俺の奮闘記 vol.32(近況まとめ)
随分期間が空きました、ご無沙汰してますワタルです。
noteは放置してましたが大会にはかなり積極的に参加してます。平日TC周回中、デッキは懲りずにカナディアン・スレッショルド。懲りずも何も今年一年カナスレ回すって誓いを立てている訳ですが。年内はこのデッキを握りしめてたまま突っ走ってぶっ倒れて死ぬ予定です。
noteの更新をサボってたこの三ヶ月間、環境と心境の変化がありました。せっかくなので時系列と共に残しておこうと思います。いつもの戦績報告記事ではございませんのであしからず。
・禁止改訂
表現の反復と白羽山の冒険者がレガシーフォーマットで禁止されました。まさに青天の霹靂であり、深夜のタイムラインが蜂の巣をつついたような大騒ぎに。
URデルバーは目の上のタンコブでしたので、反復禁止はカナスレにとって追い風と言って差し支えないでしょう。よく「カナスレに反復入らないんですか?」みたいなことを聞かれましたが、入りません。というよりも、反復を強く使えないというのが実情です。カナスレはスタイフルを筆頭に搭載カウンターが多く、数あるデルバー系統の中でもかなり"構える"デッキです。2マナ使ってスペルピアスを引き込んでも強くない。ガンガン掘って墓地を溜めて何度もマークタイドを出すのが強いのであって、そのマークタイドはマングースと墓地を食い合うため簡単には採用できません。長々と書きましたが、要するに反復の禁止でトップメタの出力が落ちたことで、相対的にカナスレが強化されたのです。
・反復禁止直後の環境
少なくとも僕が通っている平日TCでは、目に見えてコンボが増えた印象です。顕著だったのはリアニメイト。前述の通りカナスレはカウンターの多い構えるデッキであり、対コンボ戦は大好物です。あまりにもコンボを踏むため勝率は僕史上トップクラスに良く、天国のような環境でした。みんなカナスレ握ればいいのにと半分冗談半分本気、とは言わないまでも8割冗談2割本気くらいで喧伝していたものです。
・RUGデルバーの出現
反復という翼を失ったURデルバーがその後、様々なアドソースを試しているのを傍目で見ていました。UR乗り達に話を聞いたりもしていましたが、皆さん一様に苦労していたように感じます。実際反復禁止前は段違いの継戦能力で長期戦に持ち込まれて裸足で敗走し続けていたカナスレですが、反復禁止後はテンポの土俵で殴り合いが出来る程度にはなっていたのです。相性は大幅に改善されていました。そんな中で突如出現したのがURタッチタルモ、すなわちRUGデルバーです。
デルバー、チャネラー、マークタイドに加えてのタルモゴイフ。線が太くて非常に良いデッキだと思います。僕が「今年はカナスレを回す」なんて誓いを立てていなければこのデッキを喜んで握ったことでしょう。
RUGデルバーの出現はカナスレ、というより僕にとって非常に大きな意味を持つものでした。同じティムールカラーのテンポデッキ。RUGデルバー対カナディアン・スレッショルドの対戦は、いわばミラーマッチの範疇でしょう。
ミラーマッチと言ってしまえばそれまでですが、内情はそんなに生やさしいものではありませんでした。カナスレに無くてRUGデルバーにあるもの、すなわちチャネラーとマークタイドの有無の差が致命的だったのです。
チャネラーで一方的に手札の質を維持されたのではたまったものではありません。それはまぁ昔からなのですが、お互いにタルモを並べ合う展開が頻発する状況がまずいのです。
ティムールカラーの除去でタルモを落とせるのは実質的に邪悪な熱気のみ。タルモは盤面に居座りがちです。自身の性質上タルモではタルモを突破できないので、必然地上は睨み合いとなり航空戦力による殴り合いの様相を呈します。RUGデルバーの航空戦力はデルバー、チャネラー、マークタイド。要するにタルモ以外の全戦力です。対するこちらはデルバーのみ。えっ?なんか同じティムールカラーなのに戦力差ありすぎでは??お気づきでしょうか、この差は哀しいかな、敏捷なマングースの採用有無に起因しているのです。
対RUGデルバー戦においてマングースは戦力未満の存在でしょう。地上のタルモゴイフを突破できないからです。フライヤーによる空中戦が主戦場のはずなのに、タルモの横でもじもじしている。やったね!スレッショルド達成で3/3になったよ!だからなんだという話です。
