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COO、家を売る。過去の難航した売却体験を経て、ウルカモ初の成約事例が生まれるまで。
2022年2月のサービス公開以来、投稿された住まいの売却事例が次々と生まれているウルカモですが、記念すべき初の成約事例となったのはツクルバCOO北原の投稿した中目黒の住まいでした。
売主である北原は、大学時代に建築デザインを学び、海外暮らしやシェアハウスでの暮らしなど、色々な住まい方を実践してきた人物。38歳にして今回が2回目の売却であり、現在は3度目の購入となる住まいへの住み替えを進めている最中です。
個人として住み替えを繰り返す原動力はどこからやってくるのか。そしてユーザー/経営者それぞれの視点からみたウルカモ事業の意義とはなんなのか。北原本人に話を聞きました。
▼ 北原邸の成約事例インタビューはこちら
住まいをハックする自由と、売却の苦しみ
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ーー 本日はよろしくお願いします。このインタビューでは北原さんの不動産売買にまつわる履歴書を振り返ってみようと思うのですが、まずは最初のマンションを購入された時のエピソードについてお聞かせください。
北原:初めて家を購入したのは社会人2年目のときで、代々木公園近くの古いマンションを買いました。当時の僕みたいな若造が高級住宅街に物件を購入するというのは珍しいことだと思いますが、それも築年数の古いマンションだから可能だったことで。
入社したてでお金がないからといって、ありきたりな部屋には住みたくなかったんですね。賃貸時代も画一的なワンルームが嫌で、都心だけど賃料の安いヴィンテージマンションに住んでいましたし、社会の紋切り型通念にしたがって住まいの選択肢を自ら狭めることへの抵抗心がありました。
ーー そういった抵抗心はどういった経験の中で育まれたのでしょうか。
北原:これは数あるエピソードの中の一例ですが、フランスの大学院に留学していた頃に、パリのマレ地区という歴史的地域のアパートを友人と一緒にシェアして住んでいたんです。シェアすることで友達を呼べるリビングを持てたり、たとえ設備が古かったとしても(オーナーさんの許可をもらって)ちょっと手を入れたりしながら工夫して暮らすことの楽しさもありました。
そういう風に、「そこにあるもの」に自分なりの工夫を加えながら暮らすことの自由さにずっと惹かれていたんですね。
ーー 代々木公園近くの住まいを買ってまもなくタイに2年半のあいだ赴任されたとのことですが、住まいの売却を意識されたのはその時でしたか?
北原:そうですね。ひとまずは友人に貸すことにしたのですが、同時に「売る」という選択肢についてもはじめてリサーチしました。
リサーチする中で、「不動産サイトって個人が直接載せられないんだ」とか、「買主を見つけるというよりまずは不動産屋を見つけないといけないんだ」とか、売主として素朴に想像していた売却プロセスと実態が大きく乖離していることに気付かされて。
実際に売却活動を開始してからも、一年くらい買い手が見つからない状態が続きました。その間も、内見の日程調整や掃除等が想像以上に大変で、どんどんテンションが下がっていったのを覚えています。
ーー 北原さんが思い浮かべていた「個人が持ち家を掲載する」「売主が買主を見つける」という体験は、まさしくウルカモと同じですね。
北原:じつはツクルバにジョインすることを決めたのも、「ユーザー視点からみて、不動産流通の形はもっとこうあるべきだ」というアイデアを共同創業者の中村に話して意気投合したからなんです。
だから、ウルカモの事業アイデアを社内で聞かされたときはすごく興奮しましたし、僕自身ウルカモを早く使ってみたいと思いましたね。経営者でありながら、自社プロダクトのファーストユーザーであり、一番のファンでいられるということは、すごくありがたいことだなと思います。
「売却の不安」を「安心」に変えたウルカモ体験
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ーー 2022年2月にウルカモが公開されるや否や、北原さんの投稿した住まいは瞬く間に人気物件となりましたが、たくさんのリアクションを得るための見せ方の工夫はあったのでしょうか?
北原:LDKはこの一枚、水回りはこれ、玄関はこれ...... というように1空間につき1写真を載せて安心するのではなく、リビングを中心に日常の中の様々なシーンを想定しながら色んなカットを撮影しました。
説明的な写真だけではそこで暮らす人のライフスタイルまで伝わらないので、「リビングで子どもを遊ばせている時の視界はこんな感じだな」「キッチンからダイニングはこう見えるんだな」というように買い手ユーザーの想像力に働きかけるような投稿を心がけましたね。
ーー それだけ様々な工夫をこらせば、「これはいい反応がくるだろう」という手応えがあったのでは?
