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【電磁気学】マクスウェル方程式の雰囲気だけでも知りたい人のための、数式要らずの胡乱な解説(1/3)

こんにちは。胡乱布団です。

みなさん、マクスウェル方程式って知っていますか????(唐突、食い気味)

名前だけ聞いたことあるよーとか、知らなかったけど、なんかかっこよさそう! という人のために、雰囲気だけでも掴んでいってほしいという記事です。

ですので、数式それ自体の説明は一切しません! 定性的で感覚的な部分をお話します。

この記事を読むと

  • マクスウェル方程式の雰囲気をそこはかとなくつかめる。

  • マクスウェル方程式を理解している人の景色がすこし楽しめる。

  • 人になんとなく説明ができる、通ぶれる。

  • マクスウェル方程式を詠唱できる。

この記事の想定読者

  • 電磁気学に興味のある中高生

  • 理系科目が得意ではないけど、マクスウェル方程式を知りたい人

  • 数式は理解したくないけど、マクスウェル方程式の主張を知りたい人

  • マクスウェル方程式を数式としては理解しているけど、イメージが湧いていない大学生

ということですので、必要な予備知識はゼロでいいです!
まあ、知っていてほしいのは、「電気」ってものと「磁石」ってものがあるよってくらいです。ほんとうに、それくらいで充分です。

註)あくまで定性的な説明なので、厳密性は求めないでください。後生ですから。
  また、これは感覚的なことなので、勉強した人によっては異なる感覚を抱いて
  いる場合もあります。
  あくまで、わたし個人の、電磁気学を多かれ少なかれ勉強した人のうちの、
  1サンプルに過ぎません。


そもそもマクスウェル方程式って?

マクスウェル方程式は古典物理学の分野の一つ、電磁気学の基本方程式で、ぜんぶで以下のように4本からなります。
電磁気学の現象は、すべてこのマクスウェル方程式に従います。

$$
\left\{
\begin{array}{ll}
\nabla\cdot\bm{E} = \dfrac{\rho}{\epsilon_0}\\
\nabla \cdot \bm{B} = 0\\
\nabla \times \bm{E} = -\dfrac{\partial \bm{B}}{\partial t}\\
\nabla \times \bm{B} = \mu_0 \bm{i} + \mu_0 \epsilon_0 \dfrac{\partial \bm{E}}{\partial t}
\end{array}
\right.
$$

「なんだ、この三角形は!($${\nabla}$$)」
「アルファベットのなりそこないみたいな文字を使うな!($${\partial}$$)」
「おやすみなさーい!!」

まあまあ、落ち着いてください(笑)

今回は、数学的説明は行わないので、こういう「絵」があるんだなぁ……と、抽象絵画だと思って鑑賞してみてください。

1本目のマクスウェル方程式の雰囲気

では、早速、マクスウェル方程式の雰囲気をお教えいたしましょう!

ぜんぶで式は4本あると思うのですが、とりあえず、下の2本はちょっと難しいので無視しちゃってください(笑)(左辺に$${\partial}$$が居座ってるやつね)
上2本が語れれば、充分通っぽいふるまいができます。

まずは1本目$${\Bigl(\nabla\cdot\bm{E} = \dfrac{\rho}{\epsilon_0}\Bigl)}$$から参りましょう。

電場Eは“地形図”みたいなもの

まず、それぞれの記号の意味をごく簡単に説明しておきますね。
いったん、$${\nabla}$$は飛ばします。$${\nabla}$$「なんでや!」
$${\bm{E}}$$は「電場」と言って、「電気の地形図」のようなもんだと思ってください。(ちなみに電場$${\bm{E}}$$の読み方はそのまま「イー」です)
とはいえ、現代人は地図は愚か、地形図なんて使わないでしょうから、わかりやすく電場をSiriに擬えてみました!(わかりやすいか?