カナスレなんていうデッキを使っているのですから、厳しいマッチは無限にあります。僕がカナスレを使い始めた6年前からそうでした。一番最初に当たった壁は死儀礼のシャーマンとギタクシア派の調査が現役だった頃のグリデルでしょう。死儀礼に睨まれてマングースは一生1/1のままで、4/5のタルモは5/5のアンコウの前でビタ止まり。当時細々と、しかし確かに存在していたカナスレ使い達は自由枠にタール火を突っ込んで環境に殴り込んでいたものです。
グリデルが辛かろうと、忍耐やウーロが辛かろうと、別段構わないのです。様々な難敵にカナスレで挑みかかれればそれでいい。しかし、今立ちはだかっているRUGデルバーはこれまでの難敵とは違いました。デッキが似過ぎているのです。マッチアップする度に、マングースの弱さをこれでもかというほど噛み締めさせられる。おまえの時代遅れのデッキで勝てる訳がないだろうと宣告されている気持ちになる。卑屈ですが、偽らざる本心です。
・モチベーションの低下と新たな挑戦
RUGデルバーが台頭し始めた頃、立て続けにマッチして心が折れかけました。違うデッキを握りゃええやろという話ですが、今年はカナスレしか握らないと宣言してしまった手前もあり、なんならレガシーやめたろかくらいまでモチベが低下していたのです。全く本末転倒であり、TCで「カナスレ回したくないけどカナスレしか回せないことになってるからレガシー引退するかも」なんて愚痴ってはこいつバカなんじゃないかみたいな顔をされたものです。
それでもMTG自体はドチャクソ面白い神ゲーなはずであり(というかそう思わなければやってられなかった)、構築を見直すことにしました。
僕はカナスレが好きです。なぜ好きかというと、構築が美しいから好きなのです。いわゆる昭和のカナスレが好き。デッキ全体の戦略がビシッと決まっており、その戦略がリスト全体で表現されている。「ワタルさんマングースほんと好きですよね」「なんでそんなマングースに思い入れがあるんですか」みたいなお言葉を頻繁に頂戴しますが、マングースが好きな訳でも思い入れがある訳でもないのです。マングースみたいなカードを戦略に組み込んで、有機的に機能しているリストが好きなだけです。
そんなリストに手を加える。これは僕としては断腸の思いでした。そもそも先人が遺したリストの完成度が高過ぎて、僕なんかが手を加えても改悪にしかならんだろうという思いもあります。それでもこのままでは本当にレガシーを続けられなくなるぞと奮起した次第でした。
・令和のカナスレへの挑戦
そもそもカナスレって何?って話です。この辺は諸説あるでしょうし、百人いたら百人なりのカナスレ観がありそうな気すらします。僕にとってのカナスレは58枚固定枠の"あの"構築がカナスレですが、これを改変しようというのですから自分なりにカナスレを再定義しなければなりません。構築に当たり以下のように自分ルールを設定してみました。
・RUGカラーのクロックパーミッションであること。
・敏捷なマングースがメインから4投されていること。
・マナ否定戦略を勝ち筋のひとつとしていること(すなわち不毛の大地・もみ消し・目くらましを各4投していること)
この定義であれば、少なくとも僕が思うカナスレの「乗り心地」は維持できると考えました。土地を攻めつつタイトなマナベースで仕掛けるクロックパーミッション。マングースはアーキ名に冠する"スレッショルド"要素として必須ですが、カウンターでバックアップする手間が無い軽量クロックとしてはまぁ、弱いは弱いですが、あってもいいでしょう。カナスレを名乗る以上仕方がないと自分の中で折り合いを付けています。
新構築で是非とも試したかったのはチャネラーです。手札の質を保ちつつ刻む3点クロック。サイドカードを掘り当てる手腕にも期待大です。また、マングースとのシナジーも見過ごせません。デルバー4枚と交代する形で採用しました。
さらにマークタイドを当然の投入。キャストすればマングースのスレッショルドは解除されてしまうでしょうが、チャネラーとバブルの墓地肥やしでバックアップしていきます。
・実戦投入
ちょこちょこいじり回してはいましたが、だいたいこんなリストで大会に通いました。結論、全然勝てませんでした。今後カナスレを握るプレイヤーもいるかもしれませんので(いるのか?)、少しでも情報を残しておきます。
【チャネラー】
