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2024年の🇨🇿国内リーグを振り返る

初めに

こんにちは。チェコ野球についてXで発信しているウリムー(X:@CzechBaseballJP)です。
今回のnoteでは、9月に終了したチェコ🇨🇿国内リーグの2024シーズンを振り返ります。
ぜひXの方もフォローよろしくお願いします。

1.国内リーグの構成・対戦形式

チェコ国内リーグは2部で構成されています。
最上位のエクストラリーガ(Extraliga)、2部の1リーガ(1. Liga)です。各部には8チームが所属しており、入れ替え制となっています。

所属チーム

エクストラリーガ
・テンポ・プラハ Tempo Praha (プラハ)
・イーグルス・プラハ Eagles Praha (プラハ)
・コトラージュカ・プラハ Kotlářka Praha (プラハ)
・ドラッチ・ブルノ Draci Brno (ブルノ)
・フロッシ・ブルノ Hroši Brno (ブルノ)
・ソコル・フルボカー Sokol Hluboká (フルボカー・ナド・ヴルタヴォウ)
・アローズ・オストラヴァ Arrows Ostrava (オストラヴァ)
・トジェビーチ・ニュークレアーズ Třebíc Nuclears (トジェビーチ)

チームロゴ
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Czech_Baseball_Extraliga#/media/File%3ACzech_Republic_adm_location_map.svg より筆者作成

1リーガ
・オリンピア・ブランスコ Olympia Blansko (ブランスコ)
・ブレスク・ヤブロネツ Blesk Jablonec (ヤブロネツ・ナド・ニソウ)
・テフニカ・ブルノ Technika Brno (ブルノ)
・ヒッポス・ブルノ Hippos Brno (ブルノ)
・サバット・プラハ SaBaT Praha (プラハ)
・スコカニ・オロモウツ Skokani Olomouc (オロモウツ)
・クラシク・フリーデリク・ミーステク Klasik Frýdek-Místek (フリーデリク・ミーステク)
・マイナーズ・クラドノ  Miners Kladno (クラドノ)

チームロゴ
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Czech_Baseball_Extraliga#/media/File%3ACzech_Republic_adm_location_map.svg より筆者作成

1リーガとの入れ替え戦参加チーム
・ペリカンズ・ブチョヴィツェ Pelikans Bučovice (ブチョヴィツェ)
・ベースボール・ピルゼニュ Baseball Plzeň (ピルゼニュ)

対戦形式

エクストラリーガは、まず1次リーグとして5試合ずつ総当たりの計35試合を行います。
この後、エクストラリーガの上位4チームが準決勝ラウンドへ進出し、下位4チームは入れ替え戦に進みます。
準決勝ラウンドは1次リーグの1位vs4位、2位vs3位というカードで7試合制で4戦先取で行われます。ここを勝ち上がったチームは決勝のチェコ・シリーズに進出します。チェコ・シリーズも準決勝と同様、7試合制で4戦先取で行われます。

1リーガは、まず1次リーグとして2試合ずつ総当たりの計14試合を行います。この上位6チームはさらに2次リーグとして5試合ずつ総当たりの計20試合を行います。この上位2チームがエクストラリーガ昇格を賭けた入れ替え戦に臨みます。

エクストラリーガ入れ替え戦は、エクストラリーガ下位4チームと1リーガ上位2チームの計6チームで行われます。3試合ずつ総当たりで計15試合を戦い、上位4チームが来季のエクストラリーガへの参加資格を得ます。

また、1次リーグ下位2チームは来季の1リーガ参加を賭けた入れ替え戦へと進みます。これは1リーガに参加資格のない2チームを含めた4チームで行われ、4試合ずつ総当たりで計12試合を戦い、上位2チームが来季の1リーガへの参加資格を得ます。

リーグ公式データサイトはこの画像をタップ

2.今年の結果

エクストラリーガ

1次リーグ
①ドラッチ     25勝10敗
②フロッシ     25勝10敗
③イーグルス    23勝12敗
④アローズ     23勝12敗
⑤ニュークレアーズ 17勝18敗
⑥コトラージュカ  11勝24敗
⑦テンポ      8勝27敗
⑦フルボカー    8勝27敗

準決勝ラウンド
ドラッチvsアローズ
 ①DRA5−1ARR
 ②ARR0−15DRA
 ③DRA5−2ARR
 ④ARR1−16DRA

フロッシvsイーグルス
 ①HRO9−2EAG
 ②EAG6−9HRO
 ③HRO5−0EAG
 ④EAG9−6HRO
 ⑤HRO7−2EAG

決勝ラウンド
ドラッチvsフロッシ
①DRA10−0HRO
②HRO4−5DRA
③DRA10−3HRO
④HRO7−2DRA
⑤DRA4−3HRO

今年の第32回チェコ・エクストラリーガ優勝はドラッチ・ブルノでした!!3年連続25回目の優勝であり、最強チームです

優勝したドラッチ・ブルノのインスタより

3位決定戦
①ARR6−3EAG
②ARR4−3EAG

3位決定戦は2連勝でアローズが勝利しました。

3位となったアローズのインスタより

1リーガ

1次ラウンド
①サバット  9勝5敗
②ヒッポス  8勝5敗
③テフニカ  7勝6敗
④ブレスク  7勝7敗
⑤クラシク  7勝7敗
⑥スコカニ  7勝7敗
⑦マイナーズ 6勝8敗
⑧オリンピア 4勝10敗