学生「ヘイ、$${\bm{E}}$$! ここから2歩先の電気を教えて!」

$${\bm{E}}$$「了解しました! ここから2歩先は電気がたくさんあって、とてもビリビリします!」

右辺の分数部分は、地形図に書かれている数値みたいなもの

電場は、「地形図」だと説明しましたね。地形図には、等高線が引かれていて、その地点での高度とか、傾斜率などが書かれている場合もありますよね。

それが右辺の$${\rho/\epsilon_0}$$です。(読み方は、「イプシロンゼロ分のロー」とか、「ロー オーバー イプシロンゼロ」と読みます)

さっき、たとえたSiriもこの数値を参照しています。

Siri(2歩先の電気? かったりー、そんなの自分でググれよ……。えっと、2歩先の$${\rho}$$はっと……。あ、結構強いね。ビリビリだ、ビリビリ)

Siri「了解しました! ここから2歩先は電気がたくさんあって、とてもビリビリします!」

みたいな感じです。

いちおう、右辺の記号の正体を紹介しておくと、

$${\rho}$$は「電荷密度」と言って、読んで字のごとく、ある場所にどれくらい電気がいるか単位体積あたりの電気の量)という、電気の密度を表します。

次に、$${\epsilon_0}$$は「真空の誘電率」といって、ざっくり、どれくらい電気を蓄えやすいかを表す量です。
これは場所に依らずどこでも一定で、正確に$${\epsilon_0=8.85418782\times10^{-12} \text{F}/\text{m}}$$という値を持ちます。

逆三角形∇は虫眼鏡みたいなもの

いままでのお話では、1本目の式は総じて「地形図」みたいなものだとみなすことができますね?
ですが、地形図を見るときって、紙面は大きい上に字は細かいですから、虫眼鏡とかがあったら便利ですよね! 

その虫眼鏡となるのが$${\nabla}$$(ナブラ)になります。

(しかも、このナブラ、抜群に良い虫眼鏡で、そこらへんの顕微鏡なんか足元にも及びません。そのくらいの分解能を持った虫眼鏡なのです)

この$${\nabla}$$(虫眼鏡)を使って、人はある地点の電気の情報を読み取るのです。

マクスウェル方程式1本目は、ある地点の電気がどれくらいなのかを意味している

以上のことを踏まえると、1本目の式は、「地点ごとの電気の量(密度)」を表していると言えます。
特に、非常に優れた虫眼鏡を使っているので、とても狭いところ(微小領域)の電気の量を見ている――ということが重要です。

通ぶるためのフレーズと詠唱方法

通ぶるための魔法のフレーズをお教えしたいと思います。

1本目の式は、「(電場の)ガウスの法則(の微分形)」と呼ばれていて、右辺が0でないとき($${\rho\neq0}$$のとき)、その電場は「保存されていない」ことを示しています。

これを言い換えると、電気には+の電荷だけを持つ粒子(陽子など)ーの電荷だけを持つ粒子(電子など)が存在できるということです。
で、これらをまとめて「荷電粒子(電気モノポール)」と呼びます。

ですので、1本目のマクスウェル方程式を見たら、「ガウスの式だね」でも充分ですが、次のように端的に説明すると、「お? ちょっと深いこと知ってるぞ?」と思われること、請売り!

「電場“には”モノポールが存在することを示唆している式だね」

電場には」ということは、そう、磁場にはこのモノポールが存在しません(と言われている)。つまり、このことを念頭に置いている科白なのです。
これについては次の記事で説明したいと思っています。

最後に、詠唱方法です。読み方を教えます。($${\nabla}$$はナブラと読みます)

「ナブラ (ドット) イー イコール イプシロンゼロ分のロー!」

テクニカルな方法として詠唱するときには、「ドット」を省略することもあります。
(`・ω・´)「ナブラ イー イコール ロー オーバー イプシロンゼロ!」

また、この1本目のマクスウェル方程式は次のように表現されることもあって、

$$
\text{div} ^{}\bm{E} = \dfrac{\rho}{\epsilon_0}
$$

これはまったく同じ意味の式です。(漢字とひらがなの違いみたいな)

こちらの詠唱方法は、

「ダイバージェンス イー イコール イプシロンゼロ分のロー!」

となります。分数の部分は「オーバー」で読んでもいいですね!

まとめ

どうですか? 1本目のマクスウェル方程式の雰囲気はつかめたでしょうか?

次の記事では、2本目のマクスウェル方程式について説明したいと思います。
興味のある方はそちらも読んでみてくださいね!

胡乱布団

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