カナスレにはマッチしませんでした。一番厳しいと感じたのは赤というカラーです。カナスレは青緑スレッショルドから派生したデッキという背景もあり、現行のRUGデルバー(赤青タッチ緑)とは違い青緑タッチ赤の構成を取っています。緑はクロックに使う色、赤は火力に使う色とマナの使い先が明確に決まっている訳ですが、トロピとボルカどちらからでもストレス無くキャストできるのがデルバーという青いクロックでした。チャネラーを出したターンはボルトを撃てない、あるいはパイロを構えられないといったケースが頻発し、デッキ全体のカラーリングを見直さなければチャネラーの運用は難しいと感じています。局所的な色事故の件は対戦中ストレスとして感じてはいましたが、TCのレガシーうまうまお兄さん達に話を聞いてようやく腹落ちしました。感謝です。
加えて、サイド後の墓地対策が致命的になります。カナスレは大抵の墓地対策はデルバーとタルモで乗り越えられますが、デルバーがチャネラーになっているとクロック8枚が沈黙することになるので(チャネラーマングース各4枚)非常に厳しいです。
【マークタイド】
こちらもマッチしませんでした。運用上チャネラーとセットになるかと思いますが、クロックの構成がチャネラー・タルモ・マングース・マークタイドでしたので、サイド後のパイロがマークタイドに集中してしまい全く盤面に定着しません。サイド後は相手のパイロを腐らせるためにマークタイドをサイドアウトするという始末です。意味が無い。
また、チャネラーがいたとしてもマングースとは喧嘩しがちで、かなりストレスを感じました。個人的な定義上マングースを外す択は存在しませんので、マークタイドは2枚→1枚→0枚と徐々に減っていきました。
【レンと次元壊し】
カナスレにとっては非常に珍しい、新しいおもちゃです。デッキコンセプトとは一見マッチしているように思えましたので、試してみました。
結論、採用は難しかったです。見る人が見れば「そらそう」となるでしょうが。
まず緑のダブシンが果てしなく重いです。チャネラー型で採用したのでなおさらですが、デルバー型でも厳しいでしょう。また、3/3速攻警戒呪禁が思ったよりも強くない。そもそも似たような方向性のマングースがいます。非緑のコントロール調デッキ等、マングースが強いマッチアップでは活躍しましたが、過剰戦力です。
いくつか書きましたが、全て僕の下手くそなりの肌感覚であり、参考程度に。
・現在
チャネラー型があまりに勝てないためデルバー型に戻し、デルバーに戻したら戻したで依然勝てず、八方塞がりで苦しんでいました。ダメ元でまたチャネラー型研究すっかぁと思いつつ、こんなに辛い状況が今年いっぱい続くことに思いを馳せて愕然とし、腹を括って先人に頼ることにしました。
MTGで勝ちたいんじゃなくてカナスレで勝てるようになりたいということを理解していただいた上で、諸先輩方に構築からプレイングから沢山話を聞くことができました。あったけぇよTC…!!
相談の上(というかほとんど全部考えてもらったようなものですが)、構築はデルバー型に落ち着きました。結局"僕の思う"カナスレに非常に近い形になって驚いています。アドバイスに従って採用した新戦力、軽微なつまづきは非常に軽妙で取り回しがいいです。当面はこのリストで修行しようと思います。
特にプレイング面が終わってる怪しいということで、鋭意矯正中です。無限にアドバイスを頂いていて感謝しかない、マジであざす。
相談に乗って貰って以降の戦績は以下の通り。
2-1
2-1
2-1
2-1
1-2
0-3
0-3
3-0
1-1ドロップ
通算13-13
RUGデルバー出現以降の戦績は酷いもので、0-3と1-2ばかりしていました。2-1できたら行幸で、3-0などただの一度もできなかったのですから、勝率5割はとても心の健康に良い。ここから精進していきます。
・カナスレ
現金なもので、カナスレ使いたくないからレガシーやめっかくらいに思ってたのにも関わらず、今はカナスレを握りしめて大会に出るのが楽しくて仕方ありません。レガシー、おもしれェーじゃんといった感じ。楽し過ぎて、うっかりフェッチランドをタルキール版からオンスロート版に買い替えてしまいました。
こんな生活をいつまで続けられるか分かりませんが、少なくとも今、こんなに楽しいのですから前のめりに楽しんでいこうと思ってます。これまでMTGで遊んできて、間違いなく今が一番楽しい。ダントツトップです。来年もカナスレを握ってTCに通っている未来もあるかもしれない。
サボっていたnoteの対戦記録も再開しようと思っています。カードゲームうさぎとかいう漫画に時間を取られがちですが、カードゲームエアプで漫画描くのもなんか違う気がするので、なんとか時間を作っていく所存。対戦よろしくお願いします。
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