2024年は、記憶に残る人生の転換期になる1年でした。
あと1日で2024年が終わりますが、今年は近年稀に見る激動の1年でした。
最近SNS類の投稿がめっきり減って、「生きてる？」と連絡をいただくこともチラホラなので、生存報告と自身の記録のために、この1年をザザッとまとめておきたいと思います。
1月〜3月 あまり記憶がない…
2023年に月1回、地元葉山のカフェ楚々さんをお借りして開催していた朝ごはんイベントを終了し、「発酵の手しごと」というワークショップを同じく楚々さんをお借りして月1回開催していました。
1月は「手前味噌仕込み」のワークショップ。
そして2月は「手前味噌仕込み」と「自家製キムチ仕込み」。このキムチのワークショップのために、1月は韓国までキムチの作り方を習いに行ったり、材料を韓国から仕入れたり、していました。
今まで食べてきたキムチってなんだったの、というくらいおいしかった。
3月は「自分たちで醤油を絞る絞り立て醤油」ワークショップ。宮城県塩竈まで車で醤油になる前の「もろみ」を仕入れに行ったなぁ…。
今思えば、よくこのペースでワークショップを企画して、募集して、実施してたなぁ…と思うけど。
この時期は前職のクックパッドに在籍しており、と同時に、この後の自分の進退を考えていた時期でもあり、自分を物理的にも精神的にも追い込み「自分が心から挑戦したいことってなんなのか」を模索していた時期でした。
今私が在籍しているallesgoodの代表である勝見からメッセンジャーでDMをもらい、その存在を知ったのが1月下旬。
私がクックパッド退職を決め、クックパッドでの事業を通じておつきあいさせていただいていた各地の生産者さんへ挨拶回りをしに地方行脚していたのが3月。
いろんなことを考えながら日本各地を飛び回り、ワークショップもやって、とにかく頭も心も身体も忙しくしていて、この時期の記憶がほとんどありません（笑）
4月〜5月 2度の渡米と、未来の決断期
ワークショップは引き続きやっていて、
4月は「自分たちで醤油を絞る絞り立て醤油」と「だしテイスティング」
5月はプライベートで「自家製キムチ仕込み」をしたり「だしテイスティング」をしつつ、6月は「麹を使った自家製調味料」をしていました。
この時期のハイライトはなんといっても、4月・5月に行っていたアメリカ視察。
4月はサンフランシスコで現地の日本酒ファンミーティングで料理を提供したり、日本から持ち込んだ太田與八郎商店さんの”もろみ”を使って搾りたて醤油ワークショップをしたり。
サンフランシスコの味噌ファクトリーを視察したり、発酵カルチャーの視察をしたりした後、ロサンゼルス、ニューヨークと移動して約2週間アメリカに滞在をしていました。
この時は本当に、TRDS時代の仲間でサンフランシスコ在住のみっちゃんこと三井ゆかりに超絶サポートしてもらい、心身ともに支えになってもらいました。
そのみっちゃんが5月のバークレーのワイナリーでのポップアップを決めてくれ、5月も再びサンフランシスコに10日間ほど滞在していました。
この印象が強いのか、私がアメリカに移住したと勘違いした方もいたようです（笑）
とても天気が良かった日、セントラルパークで昼寝をしたのが最高に気持ちよかった。
allesgoodの勝見とは1月に知り合ってから根気強くallesgoodへのジョインをお誘いいただき、2月ごろからほぼ毎週1on1をしながらBaseMeの壁打ちを重ねていました。
4月のアメリカ行き直前にオファーをもらっていたので、4月のアメリカ滞在は私自身の料理の事業の視察をしながら、allesgoodのジョインを検討していました。
サンフランシスコのみっちゃんからは「対アメリカで料理の仕事をするなら、絶対に影山さんはアメリカに移住してくるべきだ」と言われるし（みっちゃん、この時は厳しいこと言ってくれてありがとう）、allesgoodの勝見からもなんか圧強めのオファーをもらって、あまりに考えすぎて気持ち的に辛くなり（笑）、ニューヨークのセントラルパークで泣けてきて（笑）、天気が良かったのもあり、泣き疲れして昼寝をしたのを覚えています。
