アミューズイキリキッズが初海外キャッシュを時速-26BBで800BB負けるまでの記録



はじめに

 タイトルの通り、アミューズプレイヤーの僕が海外初挑戦でマニラに行き、2024年8月2日から8月8日の短期間で-26BB/時間というとてつもない速度で800BB負けて泣いて帰ってきた情けない話、またどうすれば良かったのかというnoteになります。
 今後海外に挑戦する方や、アミューズでプレイされている方に向けて参考になればと思い今回執筆させていただきました。
僕の屍を踏み越えてみなさんは時給10BBを目指してください。
二度とこんな哀れな男を生み出さないでください。

自己紹介

 2022年7月にアミューズで初めてポーカーをデビューし、そこから二年ほど自分なりに座学しながらプレイを続けています。
 正確には2年座学し続けている訳ではなく、ある時はコーチングを依頼した時もあり、熱心に本の内容をまとめたりFlopの均衡戦略をゴリ押しで覚えようとしていた時期もありますが、やる気がないときは何にもしない時期もあり、実質座学に取り組んでいるのは一年ほどです。

 マイクロ(GG ~25nl R&C)ではある程度ハンド数をこなした上でレーキ考慮後5BB+/100handは出ていたため、アミューズプレイヤーの中では比較的上位層にいるとは考えています。陰キャどももっと表に出てこいや
 しかしアミューズでは座学しているプレイヤーの少なさから、GTO解について議論できるような友達も少なく、だからといって専業や深い均衡理解があるプレイヤーとも仲良くできる実力もない板挟みにある状態にあり、ハッキリ言えばポーカーに飽きていた時期でした。

 完全に余談ですが、筆者は昔から超万能器用貧乏型飽き性人間で、いろんなゲームやってきてちょっとやれば上位1-2割くらいには入っていました。
何やってもセンス◯です。パワプロなら最強でした。しかし、飽き性ゆえモチベーションも上がらず、継続する事がありませんでした。
 ポーカーもたいして強くないのにも関わらず飽きていた状況です。
この自分のどうしようもない飽き性な人間性をコンプレックスに抱えており、何か一つくらい人に自慢できるようなものが欲しいと思っていました。

マニラへのキッカケ

 地元のアミューズに通う中でなんだかんだポーカーフレンズも増え、一年ほど仲良くポーカーを打っていた友達でマニラに行かない?という話になり断りきれず満面の笑みで参加することになりました。
 ポーカーに飽きていた所だったので、良い刺激になると参加を決めてからはモチベーションもそれなりに回復し、そこそこ座学にも取り組み直しました。

 ポーカーをできるだけプレイするためにもできれば日記のようなものもつけて取り組んでいたりしました。えらいぞ俺。

 この時自分は以下のように考えていました。
ぼく「いろいろ調べたけど、さすがに現地人のプレイを聞く限り期待値ベースではあまり負ける事はないんじゃないかな。
現地人からいくらむしれるか頑張るゲームなんじゃないの?
もちろん全然負けれるとは思うけど、まあ現金50万持ってけばいっか!」

 間違った事は言ってないとは思いますし、帰ってきた今でもそう思います。あいつら弱いっす。間違いないっす。

が、今思えばあまりに楽観的だったと思います。

 この時の自分はポーカーというゲームは知っていても、マネーゲームという側面性についてしっかりと理解出来ていませんでした。

稼働内容と結果について

 主にオカダマニラとリゾートワールドで25/50,50/100を打ちました。日本円にして約70円/140円と140円/280円です。
 稼働時間は総合計で30時間であり、推定ハンド数としては20hand/hと仮定すると600handほどプレイしていることになります。
結果としては驚愕の-800BBでフィニッシュ。時給としては-26BBで、全ハンドリンプフォールドしてた方がマシとかいうとんでもない時給を叩き出しています。


 正直この時点で結果だけで言えば分散の範疇ですし、実際にどんなプレイヤーでも一部分の収支を切り抜いた場合、短期間でこのくらい負ける事はザラにあるレベルかなと思います。

