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チェコ代表🇨🇿選手名鑑(2024アジア遠征🇯🇵🇹🇼)

旧Twitter(現X)でチェコの野球について発信しているウリムー(@CzechBaseballJP)です。
今回は、2024年11月の台湾・日本遠征に帯同する選手の紹介を行います。

巨人と育成契約を結んだフルプ選手、最速156km右腕パディシャーク投手など、ベストメンバーに近い構成となっているので、ぜひご一読ください。

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1.代表の遠征について

2024年11月のチェコ代表の遠征日程は以下の通りです

11/2.3 台湾 台北ドーム (両日ともに日本時間18時試合開始)
11/9.10 日本 バンテリンドームナゴヤ (両日ともに日本時間19時試合開始)
 中継 11/9:Prime Video 11/10:TBS系列、Prime Video

写真はフロウフ投手

遠征に先立ち、10/19.20にはスイス🇨🇭代表と親善試合を行い、2連勝しました。特に2試合目はスイス先発のバウアー投手より3点奪いました。

2.代表紹介

投手

#4 ヤン・ヴァショウレク Jan Vašourek (ドラッチ・ブルノ 32歳)
今季成績:16試合 6勝2敗 防御率2.50 投球回72.0 WHIP1.26

長年ドラッチを支え続ける右腕。2008年にはシンシナティ・レッズと契約したが、2013年には帰国し、それ以降毎年活躍している。打球管理に優れ、直近2年で138回を投げ、被本塁打は3本である。プラハ・ベースボール・ウィークで代表初選出となり、今回も引き続き選ばれた。今回は中継ぎ起用が見込まれる。

#7 トマーシュ・ドゥフェック Tomáš Duffek (イーグルス・プラハ 35歳)
今季成績:16試合 8勝4敗 防御率2.79 投球回87.0 WHIP1.27

今季復活したベテラン左腕。一球ごとにアームアングルが変わる変則左腕である。多くはスリークォーター気味に来るが、踏み込んでサイドから来ることもある。130km前後のストレートと異常な曲がり幅を持つスライダーが武器。WBCでは日本戦に登板。2回を無失点に抑えた。初見では非常に打ちにくいため、今回は左殺しとしての起用が見込まれる。

#10 ヤン・トメク Jan Tomek (アローズ・オストラヴァ 32歳)
今季成績:16試合 7勝3敗 防御率2.84 投球回92.0 WHIP1.30

2023年まではドイツ・ブンデスリーガでプレーし、今季チェコに復帰したベテラン右腕。アローズの二枚看板としてチームの上位進出に貢献した。オーソドックスなフォームから140km前後のシュートやカーブを投げる。非常に優れたイニングイーターである。WBCでは日本戦とオーストラリア戦に登板した。今回はロングリリーフとしての起用が見込まれる。

#12 オンジェイ・ヴァンク Ondřej Vank (テンポ・プラハ 19歳)
今季成績:13試合 1勝3敗 防御率5.17 投球回54.0 WHIP1.57

将来性豊かな右腕。制球に難がある(今季41四球)が、奪三振を取れるタイプ(今季70奪三振)の投手である。プラハ・ベースボール・ウィークの代表にも選出され、ドイツ戦と台湾戦でピンチの場面で投入され、火消しに成功した(ヒヤヒヤした)。速球のキレが良く、高めのボール球に手を出してしまう打者を良く見る。制球力が向上すれば、大きく跳ねる可能性を秘めた右腕。今回は中継ぎ起用が見込まれる。

#12 フィリップ・チャプカ Filip Čapka (ドラッチ・ブルノ 25歳)
今季成績:18試合 10勝4敗 防御率3.21 投球回98.0 WHIP1.36

ドラッチの本格派右腕。昨シーズンはオランダリーグでプレーし、防御率2.35と好成績を残したが、今季はあまり調子が良くなかった。140km前後のストレートと、チェンジアップ、カーブ、スライダーを操る。WBCでは日本戦に登板したが、アウトを一つも取れずに降板してしまった。今回はロングリリーフとしての起用が見込まれる。

#19 ミハエル・セナイ Michael Senay (フロリダ大入団 18歳)
今季成績:10試合 3勝3敗 防御率0.74 投球回47.0 WHIP0.81
※成績は2024年春アメリカ高校野球リーグのもの

チェコのトッププロスペクト右腕。来年度からアメリカ大学野球1部でプレーすることが決まった。140〜148kmのストレートに高速スライダー、カーブ、チェンジアップで勝負する。ストレートの回転数は2290回転、スライダーの回転数は2500回転を誇る。18歳にしてチェコのエースとなるポテンシャルも秘めており、名古屋での登板が非常に楽しみである。今回は先発登板もあるかもしれない。

#23 ダニエル・パディシャーク Daniel Padišák (ジョージア大 23歳)
今季成績:15試合 1勝2敗 防御率7.66 投球回22.1 WHIP1.70

チェコNo1右腕。WBCにも選出され、中国戦に先発し、4回無失点だった。2020年以降アメリカでプレーしている。今季は制球に苦しみ不調であったが、ストレートは最速156kmを誇り、他にカットボール、カーブ、スプリットを操る。スイス代表戦に先発し、96マイルを記録した。今回は先発起用が見込まれる。四球連発さえなければ好投するはず。

#26 フィリップ・コルマン Filip Kollman (トジェビーチ・ニュークレアーズ 19歳)
今季成績:10試合 0勝1敗 防御率8.10 投球回20.2 WHIP1.75

