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変わるための方法
自分の気持ちを知るというのは、僕にとっては大事なことであり続けてきた。大学生の一時期、バイトのかけもちと授業とサークル活動で自転車操業のような数か月を送っていたことがあって、そこに人間関係のごたごたも加わって当時はとても辛かった。ただ寝るためだけに帰る部屋はどんどん荒れていき、楽しいはずの活動も義務的に身を置いているだけという感じになっていった。どれも自分のためにやっていることなのだから贅沢な悩みであるが、時間とお金、人間関係、体力、様々なものが次から次へと消費されていくと心が荒れるのだ。
その時、自分の中で大切にしたいものを選別し、順位をつけることに取り組んだ。サークルの責任は融通が聞くものは調整してもらい、バイトもひとつやめた。授業も、それから就活も、友人と相談する時間も持ち、目標をもって取り組むようにした。そうして心と行動を整理して、生活を引き締めた。すると主体的な生活が戻ってきて、自分の手で自分の人生を動かしている感覚が宿って来た。自分軸とか主体性と言われるものだが、これを取り戻すことが大切なのだ。
ということで、変わるための一つ目の方法は、自分で主体的に活動を取捨選択し優先順位をつけ、人生を自分で掴むということである。
ある種の気持ちは、このように自分に向き合うことで整理することができる。そして、ある種の気持ちは、それほど簡単には向き合えず、整理も出来ない場合がある。昨日書いた下の記事は、そのような自分では取り扱えない気持ちに向き合うために、上手な聞き手の助けを借りることが必要だという話しである。↓
これが変わるための二つ目の方法だ。人に聞いてもらうことで、自分が本当に感じていることを見つけ、それに従って手放すべきものや、大切にすべきものをアップデートする。
そしてもう一つ変わる方法があるなと気が付いた。それは、新しい環境、新しい人間関係、新しい仕事、家、町に飛び込んでみることである。そして、これまでの経験を何とか活かしながら、整理がついてないままにでも、「前とは違う方に進めるかな」と思う選択を積み重ねていくことだ。これが三つ目だ。これのいい点は、自分の主体性が取り返せなくても、自分の気持ちに正直に向き合えていなくても、強引に人生の主体性を取り戻し始められるというところだ。
一つ目の方法は、比較的自分の思い通りに出来るものの場合は有効だ。基本的には、ぜひともこれを繰り返しながら、自分の優先順位をアップデートし続けることに取り組みたい。
二つ目の方法は、そもそも自分の価値観や優先順位に歪みがあって、不必要な我慢を続けていたり、不幸になる選択をなぜか続けてしまっている場合には、必要だ。自分の価値観を客観的に評価するというのは意外と難しいものだから。
三つ目の方法は、上記二つの方法が難しい場合に、やってみるといい。ただ残念ながら同じことを繰り返してしまう可能性もあるけれども、しかしやはり人間は影響を与え合って生きているというところに希望がある。がっしりとしたゆたかな価値観を保持しているひとと深くかかわると、それだけで自分もしっかりと歩めるようになったりすることもあるからだ。しばらくたった後で昔の自分を振り返ると、あの人と出会ったから変われたんだなと思うこともあるかもしれない。
そんなことを考えた。
あなたが自分を変えたい時、どんな方法を選んできましたか?