RADIUS-信頼のRADIUSサーバー
このラブコメで学べること
RADIUSとは
Remote Authentication Dial-In User Serviceの略。
ネットワークアクセスの認証(Authentication)、認可(Authorization)、課金(Accounting)を一元管理するプロトコル。
RADIUSの機能
認証サーバーとして、ユーザーのIDとパスワードを検証。
認可により、ユーザーごとのアクセス権限を管理。
アカウンティングで、接続時間やデータ使用量を記録。
セキュリティ上の注意点
RADIUSプロトコル自体は一部が平文で送信されるため、IPsecやTLSなどの暗号化プロトコルと組み合わせて使用することで安全性を高める。
実際の活用例
企業や大学でのWi-Fiアクセス制御。
ISP(インターネットサービスプロバイダ)でのユーザー認証。
VPN接続時のユーザー認証。
山田太一は、情報セキュリティを専攻する大学3年生。彼はある日、図書館でRADIUSに関する資料を読んでいた。
「太一君、また難しそうな本読んでるね。」明るい声が背後から聞こえた。振り向くと、同じゼミの佐々木玲奈が微笑んでいた。彼女は社交的で、セキュリティ分野でも人間の行動に関心がある。
「玲奈さん、こんにちは。今、RADIUSについて調べているんだ。」太一は少し照れながら答えた。
「RADIUSって、ネットワークの認証に使われるプロトコルだよね?」玲奈は興味深そうに身を乗り出す。
「そうそう。Remote Authentication Dial-In User Serviceの略で、ユーザーの認証、認可、アカウンティングを一元管理する仕組みなんだ。」太一はノートを見せながら説明した。
「なるほど。じゃあ、Wi-Fiに接続するときにも使われているのかな?」玲奈は質問した。
「その通り!企業や大学のネットワークで、ユーザーごとにアクセス制御を行うのに使われているよ。」太一は頷いた。
「面白そうだね。私も一緒に勉強してもいい?」玲奈は目を輝かせた。
「もちろん、歓迎だよ。」太一は嬉しそうに微笑んだ。
数日後、二人はキャンパス内のカフェでRADIUSについて話し合っていた。
「RADIUSサーバーがユーザーの認証情報を管理していて、アクセス要求が来るとクライアントに認証結果を返すんだよね。」玲奈がコーヒーを飲みながら言う。
「そうだよ。そして、認可情報も含めてアクセス権限を決定するんだ。」太一は図を描きながら説明した。
「でも、RADIUSプロトコル自体には暗号化がないって聞いたけど、それって大丈夫なの?」玲奈は心配そうに尋ねた。
「いい質問だね。実は、ユーザーのパスワードは暗号化されて送信されるけど、他の部分は平文なんだ。だから、セキュリティを高めるために、IPsecやTLSを組み合わせて使うことが多いんだよ。」太一は詳しく説明した。
「なるほど、そうやって安全性を確保しているんだね。」玲奈は納得した様子だ。
ある日、玲奈が太一に話しかけた。
「太一君、実はサークルの新入生向けにWi-Fiのアクセス制御をしっかりしたくて、RADIUSサーバーの設定を手伝ってもらえないかな?」
「それは面白そうだね。ぜひ協力させてほしい。」太一は目を輝かせた。
二人はサークル室でRADIUSサーバーの設定に取り組んだ。
「まずは、ユーザーの情報を登録して、それからアクセスポイントの設定を変更しよう。」太一が指示を出す。
「了解!でも、これ結構複雑だね。」玲奈は真剣な表情で作業を進めた。
数時間後、設定は無事に完了した。
「やったね、太一君!これで新入生も安心してネットが使えるね。」玲奈は喜んだ。
「うん、セキュリティもしっかり確保できたし、良かったよ。」太一も満足そうだ。
帰り道、夕日が二人を包んでいた。
「RADIUSって、信頼関係を築くための仕組みでもあるんだね。」玲奈がふと呟いた。
「そうだね。ユーザーを正しく認証して、適切なアクセスを許可するから、ネットワークの安全性が保たれる。」太一は頷いた。
「私たちも、そんな信頼関係を築けているといいな。」玲奈は微笑んだ。
「うん、そう思うよ。」太一は少し照れながら答えた。
直接的な告白はなかったが、二人の間にはRADIUSのように信頼で繋がる絆が生まれていた。