあなたは可愛くなんてないから

もしこれが「頭がいい女はかわいげがなくよくない」という昭和の価値観丸出しの言葉だとするとジェンダー的に大問題ですが、そうではなさそう。理屈を言ってないでパレードに没入して、ということかと。

もう優しいだけでは叶わない

悲痛ですね。善良さは美徳だが、成功を約束するものではない。

自由なら窮屈だ

このパラドックスは本当に実感します。善良さ、正しさが成功の羅針盤にならないからといって、奔放や自暴自棄になるとどんどん心が追い込まれてしまう。叫びのようなCメロ。

続く3サビでひとつの境地に達します。

夢をまたいで
また Good-days
まだ 笑えてたらいいな

そう、夢をまたいじゃう、超えちゃった後、どんな日々、笑える日々なのかと思いを馳せています。

なんて気楽な支度 で Real Good-days

新たな高難易度の聞き取り歌詞をユラァさんが唄います。留学経験のためか「気楽」が[kilǽk]になっててカッコイイです。

神様と我慢比べなら
まだここで粘らせて

続く" I had a dream…"はやっぱり過去形ですが、ここではまだ夢を追い続けるという意志を示しています。

と、今回もわからないことが多いままでしたが、最大なのはタイトルです。
当初、この曲は"Peace Parade"というタイトルだったと思います。それがいつのまにか「百年祝祭」となり、"Peace Parade"はサブタイトルになっていました。
なぜ?
歌詞の中には「百年」を示唆する部分はありません。
百年前、1924年、なにがあったのでしょう。
昭和天皇の結婚、パリオリンピック、どれもあまり関係なさそうです。
「人生百年」という言われている昨今、一生夢を追い続けるということなのか?と、おぼろげに考えているところです。

注:私はこの曲の構成を 1サビーAメロー2サビーCメロー3サビー4サビとして書いております。

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