【取捨選択】現代社会での学習と判断力
選択のパラドックス
多様化していく社会において、【選択のパラドックス】は大変に重要な問題である。
選択肢が増え続ける社会と選択肢が多すぎると不幸を感じる人間におけるギャップが、ますます広がってしまう。
選択肢以外の多様性
多様性は選択肢だけでなく、情報も細分化されて、科学、技術、歴史、芸術、文学、哲学、宗教、政治、経済、心理学などの多くの分野で、知識や研究が深掘りされていく。これは、いままで人間の脳内で処理できていた以上に情報が多様化しているのである。
人間の限界
そして、人間が所有できる知識は、全体に対する一部でしかない。これは人間の学習能力や記憶容量には限界があるし、生涯の時間に制約があるからである。一人の人間が全ての知識を理解し、記憶することは現実的には不可能である。
取捨選択する能力
学習能力や記憶容量を効率的に発揮するには、取捨選択して自分にあった学習をする必要がある。小学校での基礎学習とは別に、取捨選択をするための判断能力が大切になってくる。
例えば登山。登山は取捨選択の良い例えである。様々な要素が絡み合い、最善の結果を達成するためには、複数の選択肢を判断する必要があるからである。
目的の設定: 山の頂上に到達するのか、特定のルートをたどるのか、自然を楽しむのかなど
選択肢の認識: どのルートを選ぶのか、どの装備を持つのか、どの天候で行くのかなど
情報の収集と分析: ルートの難易度、天候の予報、装備の適切さなど、多くの情報を集め、分析する
予測: 選んだルートや装備、天候等による影響を予測します。急な天候の変化や装備の不具合など、予期せぬ事態に対応するための計画
意思決定: 集めた情報と予測を基に、最終的なルートや装備、登山日等を決定します。
反省と評価: 登山後、計画と結果を比較し、成功点や改善点を見つけることで、次回の登山に活かすことができます。
というように1つの目標を達成するためには、多くの判断が必要となってくる。そして、体力のある子や体力に自信がない子など、個々の能力に応じて達成目標を変更することが大切である。
まとめ
これからの現代社会では、学習量は増大していくが、人間の学習能力や記憶容量には限界がある。そして全てを学ぶことは非常に難しい。だから何を選ぶかという取捨選択の能力が大切になってくる。
しかし取捨選択の能力は総合的判断能力を必要とするので、小学生などでは判断に難しい。だから取捨選択というより、何をしないかを決めることが大切になってくる。
どうしても自分の苦手な分野の学習をしないことを決めることが、選択肢を減らことや記憶容量を抑えることができる。
選択を減らすことが、選択のパラドックスから逃れ、不幸を避ける術である。