2次ラウンド
①サバット 19勝1敗
②テフニカ 11勝9敗
③ヒッポス 9勝11敗
④スコカニ 8勝12敗
⑤クラシク 7勝13敗
⑥ブレスク 6勝14敗

1リーガの結果から、入れ替え戦にはサバット・プラハテフニカ・ブルノが出場することになりました。
サバットは2020年以来の、テフニカは2023年以来のエクストラリーガ復帰を目指します。

入れ替え戦

①ニュークレアーズ 13勝2敗
②フルボカー    9勝6敗
③コトラージュカ  9勝6敗
④サバット     8勝7敗
⑤テンポ      6勝9敗
⑥テフニカ     0勝15敗

入れ替え戦の結果から、来シーズンはテンポ・プラハが降格し、サバット・プラハが昇格することになりました。テンポは2012年以来の降格となりました。

エクストラリーガ昇格が決まったサバット・プラハのインスタより

3.エクストラリーガ各チームの振り返り

ここからはエクストラリーガ8チームの振り返りとして、各チームのチーム成績と投打の中心選手を2人ずつます。

ドラッチ・ブルノ

チーム成績:優勝

1次リーグでは終盤混戦を抜け出して1位通過に成功し、プレーオフでは圧倒しました。
個人的にはあまりに大正義球団なので、チェコの巨人と呼んでいます。(Draciはチェコ語で竜ですが…)
大きく抜けた選手はいませんが、主力がおしなべて好成績を残しており、そりゃ強いです。
プロコップ選手は今年7月まで独立リーグ神奈川に所属し、7月にドラッチに復帰しました。復帰以降、出番が少なかった鬱憤を晴らすように大爆発しました。

投:ヘンダーソン・フルタド、フィリップ・チャプカ
打:ミラン・プロコップ、アーノシュト・ドゥボヴィー

フロッシ・ブルノ

チーム成績:2位

チェルベンカやメンシーク、村田透を獲得するなど、大補強しました。今シーズンは、彼らの大活躍や23歳のクレイチジークの覚醒もあり、序盤から首位を走りましたが、1次リーグは2位での通過となりました。その後、準決勝ラウンドはイーグルスを圧倒したものの、決勝ラウンドは1勝4敗に終わりました。

投:村田透、トマーシュ・オンドラ
打:マルティン・チェルベンカ、マレク・クレイチジーク

アローズ・オストラヴァ

チーム成績:3位

昨シーズンは投打が噛み合わず7位に沈みましたが、今シーズンはWBC日本戦でも先発したサトリアらを中心としてリーグ有数の投手陣を誇るチームとなりました。また、マリークが39歳にして首位打者を獲得しました。

投:オンジェイ・サトリア、ヤン・トメク
打:ヤクブ・マリーク、ヤクブ・クビツァ

イーグルス・プラハ

チーム成績:4位

昨シーズンは投手に苦しんだこともあり、オフには関西独立・堺に所属していた丹波夏希と上村広野を獲得しました。
彼らの活躍に加え、ドゥフェックの復活もあり、途中10連勝で一気に首位まで駆け上がりました。準決勝ラウンドで敗退したものの、大躍進を遂げたシーズンとなりました。

投:丹波夏希、トマーシュ・ドゥフェック
打:上村広野(二刀流)、ミハル・アントン

トゥジェヴィーチ・ニュークレアーズ

チーム成績:5位

昨シーズンは1次リーグ2位と実力のあるチームです。カナダ出身の二刀流ジョンソンや日系オーストリア人の河西壇も所属し、今シーズンは5位でした。

投:ルカーシュ・フロウフ、ルカーシュ・パカル
打:ライアン・ジョンソン(二刀流)、河西壇

ニュークレアーズのインスタより
ライアン・ジョンソン

ソコル・フルボカー

チーム成績:6位

WBCの英雄ムジークを擁するチームですが、今シーズンは苦戦しました。投打ともに苦しみ、チームopsは.582、チーム防御率は6.00でした。

投:オースティン・ハッサニ
打:マルティン・ムジーク

フルボカーのインスタより
マルティン・ムジーク

コトラージュカ・プラハ

チーム成績:7位

今シーズンからエクストラリーガに昇格したチームです(2021年以来)。序盤は流石に苦しい戦いが続きましたが、1次リーグは6位で終え、入れ替え戦ではしっかりと来季の参加権を確保しました。投打共に課題の多いチームですが、アジア遠征の代表にも選ばれているモルガンや最優秀防御率を獲得したクジェチェクなど、楽しみな若手も多いチームです。

投:デイヴィット・クジェチェク、ルカーシュ・エルツォリ
打:ペティ・カイバート、ベン・モルガン

テンポ・プラハ

チーム成績:8位 1リーガ降格

昨シーズンは2位も、オフにチェルベンカが移籍し、マルティン・ゼレンカは海外大学進学で半休となり、流石に厳しいシーズンとなりました。しかし、4月はフルプが調整のためにプレーしていたこと、マルティン・ゼレンカが7月以降復帰していたこともあり、降格するようなチームには見えませんでした…

投:オンジェイ・ヴァンク
打:マルティン・ゼレンカ、マレク・ミナジーク

テンポのインスタより
マルティン・ゼレンカ

4.最後に

現在なぜかチェコ野球協会公式Twitterが凍結されているため、プレー動画を入れにくくなっておりますが、ご容赦ください。

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