実際のプレイライン

 全体的な反省として振り返る前に、実際のプレイしたハンドを2点紹介します。

その1.リゾートワールド50/100

時点収支:-500BBほど 
気持ち:いつになったら上ブレんすかね?イライライライラ💢
もう今日もメンタル良くないしラスハンにして帰ろう

eff 90BB 9max
Villian:かなり固いが、トップヒットはマルチウェイでトリプルバレル打たれても降りれないコーラー
レイズは未確認 推定ネバーブラフ

Hero:UTG(TT)  4BBOpen
HJc
Flop (9.5BB) K96r
xx
Turn T(flash draw付き)
UTG bet6BB/c, HJ r18BB
River2 noflash (45.5BB)
UTG x/rAI60BBくらい, HJ Bet21BB/c

Villian QJo ナッツストレート

思考について
プリフロ:
ラストハンドでUTG TTて…いやまあ開けるけどさあ…
え、4BBOpenなのにヘッズになるん?w
いつもなら5wayくらいやけどこれならワンチャンあるでwww

フロップ:
何が面白いんすかこのゲーム?ほんまに
一応均衡ならOOPでも広く打てるボードの一つだけど、チェックした際にIPが3eサイズでポラーにいじめて来れるわけがないし、
相手ブラフないしどうせSDVのあるミドルポケット〜Ahiの準weakレンジはいじめられないからチェックでいいや〜
ターンからシンバリューでええわもうしょーもないゲームやわ
まあチェックですね

UTGxにBTN(HJ)のBMCBレンジ こんないじめてくるわけないからチェックでいいと推定しました


ターン:
ついに俺の時代か〜あざす〜 ヒットドローが無限にいるんで鉄打ちっす
え?
チェックレイズはアカンかもなあ…
とはいえこいつなら99,66はフロップハメコール入っててもおかしくないし2Pもブロックしてるとはいえまああるし、仮にQJ持たれてても重なったら全弾確定やしさすコッ❗️

リバー:
まあ重なんなかったけどリバー相手のベット額でレンジキャップしてそうなら均衡は怪しいけど多分AI返せるハンドやなあ 
リバー高いサイズにはブラフないし降りるか…また下ブレやんけ

え?IPから50%弱Betはさすがにキャップ確定じゃない?ハラキリドライブ❗️❗️ピロピロピロ❗️❗️❗️うおおおおおお❗️
QJと87ほぼ抜けてるだろうしこのサイズは2Pと下セット相当濃いしそれまでのプレイ見てたらベットレンジはほぼ全部オールインにもコッ❗️だろうしTTはリバーJamの下限に入るっしょ❗️
いっけぇ〜🌈人生オールイ〜…
Villianおじ「コッ❗️❗️❗️❗️❗️」

おじナッツ

ギャグやってんじゃねえんだぞ


隣に座ってた日本人友達「やりすぎです」

この時人間(ワイ)は思い出した
コイツらはナッツでコールしてほしい時も安ベットを使うんだと
バリュー取りに行っただけなんよ…許してよ

※このプレイ自体は今でもそんなにひどいプレイではないと思っています。
むしろこの環境下と当時のメンタルから考えれば良いプレイだったとさえ思います。

その2.リゾートワールド50/100

時点収支:-700BBほど 上記ハンドの次の日 ぼく去勢済
気持ち:もう座りたくねえ…帰りてえ…やめたい…  
俺は弱いんや…また負けるで…

Hero:LJ
Villian:UTG
Axo系のLimp確認済
ポストフロップのxrは未確認
ポストフロップのベットは強さに素直かも?

UTGLimp,+1 r3BB,LJ(AxKh) r10BB
UTG,+1c
Flop Ah6h6d (31.5BB)
xx,LJBet11BB UTGc,+1fold
Turn 8s(53.5BB) ヘッズアップ
xx
River 5d
UTG bet 13BB
LJ c

UTG AJo

 ちょうど上記のハンドのように、かなり強いハンド持っていたとしても絶対に上がいる負け方が大量にあって、常に上が出てくるから均衡を忘れてビビってバリュー取ることができなくなったイモムシの記録です。
 分岐の話すんならターンもベットかリバーAIのどっちがいいのってだけなんで。普通はこうならんす。僕もタコプレイなのは分かってるんです。でも一生上が出てきて負けすぎて怖くてベットとレイズが出来ないんです。

