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シナリオ制作の秘訣は「ショットガン戦法」ヨコオタロウのシナリオ制作秘話を読んで学んだ、シナリオに対する考え方

「自分で自分にダメ出しすることがゲーム制作の背骨」ヨコオタロウが“GFF AWARD 2023”でシナリオ制作の秘訣を語った

ドラッグオンドラグーンやニーアシリーズなどの名作を排出しているヨコオタロウのシナリオ制作の秘訣!

人間の感情をぐちゃぐちゃにするようなシナリオを作る人の話しは興味深くて、シナリオの書き方だけではなくて、考え方の部分でも「なるほどなぁ」と思わされるところが多々あった。

以下、記事より、個人的に刺さった箇所を引用。memoしておく。


「シナリオを書いた人がどんなにおもしろいシナリオを書いたという手ごたえがあっても、そのシナリオをおもしろいと思う人の確率は意外と低い」 「おもしろいシナリオは演出であったり、キャラクターであったり、複雑な要素がたくさん詰め合わせてできているが、見る側にとって好きじゃない要素が混ざっていると、そのシナリオはその人にとって急におもしろくなくなる」

シナリオ書くときの王道と邪道のバランスはどうなのかと問いかけると、ヨコオ氏は「その解決方法としては“両方入れる”」と即答した。王道を好きなプレイヤーが喜ぶ部分と、逆に邪道が好きなプレイヤーが喜ぶ部分の両方を入れることで「どっちかには当たるんじゃないか」ということだ。

さきほど話した猫の例で解説を始め、猫だけでは猫のファンにしか刺さらないため、
・小さい女の子が死んだらかわいそう
・おばあちゃんが虐待されたらかわいそう
といった“世の中のかわいそうコレクション”をたくさん入れると話す。これをヨコオ氏は“ショットガン戦法”と呼んでいるそうだ。

多くの要素をシナリオに入れることで、それがファンに当たるか外れるかはわからないものの、多くを“撃てば”それが当たる可能性が引き上がるということなのだとか。

「自分で自分にダメ出しすることが、ゲーム制作でいう背骨の部分。ひたすらダメ出しをする」

「シナリオが大切というよりは、プレイヤーがいろいろな体験をできることがゲームデザインの中で大事」と話す。その“体験”がゲームによってそれぞれ異なる

 トークショーの最後に、ヨコオ氏から未来のクリエイターに向けたメッセージが送られた。  

若手、学生に向けられたメッセージでは、「経験が浅いと裏打ちできるほどの引き出しが少ないため、間違えていること多くある」ということ。そして30代以上へは「これまで送ってきた人生を一生懸命肯定したいがために、自分が正しいと思い込んでいるだけだから、別に特段正しくないことを言っている」と語った。  

そしてヨコオ氏はこう結論をまとめた。
「誰のこともそんなに信じなくても大丈夫」と。


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