起きたらなんかだか気持ちが軽くなり、
今の私にしかできないことを、
悔いなく全部やっておこう。
と決めて、帰国したらallesgoodにジョインし、自分の料理の仕事もやってみようと欲張りな決断をしたのです。
5月の再渡米の際はallesgoodの仕事も少しづつ始めていて、料理事業の視察やポップアップイベントをしながらも、allesgoodのユーザーインタビューもアメリカからやったり、葉山でのワークショップもやっていたので…なんだかとっても忙しかったのですが、迷いがなく気持ちはだいぶ軽かったです。
一方で、5月末で大好きだったクックパッドを退職し、こちらは期待に応えられなかったという申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でもだからこそ「選択した未来を正解にしたい」という気持ちにもなれたと思っています。
6月〜 allesgoodに入社しました
6月1日付でallesgoodに入社し、7月11日は執行役員 VP of Productに就任しました。
二回り以上歳が離れている若いCEOの（入社当時）シードラウンドのスタートアップに入社する。
当時、その話をした方からは応援はしていただいていたと思うものの、どちらかというと「なぜそんな火中の栗を拾う決断を」というような心配をいただいていたように感じます。
私自身も自分が通用するのか、若い組織の足を引っ張らないか、不安な中での決断だったので、未来に向かってやる気に満ちていた、というよりは、やるだけやってダメだったらそこまでだ、くらいの冷静な気持ちでの決断でした。
不安を伝える私に勝見が「影山さんは変わらなくていいです。ブレーキをかけたくなったらかけてください。それでも自分は止まらないので」と言ってくれたことで、気持ちが軽くなったのを覚えています。
入社してみて、BaseMeというプロダクトも、allesgoodという組織も、まだまだ若くできていないこともたくさんあるけれど、勝見をはじめメンバー全員が前向きで、人生にも仕事にも真摯に取り組んでいることに心から驚きました。
私が彼らと同じくらいの時、こんなにも仕事に対して熱量持って取り組めていたかな。
7月 ガストロノミーツーリズム
インドネシアに住むクックパッドの元同僚から、インドネシアのトップシェフと一緒に来日するので、私が以前取り組んでいた「クッキングツーリズム」をやりたい、というご相談をいただきました。
葉山でインバウンド向け旅行会社を営むJapan Adventures Co.と一緒に葉山、山梨と4泊5日のガストロノミーツーリズムを開催しました。
このツーリズムのハイライトは、朝から葉山周辺の生産者さんを周り、漁港で魚を買い、ファームで野菜や産みたての卵を買い、葉山のブランド牛を買い、我が家で皆で料理をして食べる、というもの。
普段私がホームパーテイーでしていることと変わらないんですが、結果、このガストロノミーツーリズムで一番楽しかった、一番おいしかったと言っていただけてとても嬉しかったです。
私の料理を通じてさまざまな国の方とつながれること。
喜んでいただけること。
私の住む国の魅力を伝えられること。
私が料理でやりたいことの芯を再認識できた貴重な体験でした。
8月 allesgood資金調達
既存株主であったサイバーエージェント・キャピタルに加え、新たに米国シリコンバレー・東京を拠点とするWiLを引受先とし、4.6億の調達をおこないました。
この時期はallesgoodのCEOである勝見や組織や事業理解をすることはもちろん、リーダー層マネージメントの準備をはじめたり、BaseMeのMVV（Mission、Vision、Values）を設定したり…といろいろと忙しくしていました。
この頃には1年は続けようと思っていた、地元葉山でのワークショップはすっかり手がつけられなくなり、個人的にはだいぶ葛藤を抱えていました。