 当たり前なんですが均衡(3BPと仮定する)なら鉄レイズorターンもベットでした。

これ以上は同じようなスポットが多発していると感じたため省略します。

敗因と自分の改善点について

 まず、当たり前なんですが時給-26BBは普通にあまりにも下ブレました。
大きくアイソレートしてヘッズアップにしてもあまりにも絡まずバリューベットはもちろんブラフすら満足に打てず、たまに来るギリギリダブルバレル打てるハンドはリバーでドローがコンプリートし、ネバブラおじさんからドデカドンクベットされフォールド。
 3BPではターンでバリューでAIしたAKがKJにトップ2ペア作られていて-200BB
フラドロは一週間いて2回しか引けず相手がおらず、リバーでナッツ級は一週間で1回しか作れず相手も当然いない。
 とにかくハンドが弱かったです。本当にバリュー打てることが少なすぎたのでプラることはほぼありえないレベルの下ブレだったと思います。

では800BBも負けるほどの下ブレだったのか?

 これに関しては断じてNoだったと思います。
上記のような(一個目はしょうがないとしても)バリューの取り逃がしは相当あったと思いますし、紹介はしていませんがもっとブラフが成功できたスポットもあったと感じています。
 メンタル面での問題が非常に見受けられるセッションばかりだったと思います。

 自分なりにプレイ内容を振り返り、結果的には400-500BB程の損失は抑えられたのではないかと考えています。
専業プレイヤーならばもしかするとプラマイで済ませる事はできたかもしれません。そう考えると恐ろしく自分の実力の無さに落胆しました。

敗因について

敗因は大きく
①メンタルブレイク
②ポーカーの実力
この二つに大別でき、それぞれについて振り返っていきたいと思います。

敗因その① メンタルブレイク

 情けないんですが、敗因の8割はこれです。メンタルとひとことに表しても、細分化するといくつかの要素がありました。
1.マネープレッシャー
2.負けセッションへの耐性の無さ
3.打ち続けてしまう弱さ

1.マネープレッシャー
 普段はアミューズでプレイしており、仮にアミューズでどんだけ負けようが一日当たり2万円も使うことすらありません。(昨今流行りのコインリング等を除けば)
そのため、金銭のやり取りをする実感が普段のポーカーではほとんど無く、リスクを感じること無くゲームに集中できました。

 しかしいざマニラで50-100のレートに座ってみるとどうでしょうか。
今まで無価値と等しかった感覚のチップには金銭の感覚が生まれてしまい、150BBinしてみるともはや約4万円というバカにならない金額でしかも一撃で全部無くなってしまう可能性のあるものです。
 もちろんたかが4万円なんかどうでも良く思える人もいると思いますが、今までタダレベルの感覚のチップに対して急に金銭の感覚を覚えてしまい、FlopのCBetにコールされるだけでも冷や汗が止まりませんでした。
 そして当然マネープレッシャーにより消極的なプレイになっていったのは言うまでもありません。さらには自分ではどうするべきなのかは分かっていても、適正額のチップを持って前に出すという事が恐ろしく思えました。
 最終的には絶対にオーバーベットを使うべきシチュエーションと分かっていても怖くて50%サイズのベットを使って当然裏目に出ていた、なんてことが多かったと思います。

 筆者は一時期パチスロにハマっていた頃があり(今でもエウレカARTとかたまに打ちに行きます。)、今回のマネープレッシャーはパチスロを打ち始めた頃の感覚に非常に似ているなと感じました。
 それこそサンドに1万円入れる抵抗感は最初はもう恐ろしいもので、3万円目なんか入れようものならもう勘弁してくれと願って震えていました。
 しかし慣れてくれば5万円目くらいまでは平気で入れますし、一日での最高負け額は8万円くらいだと思います。
自分がやっているパチスロ基準でよくよく考えれば、今回の遠征で負けた額なんか30万円くらいなんで大したことないんです。
でも身体がついていきませんでした。

 マネープレッシャーを受ける人にとってこの問題は慣れるまでは上手く行かず、苦しみ続けるのは間違いないと思います。
長期間の滞在であれば慣れて解消される問題ではあると思いますが、自分にとって1週間はこの問題を解決するには短すぎました。
最終日くらいには50-100のマネープレッシャーはある程度解消していたとは思いますが、その頃には負けすぎていてマネープレッシャー以前のメンタルブレイクになってましたから。

