仮想通貨を取り巻く規制の現状とは?世界によって違う動向
「仮想通貨の規制は現状どのようになっているのか」
「投資対象として仮想通貨は安全な資産になりうるのか」
新たな技術を取り入れた次世代の通貨として期待を集めている仮想通貨。
しかしながら、他の投資とは違い仮想通貨は不祥事やトラブルを起こりやすい問題点があるのです。
現に2023年6月には大手取引所のバイナンスが法的トラブルを起こしています。仮想通貨を取り巻く規制の現状として、政府を始め様々な機関から厳しい目を向けられているのです。
規制されると以前まで通用していた取引ができなくなる可能性も十分にありえます。
そのため、これから仮想通貨に投資を検討している人はもちろんのこと。
すでに投資をしている人も仮想通貨を取り巻く規制の現状や動向を把握しておくのは大切です。
この記事では仮想通貨を取り巻く規制の現状と国ごとの動向を解説していきます。
最後まで読めば、仮想通貨を取り巻く規制の現状を整理し、自分の投資に活かしながら運用をできるようになるでしょう。
仮想通貨の規制はなぜ起きるのか?
仮想通貨は2017年を境にブームを巻き起こし取引数を拡大してきました。
そのため、投資対象としては比較的に新しく法設備が整っていないのが現状です。
ブームが巻き起こると、人は「美味しい話」に飛びつきたいと思うもの。正式な手順を踏まずに参入する悪徳業者が増えて不祥事や不正行為を働くケースがありました。
このような状況を政府は黙って見ているわけはないので規制に乗り出したのです。現在では一定の基準をクリアしなければ参入できないので一時よりも減っています。
また、仮想通貨を支えている独自の仕組みとしてブロックチェーン技術も規制を誘発する要因の1つとして挙げられます。ブロックチェーンの技術を活かして、銀行や公的機関の仲介を得ずに取引ができてしまうため、国の目が届きにくい部分もあるのです。
仲介者が不在なため、マネーロンダリングが行えたり、セキュリティ面での脆弱性が発生したりする可能性があります。こうした点を懸念する声が高まり、規制の引き金になっているのです。
日本における仮想通貨の規制事例
実際に取引の際に規制されている事例を見ていきましょう。
主な規制の事例は以下の通りです。
・海外送金
・取引所
・レバレッジ
それぞれ見ていきましょう。
海外送金
2023年6月から取引の際に直接的に海外送金ができなくなりました。トラベルルールが設けられて、取引所に依頼をして情報を通知することが求められています。
利用内容も細かくて、依頼人の氏名や送り場所の情報に至るまで細かく報告する必要があるのです
※トラベルルールとはマネーロンダリングやテロ資金なとのお金が不正に流失しないように定められたルールです。
取引所の登録
日本では2017年に仮想通貨の交換業者に登録制を導入し、口座開設時は本人確認を義務づける規制ができました。
また、日本で仮想通貨取引所として事業をする際は金融庁に申請をして事業者登録を受ける必要があります。本拠地が海外にある業者も、日本で仮想通貨の事業を行うなら認可を得なければいけません。
まだ業者の中には無許可営業している海外取引所もあるので、取引の際には注意が必要です。金融庁の登録一覧を参考にすると良いでしょう。
レバレッジ
2020年に金融庁が仮想通貨の取引レバレッジを2倍までに規制する方針を固めました。これは日本での規制であるため、海外取引所ではレバレッジの規制はまだされていません。
大きく稼げるチャンスを失くしますが、投資家の保護を目的としたものですからやむを得ないのでしょう。
世界各国による仮想通貨の規制事情
各国によって仮想通貨のよる重要課題点は異なります。そのため、国によって規制の有無が違ってくるのです。ここでは代表国から規制の特徴を見ていきましょう。
アメリカ
米国の政府や委員会が恐れていることの1つに自国通貨の流失が挙げられます。仮想通貨はネット上で世界の投資家と取引でき、かつ現在の貨幣に変わる通貨として注目を集めているからです。自国の通貨が他国に流れてしまえば経済情勢にも影響を与えます。
そのため、中央銀行や政府が法定通貨の競合相手になる存在だと捉えており、仮想通貨が過熱して急拡大しないように規制を強化しているのです。
現在は仮想通貨の分類を「有価証券」か「コモディティ」なのか線引きをするべく議論が行われています。米証券取引委員会(SEC)が有価証券として提案しているが、米商品先物委員会(CFTC)がコモディティを推奨していて意見がまとまっていません。
中国
中国政府は仮想通貨の規制を2018年から徐々に進めて行き、2021年には関連業務を禁止すると通達が発表されました。
また中国人民銀行も仮想通貨の関連事業を禁止すると発表しています。
仮想通貨による秩序の乱れやマネーロンダリングのなどの温床の元になるのを避けるのを目的として規制がされたのです。
その一方、自国で資金や個人のデータを管理するためにデジタル人民元を普及させることも目的の1つとしているのです。デジタル人民元以外は認めない方針を示しています。
ロシア
2022年にデジタル資産の決済利用を禁止する法案にサインされました。
マネーロンダリングやテロ資金にお金が流れないようにしているのは、どの国も同じなのでしょう。
ただ、ロシアは中国のように政府が独自の仮想通貨を発行しようと計画をしています。
今後は自国で発行したデジタル通貨は利用できるようになるかもしれません。
ドバイ
2022年にドバイは仮想通貨規制局(VARA)を設立しました。
市場の健全性を向上させ、技術の中立性を確保する方針を掲げています。
送金者や個人の情報などの取引記録が非公開になっている匿名通貨を禁止する法案が出されています。
資金を悪意ある行為に利用させないように規制強化しているわけです。
なお、違反をした個人や業者には罰金が課せられるルールが設けられています。
今後の規制はどうなるのか
現段階では法設備が整っているとは言いにくい状態です。抱えている問題点はたくさんあります。個人投資家の保護や市場の安定性またはマネーロンダリングによる資金の利用など。見直すべきところは多いのです。
ただ、仮想通貨を取り巻く画期的な技術には目を見張るものがあり、政府や委員会等は完全に禁止する予定ではない傾向にあります。優れた技術を賢く運用をするのに比重が置かれているのです。
そのため、今後は政府や金融庁が監視下となり、資金の流れを管理していく体制を作ろうとする動きも出てくるでしょう。
行き過ぎた規制により、仮想通貨の魅力の1つでもある分散型取引が意味をなさなくなる場合もあるかもしれませんね。
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