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【訃報】大学問題研究所所長

大学問題研究所の所長を務める阿部功(あべ いさお)氏が、8月10日午後11時逝去しました。当初は9月10日に開催した第12回「危機の時代の大学経営2024」シンポジウムの開会の辞でご挨拶をする予定でした。当日の冒頭でお知らせするためにこの発表を控えておりましたことをご理解いただきたく存じます。

阿部所長は2010年より大学問題研究所の所長に就任しました。2012年には産経新聞のご協力により「紙上シンポジウム」を通じて関西の大学の学長・理事長の対談を実現、2013年では文部科学省の大学ポートレート構想に先行する形で「大学相互評価レーダーチャート」を纏めました。また2015年にはラーニングコモンズの整備状況と運営の実態を145大学に対するアンケート調査を通じて取りまとめました(「学びの空間」整備が大学を変える)。

そして首都圏と比較して情報の少ない関西で、文部科学省の方針や大学の先進事例を紹介する機会を作ろうと、就任当初よりその必要性を提言し、2010年『危機の時代の大学経営』と題するシンポジウムの開催に至りました。今年の第12回目を迎えるまで、大学を取り巻くさまざまな課題を占うべく、その年その年の開催テーマのすべてを選定しておりました。ここ数年は体調の低下を訴え、病と闘いながら企画の立案に最後まで携わっていたので、開催の日をご一緒できなかったことが本当に残念で仕方ありません。

故大学問題研究所所長

生前阿部所長は、高等教育における時代の転換期の象徴として、どこかで10兆円ファンドに関するようなテーマを組んでみたいとよく話をしていました。ますます不透明な時代を迎えている現在、「Society5.0」と言われる新時代に向けてAIやDXなどの動向を踏まえた新たな大学の役割を問う形で、今回の「情報化新時代の高等教育と産学連携」の開催に繋がりました。大変心残りだとは思いますが、所長にとって最後のシンポジウムをどこかでご覧いただいたと思うので安らかに眠ってほしいと願うばかりです。


今後の大学問題研究所の活動については未定ですが、このコラムは暫く掲載を残して、阿部所長の記事などをご覧いただきたく存じます。
大学問題研究所事務局


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