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文字数マスターのすゝめ
|はじめに
「眠れる森の美女」
「くるみ割り人形」
「白鳥の湖」
みなさんはこの3つの言葉の共通点がわかるだろうか。学がある人ならこれは「チャイコフスキーの三大バレエ」であることはすぐさま気付けるだろう。しかし、実はこの3つの言葉には小学生でも気付けるもう一つの共通点がある。それは…
眠れる森の美女…ネムレルモリノビジョ(10文字)
くるみ割り人形…クルミワリニンギョウ(10文字)
白鳥の湖…………ハクチョウノミズウミ(10文字)
そう、これらは全てカナ10文字の言葉だ。この特性を存分に活かしたQuizKnockの動画がある(https://youtu.be/CyJ-xLPU3CE)ので気になった人は見てみると良い。ちなみにこの記事のトップ画像の言葉たちも全て10文字だ。お気づきになっただろうか。
才能という才能がまずない私のなけなしの才能の一つが、「文字数を数えるのが人より若干早い」というやつだ。
またQuizKnockの話になるが、QuizKnockが考案したゲームの一つに「限界しりとり」というものがある。自分のターンが来ると同時にランダムな数字が抽選され(トランプなどを使う)、その文字数で返さなければいけない。
例えば「り」が回ってきたときに「5」という数字が与えられたら、「りんごパイ」とか、「リスニング」とかで返さなければいけないというやつだ。
私はこのゲームが人一倍強い。というか、私が人一倍強いゲームなど限界しりとりぐらいしかない。
このゲームで強さの秘訣となりうるものは「語彙力」そして「文字数を数える速さ」だと思う。
仮に「りんごパイ」という言葉が浮かんできたとして、それが5文字なのかを確認する作業を脳内で行わなければならない。これが10文字とかになると、普通の人なら指を折り始めたり、指を使わないとしても数えるのに時間がかかるため、かなりのロスタイムになる。
しかし私は文字数を数えるのが人より速いため、10文字前後の言葉ぐらいなら長くても3秒弱で処理できる。ちょい長めの言葉を僕にふっかけてくれたらサッと文字数を返してやると思う。
なぜこんなことができるのか?本記事では文字数を数える際に僕が脳内でやっていることを解説し、そのHow toを読者の皆さんに身につけていただき、「文字数マスター」となってもらいたい。(厳密にはカナ文字数マスターであり、その表記での文字数を数える能力はまた別)
こんな能力が発揮される場面はかなり稀だが、まぁ俳句や短歌は作りやすくなるかも知れない。そのぐらいだ。
だがこの記事を書くと決めもう1000文字書いてしまっているので話し始めて行こうと思う。
|文字数を数える目的は何か?
さて、君たちは今から文字数マスターになるために頑張っていくわけだが、能力を身につける前に「何のために文字数を数える能力が必要か?」を明確にする必要がある。
「文字数マスターになるための努力」を急に強いられ、その上急に目的意識を突きつけられてさぞ不愉快だろう。だがこれは割と大事だ。
この「目的」は大きく2つに分類できる。
①ある言葉が「n文字だ」と即座に分かるため
=Word→Number型思考
②n文字である言葉をすぐに思いつくため
=Number→Word型思考
この2つだ。
例えば、①を身につければ冒頭で述べた3大オペラが全て10文字だとすぐに気付ける。②を身につければ「限界しりとり」が強くなる。
どちらも大差ないように見えるかもしれないが、頭の使い方が若干異なる。
そこでここからは①と②に分けて文字数数えのメソッドを伝授していく。
|①Word→Number型思考(言葉を見て文字数が分かる思考)
Word→Number型思考(以降、WN型思考)において最も大事な考え方は「ブロック分け」だ。ある程度長い言葉というのは、多くの場合複合語である。
例えば、「東海道新幹線」という言葉は、「東海道」という言葉と、「新幹線」という言葉が組み合わさってできた言葉だ。「東海道」は6文字(トウカイドウ)、「新幹線」も6文字(シンカンセン)だから、「東海道新幹線」は6+6=12で12文字の言葉だ。
そりゃそうだろ、と思うかもしれないが、これがWN型思考の肝となる部分だ。
「東海道新幹線」という言葉が与えられた時に「東海道新幹線」の文字数を考えるのではなく「東海道」と「新幹線」の文字数の和を考えているのだ。
だが、言葉によってはどこで分けるべきなのか分からないこともある。その場合は迷わず思いついた分け方で計算するのが鍵だ。下の画像を見てもらいたい。
これは、どう分けるのかがよく分からない典型として「東海道中膝栗毛」を挙げ、その数え方を何パターンか考えてみたやつだ。もちろんどのパターンでも最終的に14文字だと分かる。
そして、このノウハウを皆理解した上で各々の能力に差が出てくる部分は、「1ブロックを早く数える精度」だ。
例えば先ほどの画像の一番下のパターンなら、9+5=14という簡単な2つの足し算をしているだけなので他2つに比べて計算にかかる時間を短縮できている。しかし「東海道中」が9文字だと即座に数えることができるかは別問題だ。この辺で他の文字数プレイヤーとの差をつけなければならない。
私ならもちろん一番下のパターンで東海道中膝栗毛を数えるが、脳内で無意識に東海(4)+道中(5)をしているのだと思う。「文字数数えが上達した」とは、すなわち無意識に数えられるようになることなのだ。だからブロック分けができるようになったら1ブロックをどんどん大きくしていくのが理想である。
|②Number→Word型思考(任意の文字数で言葉を挙げる思考)
Number→Word型思考(以降、NW型)も身についてしまえば読者諸君も晴れて文字数マスターだ。今回は何の縛り(しりとり、動物名だけ、など)もない中でn文字の言葉を一つ生成する場合について述べる。なお、その他縛りがある場合もここで述べる方法を応用すれば対応できる。
とはいえ、基本的な考え方はWN型と同様ブロック分けである。ただ、WN型のブロック分けの意義は「数えやすくするため」だったのに対し、NW型のブロック分けの意義は「思いつきやすくため」である。
例えば12文字の言葉を1つ挙げるとしよう。普通なら12文字っぽい長めの言葉を色々考えてみて、それが何文字かを数えてみる、といった作業が想定されるが、これでは効率が悪すぎる。
しかし、頭に「新幹線」という言葉を浮かべてみよう。こうすれば「○○○○○○しんかんせん」と、12-6=6で、新幹線の頭につく6文字の言葉を考えるだけで良くなる。こうなってしまえばあとは「東海道」とか「北海道」とかを思いつくだけで簡単に12文字の言葉にありつくことができる。
n文字の言葉を速く思いつく人は無意識のうちにブロック分けをしている。そのスピードが勝負を分かつポイントだ。
|まとめ
ここまで2つの頭の使い方を紹介してきたが、つまるところ文字数数えの上達とは何か。まとめるとこういうことになる。
WN型では足し算力を押し上げること
NW型では引き算力を押し上げること
だ。足し算力や引き算力というのは単に計算力のことではない。「計算を工夫し、精度を上げる能力」を含めた力である。この向上に努めることが、文字数マスターになるための近道だ。
それでは。