それでも7月・8月の海開きには、今年もたくさんの方が我が家に遊びに来てくれました。
クックパッド退職後、料理とは全く違う仕事を始めたこと。
SNSでの投稿もだいぶ減ってしまったこと。
そんなことから、今年の夏はあまり人が来ないかもな、と思っていたのですが、逆に私の状況を心配してか我が家にきて、いろんな話を聞いてくれ、またいろんな話を教えてくれた友人たちに本当に感謝です。
クックパッドを辞めた後も、ありがたいことに変わらずお付き合いしてくださる生産者さんたち。
お誘いいただいて、8月下旬は大阪での発酵マルシェイベントで1日だけ売り子をしてきました。
いつもいろいろ業界のこと、味噌のことを教えてくれる五味さん。ほんとうにいつもありがとうございます。
京都在住の敏腕デザイナー田中さんも遊びに来てれて、ありがとうございました。田中さん、いつか一緒にアメリカでイベントやりましょうね。
朝早くから釣りして、昼から我が家で捌いて料理するが定番。
クックパッド時代からの恒例、年に一度の海釣り。今年もできました。
今年は元クックパッドのメンバーと、allesgoodのメンバーの混合で。
甘鯛が大漁で、皆で捌いておいしくいただきました。みんな、楽しんでくれてよかった。
10月 allesgoodステークホルダーサミット
allesgoodの投資家・顧問の皆様をお招きし、我々のこれからのvision・事業戦略をお伝えするステークホルダーサミットを開催しました。
僭越ながら、私もプロダクトの戦略ピッチを行いました。
allesgoodの投資家や顧問の皆さまとワークをしたり、ゲームをしたり。みなさんallesgoodのことを心から応援してくださる方々ばかりで、とても良い空間でした。
私は今までこのようなイベントをやったことも、参加したこともなかったので、こういう付き合いのしかたもあるんだな、と大変勉強になりました。
11月〜 年末まで、というより今年はずっと全力疾走だったな
創業5年目となり卒業するメンバーがちらほらでてきたり、学生起業の若い組織から業界Disruptを目指す組織への脱皮を鑑み組織再起動をする必要性ができたり、採用をより一層強化する必要性が急務であることから、11月はallesgoodになかった人事評価・グレード制度を設計、導入しました。
新しいメンバーの入社という嬉しいイベントもあり入社オンボーディングを整えたり、就業規則や予算管理フローを見直したり…
11月から新しい期が始まったので足元の事業KGIを決めたり、中長期のプロダクト戦略を考えたり…
やるべきことが次から次へと生まれるのはスタートアップあるあるですが、入社直後から12月31日の今日、大晦日の今この時もずっと全力疾走している感じです。
CEOの勝見に刺激を受け、時に支えてもらいながら、時に衝突しながら。
昨年の今頃は全く見えていなかった、
今の状況に感謝しつつ。
2024年も、12月30日・31日の毎年恒例の友人家族との一泊温泉旅行も無事に納め、旅行から帰ってきてからの駆け込みおせちづくりもなんとかできました。
このnoteを書いて公開できたら、私の2024年は無事に終了です。
思えば昨年の今頃は、クックパッドを退職しているなんて思ってもいませんでした。
allesgoodや勝見の存在も知りませんでした。
昨年の今頃の私には、今の私の状況なんて1mmも想像できなかった。
料理の仕事が思うように進めていないことは若干の計算違いではあるけれど、そして私がどこまで通用するのか不安になることもあるけれど、allesgoodでの日々は刺激的で、毎日があっという間に過ぎていきます。
そんな毎日を過ごせていることが、今は幸せだと思っています。
来年の今頃もそう思えていられるよう、2025年も全力疾走しようと思います。
いつも私を思い出し、関わってくれる皆さま。本当に感謝しております。
来年は料理の方も頑張ります。
2025年もどうぞ、よろしくお願いいたします。