好きすぎて2,000個以上のうつわを集めた、私のお茶碗使い分け|形から入る料理の楽しさ
全国の陶器市の開催が延期・中止になり、今年はオンライン陶器市や作家さんご本人のオンライン活動が活発です。
リアルな陶器市の楽しさに比べたら物足りなさはありますが、自粛生活の楽しみで日々Instagramや各オンライン陶器市をチェックし、それなりに楽しんでいる今日この頃です。
もちろんオンライン陶器市でも、素敵なうつわを(たくさん)お迎えしました。どこも出かける予定が無く、時間を持て余し気味な今年のゴールデンウィークです。お迎えしたうつわの収納場所をつくりつつ、自分のコレクションがどれほどあるのか数えてみました。
結論から言うと、途中で力尽きてしまい凡そではありますが、ざっと2,000個以上…(我が家は二人暮らしです)
豆皿、中皿、大皿、小鉢、中鉢、大鉢、銅鑼鉢、蓋物、丸皿、角皿、陶器に磁器、ガラスのうつわ、和食器に洋食器、日本の作家ものに海外の作家もの…などなど料理をするようになってから、何年何年もかけて集めた私の大切なコレクションです。
(これだけあると不要なお皿もあるでしょう?と言われるんですけど、後輩に譲ったものが何点かあるくらいで、ほとんど手放すこと無く私の食器棚に収まっています。)
そんな事もあり、最近よく「最初に買ううつわは、どんなものが良いの?」や「影山さんのうつわを買う決めてを教えて欲しい」などの声をいただくようになりました。
僭越ながら、私なりの「うつわの選び方」を記しておきます。どなたかの「うつわライフ」の参考になれば幸いです。
今回は、最も日常的に使ううつわ「お茶碗」の使い分けです。
<photo:よくつくる料理も、うつわの力で旅館の朝ごはんのような贅沢な食卓に>
最も日常で使われるうつわ(?)お茶碗の、私の使い分け
お茶碗は30個ほど持っています。
それぞれ、私なりに使い分けの理由があります。
購入順にまとめてみます。
ひとり暮らしをする時に買った
マイファーストお茶碗は、日常使い
もう20年以上前に購入した、私がひとり暮らしをする時に近所のスーパーで買ったマイファースト茶碗。
とてもお安く買ったものですが、まだだまだ現役です。
この時は、うつわにこだわりなんて持っていなかったけど、今でも好きな「刷毛目」を選んでいたことにちょっとびっくり。
「刷毛目」はひとつひとつ表情が違い、特にこのお茶碗は中にも大胆に「刷毛目」の模様があって写真映えもします。
深さがあるタイプなので、納豆ご飯やとろろかけご飯など、お茶碗の中で混ぜるタイプのご飯が食べやすいです。
私にとって思い出もありつつ、食洗機にもガンガン入れている、気軽な日常使いのお茶碗です。
機能性に惹かれた白山陶器は
デザインも素敵でついつい集めちゃう…
波佐見・白山陶器の中でも特に人気、森正洋デザインの平茶碗。深さは浅めで、広く口が開いているお茶碗です。
深さのあるお茶碗に慣れていたので、初めて写真で見た時は「食べづらそう…」と思ってしまったのですが、実際使ってみるとその食べやすさにびっくり。小丼にも良いし、お茶漬けやおじや、カレーなどの汁気が多いものも、サラサラ食べられます。
デザインのバリエーションもたくさんあって、「コレ」と絞りきれないのが難点(笑)。ついつい集めてしまいます。
私は通販や、波佐見陶器市の白山陶器会場で何回かに分けて購入しました。
波佐見陶器市の会場ではお買い得品も出ますが、とにかく人気なので早朝から並ぶのは必至…でもそれも、陶器市ならではの楽しみですね。
白山陶器も私は食洗機で洗っています。
大勢集まるホームパーティーで使っても、食洗機に入れられると少し気持ちが楽になります(笑)。
<photo:パエリアの取皿としても食べやすい白山陶器>
派手だな〜と思いつつも料理が映える、
元料理人の作家がつくるイケメンお茶碗
こちらは数年前から益子陶器市に行くたびに、ちょっとづつ購入している作家さん穂高隆児さんのもの。
大胆な刷毛目柄と金や赤も入っていて、はじめて見た時は「うわ、派手だな〜!」と及び腰に(笑)。
穂高さんのうつわは激シブな作品も多いのですが、ご本人が元料理人ということもあり、実はものすごく使いやすく、料理が映えるのです。
それを知っているので思い切ってお迎えしてみたら、案の定使いやすく、華やかな食卓になるので普段遣いしています。
内側にも模様が入っているお茶碗は、白飯でも見た目が豪華に、そして楽しくなるのでおすすめです。
このうつわは食洗機には入れません。