 これから挑戦される方でこういったマネープレッシャーを受けることに自信がない方は、普段プレイされているアミューズ等で100BBを現地のレートと意識してプレイしてみる、または現地では25-50(最低レート)から始めてみるなど、マネープレッシャーのストレスに対する対策から始めてみるのは良いかもしれません。

2.負けセッションへの耐性の無さ

 皆さんはアミューズ等でリングゲームをプレイされる際、200BBや300BB負けていてもリバイや引き出し等のサービスを利用して打ち続けることはありますか?自分はありません
 何故なら200BBほどマイナスになった際は基本的に飛んでいますし、リバイするやる気もそこまでない事が多いからです。
そのため、300BBほど負けている状態でのセッションを続行するという経験が不足しており、当然前述したマネープレッシャーを受けている状態で負けセッションをプレイしている時点で自分にとっては過剰なストレスでした。

また、負けセッションへの耐性といってもそもそも負けパターンが
①単純に不可避なものによるマイナス
→KK<AA,KK<AA PFAIやフルオーバーフル等
②きわどくプレイしたものの下に触れてしまったものによるマイナス
→均衡解でバリューオールインする下限程度のハンドが負けている等
③単純に自分のミスプレイによるマイナス

 上記のように、おおまかに細分化できると思います。
自分は主に①と②の混合による初期の下振れから、③も重なっていくことになりました。

 ここに関しては各個人の我慢強さというポイントに依存すると考えていますが、自分は我慢強い人間ではありませんでした。むしろ我慢弱いタイプなため、ポーカーを続けていく上で克服すべき致命的な弱点だと思っています。

3.打ち続けてしまう弱さ

 滞在後半に差し掛かり、600BBほど負けている時にはすっかりメンタルから何まで負け犬状態となり、ポーカーテーブルに座るのも嫌になっていました。

こんなこと思ってたりとか

 これに関しては今見ても無残な状態だった思います。
QQ持ってて相手がプリフロ降りてくれて嬉しいなんか本当に人生で初めて思いました。
今考えても絶対にポーカーを打つべきメンタルではないと断言できます。

こうなった理由はいくつかありますが、
①下ブレても稼働するしかないと考えていたこと
②同行者の誘いが断れなかったこと
③落ち着いてハンドレビューをしなかったこと

の3点だと思います。

①下ブレても稼働するしかないと考えていたこと
 よく専業プレイヤーはこういった発言をされる方が多いと思います。
下ブレていても稼働はすべき、稼働時間が全てだと。
確かに期待値を積めるプレイヤーであれば間違いないと思います。
期待値×稼働時間=期待収支
ですし、そりゃ座れるだけ座った方が良いのは間違いありません。

 渋谷にあるアミューズメントポーカー施設である、MUSASHI POKER ROOMさんのインターン企画(成績上位者をラスベガスに招待しステーキングしてキャッシュゲームを打たせるという内容)で、コーチであるsouzirouさんも以下の動画では、インターン生に対して
「倒れるまで打つ」
と仰っていました。
もちろん自分も以前に視聴済でこの発言を鮮明に覚えているからこそ、いったんはテーブルに座ろうとずっと考えていました。

 が、自分にとってはマイナスでしかありませんでした。
というのも、このsouzirouさんの発言を自分は曲解してしまっていたと思います。
倒れるまで打つ というのは文字通り体の限界まで打つという事ではなく、
倒れるまで(自分で試行錯誤して考え抜いて最大時給を取りに行って)打つ
という話を、ただ座っていればいいもんだと誤解していた自分がいました。

 非常に愚かな話だと思います。
帰りたいと思いながら座ってるだけで偉いなんてことはあるわけがありません。勝つためにがむしゃらに座って初めて偉いやつなんです。
こんなことも分かっていない奴は直ぐに退席して一日リフレッシュして新しく取り組むべきでした。

②同行者の誘いが断れなかったこと
 
これに関しては同行者を悪く言う気は全くありません。
自分が負けすぎてどうしようもなくなった結果リフレッシュするためKTV等の飲み会にも同行してくれたり、本当にいろいろ気を遣ってくれていたと思います。感謝してもしきれないくらいです。