北原:実は半信半疑だったんです。というのも最初に買った家を売却した時も、見せ方さえ工夫すれば僕と同じような価値観の持ち主にはきっと刺さるはずだと思って、掲載するサイトの選定から写真撮影まで色々こだわったのですが、どれもうまくいかなかった苦い思い出があって......。
もちろん、ウルカモには不動産売却領域をアップデートするポテンシャルがあるという自信はありましたし、サービスが公開されたらすぐに自宅を投稿したいと思っていました。ただ売主としての素朴な感覚で言うと、前回売却した時の記憶もあり「本当に買い手が見つかるの?」という不安が拭えない部分もあったんです。
ーー 投稿と同時にラブコールが続出したことで、そういった不安は和らぎましたか?
北原:そうですね。ありがたいことにたくさんの「スキ」や「買うかも」がついたので、ウルカモ経由で買い手とつながることはできるという期待が持てましたし、何よりも「これなら売れる!」と確信できました。
次に住む予定の家がまだまだ完成していないこともあって、実際に売りに出すのはもう少し先の予定だったのですが、前倒ししてでも売ろうと背中を押されましたね。
その後、自社と媒介契約を結んで本格的に売却に動き出したわけですが、契約時のエージェントによる説明や、カウカモ編集部による取材、オープンルームの案内から当日のアテンドに至るまでのプロセスをユーザーとして体験し、生活者志向の不動産サービスをチーム一丸となってつくっていく意義を改めて確信しました。
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ーー 結果、内見ファストパス(優先的に内見できるウルカモユーザーの特典)を利用してオープンルーム初日に参加された佐藤さんご夫婦が購入を即決されました。内見1件目の方が購入を決めてくださるケースはまれですが、このスピード感には売主としてもびっくりしたのでは?
北原:佐藤さんとはオープンルームでお会いした瞬間から、不思議とお互いにうまく行きそうな予感がしていたと思います。
一般的に売主・買主の利害というものは相反しがちで、それを仲介するために双方のエージェントがオープンルームに同伴してくれています。それもあって、内見時に売主と買主で和気藹々とコミュニケーションをとるムードにはならないことの方が多いと思うのですが、佐藤さんご夫妻は家に着くなり「ウルカモ見ました!」と挨拶をしてくださったんですね。
その一言にはどこか、知人が遊びに来てくれたような安心感があって、家を案内しているあいだもエージェントを介して話している感じになりませんでした。きっと、ウルカモでコメントを受け取ったときの温度感が残っていたんでしょうね。
住領域はこれからどこに向かうのか
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ーー 北原さんは目下、次に住む家を作っている最中ですよね。家の購入もこれで3度目と、折々で住み替えを繰り返しているのですが、それはこれからもずっと続くと思いますか?
北原:そうですね。一箇所に定住するよりも常に次の家づくりに関与し続けた方がきっと楽しいと思っているので、これからも住み替えは趣味として続けると思います。いま作っている家も、さっそく売ることを考えていたりするくらいで(笑)
かつて「家を買う」ということが、「残りの人生を居住エリアや間取りの制約の中で暮らす」こととニアリーイコールだった時代もあったと思います。だけど、生活者の側にライフステージの変化に合わせて住む場所を選ぶ自由と、その時々で賢く住まいを選べる力があれば、持ち家が制約になることはないはずです。
ーー そういう豊かな選択肢をユーザーに届けることは、カウカモやウルカモの使命でもありますよね。
北原:まさに、「自分の望むように住まいを選ぶ自由」はこれまで不動産や建築のプロといった一部の人たちしか享受することができなかった。だけど、生活者目線に立って住まいの選択をエンパワーするサービスを作れば、きっと暮らしに対する期待値が社会全体で底上げされるはずなんです。
面白いのは、こうした価値が社会の中で循環していくことなんですよね。住んだ年数によって家の価値がどんどん低減してしまう世の中のままであれば、誰もが売却で損をしたくないので、我慢をしてまで同じ場所に住み続けることになる。
でも、カウカモやウルカモを通じて、住まい手から住まい手へと豊かな暮らしの価値がバトンタッチされる仕組みを作ることができれば、売却で経済的に損をするリスクは減るはずです。そうすれば、住まいの売り買いがもっと気軽になりますし、住み替えが促進される。その先には、ライフステージやライフスタイルの変化に応じて自由に住まいを選択していける世界があるのだと思います。
決して簡単な挑戦ではありませんが、しっかりと事業・サービスを伸ばして、生活者志向の住まいの流通を実現していきたいです。
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住まいの売却を検討している方へ
ウルカモは、住まいをお持ちの方が持ち家を投稿し、住まいをお探しの方がリアクションすることで、売買意向をマッチングするサービスです。
投稿することで、お住まいの査定による推定相場額と、購入ニーズを確認することができます。
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いくらで売れそう?本当に買いたい人いる?・・・
相場も購入ニーズもかんたんにチェック、売りたい気持ちが高まったそのときに売却相談に申し込むことができます。
マンションをお持ちの方は、是非お気軽に住まいを投稿ください。
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