作家さんのうつわは食洗機が使えないものが多いのですが、自分の手で丁寧に洗うのも、心が落ち着くものですよ。
シュッとして和にも洋にもあう、
釉薬の表情がたまらないお茶碗
こちらはKomercoを始めてから知った、Forchettaさんのお茶碗。
広めの口に、高台部分はシュッと細い。
第一印象は「スタイリッシュだな〜」でした。
いろんな色の釉薬のお茶碗を展開しているので、ついつい集まってしまいました。そして、同じ釉薬でも表情が違い、その個性がたまらないお茶碗です。
普段遣いはもちろん、大人の女性客としっとりホームパーティーという時に使っています。
<photo:自粛生活が始まった頃、お取り寄せした雲丹をForchettaさんのお茶碗で丼に。金と黒のグラデーションというドラマティックなお茶碗の力で、自宅にいながら外食気分が味わえました。>
ちょっと炭水化物を抑えようかな…
という時は小ぶりなお茶碗でコントロール
こちらもKomercoで知ったYummy Life Design Storeさんの磁器の平茶碗 小サイズ(直径12cm)。我が家にあるお茶碗が割とごはんをモリモリ食べられるサイズだったので、小さめのサイズを選びました。(販売されているお茶碗には大サイズもあります)
大きなお茶碗にちょっとのごはん、って悲しく感じてしまう食いしん坊な私なので(笑)、小さめのお茶碗に八分盛りで気持ちよく食べています。
磁器ならではの繊細なデザインも素敵です。
斜俯瞰で映えそうだな…!で一目惚れ
ハンサムなお茶碗
今回、オンライン陶器市でお迎えした唯一のお茶碗は、こちらもKomercoで知った杉田真紀さんのもの。
濃紺とアイボリーのはっきりしたツートンカラーが印象的で、斜俯瞰の撮影に映えそうだな…!というのが第一印象でした。
実際手にしてみて、濃紺の塗りの濃淡も、アイボリー部分のザラッとしたテクスチャーから感じる温かみも魅力的なお茶碗です。
青の染め付けのうつわとの相性も良いし、飴釉のうつわとも相性が良い。実は組み合わせるうつわを選ばないお茶碗です。
番外編 お茶碗じゃないけど
お茶碗にも使える小鉢、という選択も
こちらは「小鉢」なのですが、お茶碗としても使っているもの。
数年前に泊まった温泉旅館が素敵なセレクトで陶器類を販売していて、そちらで購入しました。
「小鉢」を買う時は、自分がよくつくる副菜をイメージするのと共に、お茶碗としても使えるか?というのを考えます。
いろんな用途に使えるイメージが持てたほうが、食卓で活躍するシーンも増えますからね。
これ以外にも、旦那さんが旅先で買ってきたやちむんや、洋食器メーカーのもの、いただき物の揃い茶碗などいろいろあるのですが…キリが無いのでここまで。
うつわ選びの基本は、普段の食卓をイメージすること。
うつわを買い初めの頃によくあったのが、気に入って買ったものの食卓でどう使ってよいのかわからない…ということ。
そうならない為に気をつけたいポイントが2つ。
ポイント1)デザインが良いうつわ=使いやすいうつわでは無い
これ、そのままの意味です。たまにあるんですけどね、所謂ジャケ買いみたいな感じでデザインに「ビビビ」と来ることが。
でもね、
”うつわそのもののデザインとして美しい”ことと、
”食卓で使いやすい”ことは違うのです。
このうつわに、この料理を盛ってみたい。
とインスピレーションがわく事もありますが、その料理が普段つくらない料理の場合は特に冷静さが必要。
まずは普段よく自分がつくる料理をのせるイメージが湧くかどうか、です。
ポイント2)持っている、どの食器と相性が良いかイメージする
食卓一式分を一緒に買うなら良いのですが、たいていは買い足しになるかと思います。気に入って買ったは良いけど、テーブルスタイリングで組み合わせにくい…という事も、うつわの買い始めのころはありがちです。
例えば週末の朝の食卓、
例えばホームパーティーでの食卓、
など具体的な用途シーンを思い浮かべ、そのシーンで日頃よく登場するうつわを思い浮かべ、そのうつわとの相性をイメージしてみると良いと思います。
うつわは自由に、
どんどん使って楽しみましょう。
テーブルマナーや和食器の並べ方のルールもありますが、おうちごはんは自分の家で楽しむ普段の食卓です。
作家さんも「普段の食卓でたくさん使ってくださいね」とおっしゃる方がほとんど。
あまり難しく考えず、自由に、どんどん使って楽しみましょう。
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