 しかし、明日は絶対稼働すべきではない状態と分かっていてもいざ翌日になるとみんなが行くなら自分も行くか、と安易に考えを曲げてしまい前日と何も変わらない負けパターンを繰り返していました。
1週間しか居ないので座った方がいいだろうと思うのは多分当たり前なんですが、あんなメンタルで座るくらいなら1日くらいポーカーから離れても良かったな、と本当に思います。
結局誘われたら断れない、周りが〇〇するから自分もする、などの自分の意思の弱さはポーカーの収支にも間違いなく繋がっていると感じました。

③落ち着いてハンドレビューをしなかったこと
 
 前述した①と②はメンタルのリセットのために休むべきだったと感じていますが、一回落ち着いてハンドレビューのみの時間をとるべきだったと痛感しています。
具体的なポーカーについての反省点については後述しますが、Limpへのアイソレートのサイズはあれで正しかったのか、FlopのCBetは打つべきだったのか、また平均的なプレイヤーに対しては均衡よりどのようにプレイを変更するのが良いのか…
など振り返れることはたくさんありました。
しかしそのようなハンドレビュー単体の時間はほとんどとらず(相談等はしていたが、短絡的な思考で止まっていたと思います)、そのまま次の稼働へと繋がっていくこと自体が良くなかったと実感しています。

 この遠征自体はあくまで友達と仲良くフィリピンへ旅行し、あわよくば勝って旅費をチャラにできたらいいよね、という話なのであればそれも良かったでしょう。
しかしいざ稼働してみると勝ちに執着しているのか、旅を楽しむために来たのか、はたまたバカラやルーレット等のサイドギャンブルをやりに来たのか…
全く自分でも何しに来たのかわからない状態に陥ってました。

 つまり、この旅での具体的な目標を設定していなかった事も敗因の一つだと感じました。
あくまでカジノ行ってチョロっと遊んで旅費合わせて50万使いました、なんて至極当たり前にある事です。全くおかしいことではありません。
しかしこんな記事を書いている時点でポーカーで勝ちたかったはずなんです。
勝ちたいからにはやるべき事はたくさんありました。
それを怠った上での稼働なので負けて然るべきだったと感じています。

敗因その② ポーカーの実力

 今回の遠征ではポーカーの実力もかなり足りていなかったと思います。
正確にはプリフロップの応用ですね。

 通常のGTO Wizardでのレンジを利用したFlopのCBet戦略等に関しては、そこそこ打てるとは思っていますが、それはあくまでGTO Wizardの提示する2~2.5BBOpenした際のヘッズアップでのCBet戦略です。

 では、実際に現地で2.5BBOpenをした際には相手のレンジはGTOと同じでしょうか?
そもそも2.5xOpenでヘッズアップになるのでしょうか?
そもそも自分までフォールドで回ってきてオリジナルレイザーになることはあるんでしょうか?
オリジナルレイザーへ適正額の3Betをしたらヘッズアップになるんでしょうか?

答えはNoです。
2.5xOpenなんて現地人からすればリンプみたいなもんです。
そりゃあポジションも関係なくA一枚や、QとTくらいのカードが二枚あれば余裕のコールです。3Betにも3人くらい平気で横コールします。
果たしてこの環境で2.5xOpenするのが正しいのでしょうか?
正しいわけがありません。5BBオープン、ないし7BBや10BBまで使えるでしょう。

ではこの5BBオープン、どんなレンジでやればいいんでしょうか?
先ほどのハンド紹介での9Max UTG TT、4BBOpenしてましたがどうだったんでしょうか?

あれ…?EV0…?マジっすか…?

なんとEV0、フォールドとレイズの混合です。
相手がガッバガバレンジでコールしてくれるならもちろんEVは向上すると思いますが、あくまでGTOWizardのソリューション上ではEVは0で、プレイしなくても良いレベルのハンドです。

 これを分かっていてプレイしているのと、分かっていないでプレイすることは全く意味が違ってきます。
TTはFoldとOpenのEVが0であり、indifferentである事を理解した上で、後ろのプレイヤーのレンジが全員ガッバガバ、ポストフロップもガバガバならEVはプラスになり純粋戦略としてオープンしても良いでしょう。
 しかし当時の自分は、さ~すがにTTは入っていいでしょうとざっくり考えていました。当然EVは0ですのでこの時点で損失は無いはずですが、こういったプリフロップでのハンドのEVの誤認は本当に多かったように思います。

たとえば9max LJが4BBOpenし、HJとBTNがコールドコールした際のSBのレンジはどうでしょう?
KQsはスクイーズ3Betすべきでしょうか?QQは?JJは?AQoは?
今度は77や56s、A5sのようなマルチウェイも使えそうなハンドが来たらコールはどうでしょうか?

SBのvs4BBのスクイーズ3Betレンジです

 みなさんが思ったより硬いんじゃないですか?そのうえコールは0です。
もちろん、相手がこのソリューション通りにプレイしているわけではなく、もっと広くプレイしていると判断した際はSBからのスクイーズはJJやTTはピュアに回しても良いかもしれません。
 しかしコールは0であり、先ほど挙げた77や56s、A5sのようなハンドをコールするには相当の理由がなければEVはプラスどころか0にすら届かない可能性が高いと思われます。
 こういった基礎の部分を抑えず感覚でプレイした場合、もし悪い方にズレていた場合に知らない間にEVを垂れ流している事は多いと今では感じています。

 そうしてプリフロップの気づかないミスから、無理に広いレンジでポストフロップをマルチウェイで戦うことにより最終的に細かく負けていたのではないかな、とも反省できるセッションではありました。

こういった普段のポーカーでは全く使わない4BBOpenやもっと大きいサイズのソリューションをあらかじめ勉強しておくべきでした。

僕が伝えたいこと

 アミューズでプレイしている際はあまり収支を気にしたことはありません。何故ならお店でのチップは基本的に金銭的な価値を持たず、プラスになっていても次にお店に行けば引き出し料やドリンクでの支払いがあるため爆勝ちしてもそこまで意味が無く、またポーカーを打つ同卓者との会話を楽しむのもアミューズの楽しみ方であると考えているからです。
 昨今コインリングや負けた分を支払うアミューズが増えているので、一概にこのように考える人はいないでしょうが、ひとたび海外でポーカーを打てばそれは命(金)のやり取りなわけです。
 そこをアミューズ感覚でプレイしていれば当然痛い目を見る人間はいるわけで、自分がそこにたまたま当てはまってしまっただけという話だと思います。

 そのため、もし海外に挑戦する予定のある方や専業チャレンジする方などがいたら自分の失敗談を上手く取り入れて挑戦してほしいなと考えています。DMでもリプライでもなんでも聞いてください。全部答えます。

 あ、あと一応なんですけど英語できると超楽しいと思います。
英語レクでしたが楽しめました。

これからの僕

 こうして初めての海外ポーカーは惨敗で終わってしまった僕ですが、ハッキリ言って今が一番楽しいです。ドMなんで。
というのも、ここまでコテンパンにされることはほとんどなかったことで、負けず嫌いの自分に火をつけるには十分すぎるほど強烈な体験でした。帰ってきてからの方が断然座学もプレイ数も増え、またいつか海外に挑戦したいと考えています。
 今回はタコ負けしましたが、次回はタコ勝ちしか見てません。いつか絶対ぶっとばすからなクソバリカタおじと専業風ネバブラ西洋人どもめ

僕からのお願い

 せっかくドM心に火が付いて熱心に座学やプレイを繰り返す日々が始まったのにも関わらず、僕には共に座学やハンドレビューする友達があまり多くいません。地元のポーカーフレンズが数人程度です。

 そのため、共に座学をしてくれるプレイヤーや、既にあるコミュニティに参加させてくれる方を募集させてください。
みじめなプレイヤーですが、僕なりにやる気はあって地道な座学をそこそこにしてきたつもりです。
この火が消えるまでにどれだけ実力を伸ばせるかが僕にとって大事な時期なんだと思います。もしそういったコミュニティを運営されている方や、座学友達が欲しいけどなかなか相談相手もいない、といった方は是非DMやリプライで連絡いただけると喜びます。


 最後になりますが、海外でポーカーを打つことをナメないでください。
駆け足にはなりましたが、これでひとまずこのnoteの締めとしたいと思います。ありがとうございました。

 


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