プラハ・ベースボール・ウィークで代表デビューした右腕。今季成績こそ良くないが、制球は良く(与四球7)、三振も結構取れる(20三振)ので、被打率を下げることが課題となっている。185cm65kgで、体重が増えれば飛躍が期待できる投手。今回は中継ぎ起用が見込まれる。ポテンシャルがあるので、楽な場面で1イニングほど見てみたい投手。

#29 ダヴィド・クジェチェク David Křeček (コトラージュカ・プラハ 17歳)
今季成績:10試合 3勝2敗 防御率0.63 投球回43.0 WHIP0.93

今季エクストラリーガでデビューした17歳の天才右腕。17歳ながらいきなり最優秀防御率を獲得した。ストレート、カットボール、カーブを投げていることが確認できた。特にカットの切れ味は非常に鋭いため、簡単には打てないだろう。将来的にはアメリカの大学に留学することも考えられる。今回は、中継ぎ起用が見込まれる。2回ほど投げると思うので、思う存分暴れてほしい。

#35 オンジェイ・サトリア Ondřej Satoria (アローズ・オストラヴァ 27歳)
今季成績:17試合 6勝5敗 防御率4.04 投球回89.0 WHIP1.43

言わずと知れた「チェコの投手」。ストレートは速くないが、魔球チェンジアップを武器に空振りを量産する。打者が待ちきれずに引っ掛けてゴロにすることや空振りすることが多い。WBCでは大谷選手から三振をとるなど好投を見せた。今季は被安打と与四球が増加するなど不調であったが、今回は先発が予想される。本業は電気技師。

#42 ヤーケ・ラビノヴィッツ Jake Rabinowitz (トジェビーチ・ニュークレアーズ 36歳)
今季成績:11試合 4勝2敗 防御率3.49 投球回49.0 WHIP1.14

エクストラリーガ11年目のベテラン二刀流。ニューヨーク生まれでアメリカの高校大学でプレーしていた。WBCでは日本戦の8回無死満塁から登板し、犠牲フライでランナーは1人返したものの、被安打と自責点は0であった。145km前後のストレートとスライダー、カーブを操る。今回は、中継ぎ起用が見込まれる。

#57 トマーシュ・オンドラ Tomáš Ondra (フロッシ・ブルノ 28歳)
今季成績:13試合 8勝2敗 防御率2.88 投球回65.7 WHIP1.036

安定感抜群の本格派右腕。打高のエクストラリーガで直近3年で209回を消化し、防御率は2.92→2.87→2.88である。WBCには出場しなかったが、2023年のプラハ・ベースボール・ウィークでMVPに輝いた。今年の同大会も選出されたが、登板機会はなかった。今回は、ロングリリーフでの起用が見込まれる。

#60 ルカーシュ・フロウフ Lukáš Hlouch (トジェヴィーチ・ニュークレアーズ 24歳)
今季成績:9試合 2勝4敗 防御率1.10 投球回41.0 WHIP0.92

チェコが誇る本格派右腕の1人。150km近辺のストレートを投げ、元々奪三振能力は高いが制球に難があり、四球からの自滅や被安打が多かったが、今年は与四球、被安打ともに激減し、キャリアハイの成績を残した。WBCでは日本戦に登板し、四球から打ち込まれたが、今回はリベンジに期待。中継ぎ起用が見込まれる。

#63 ルカーシュ・エルツォリ Lukáš Ercoli (コトラージュカ・プラハ 28歳)
今季成績:18試合 2勝5敗 防御率63.0 投球回4.57 WHIP1.52

チェコ野球協会広報を兼任する左腕。直近2年は不調に苦しんでいるが、8月以降復調の兆しが見えている。WBCでは韓国戦に先発した。130km後半のストレートにスライダー、カーブ、チェンジアップを投げる。今回は中継ぎ起用が見込まれる。左の強打者を抑えこむことを期待したい。

捕手

#21 マトーシュ・ブベニーク Matouš Bubeník (イーグルス・プラハ 18歳)
今季成績:打率.312(77−19) 5本 ops.972

今季成績を飛躍させた18歳。打球速度が非常に速く、長打も多い(安打の半分が長打)。18歳とは思えないような好成績を残し、8月に行われたドイツ代表との親善試合で代表デビューを果たし、7打数5安打2本塁打と大暴れした。初のアジア遠征となる今回も活躍に期待。

#31 マルティン・ゼレンカ Martin Zelenka (米大学1部ノースカロライナ大 24歳)
今季成績:打率.205(44−9) 5本 ops.855 米大学1部
今季成績:打率.314(51−16) 4本 ops.975 エクストラリーガ

チェコの野手トッププロスペクトの1人。今季は米大学1部UNCWでプレーした。打率こそ低いものの、長打が非常に多くopsが高くなっている。7月以降はチェコでプレーし、無双した。プラハ・ベースボール・ウィークではドイツ戦で特大の一発を放つなど、三振は多いものの長打力のあるロマンあふれる選手。守備も上手い。代表では捕手起用が見込まれる。今回で「バレる」ことに期待。

#49 マルティン・ムジーク Martin Mužík (ソコル・フルボカー 28歳)
今季成績:打率.300(120−36) 5本 ops.892

エクストラリーガ最強選手の1人。WBCでは中国戦の9回に逆転3ランホームランを放ち、チェコの勝利に大きく貢献した。ヨーロッパ選抜にも選出された。広角に長打を打ち分けることができる。捕手登録だが、一塁での出場が見込まれる(非常に上手)。チームのユース組織のコーチをしている。

#55 マルティン・チェルベンカ Martin Červenka (フロッシ・ブルノ 31歳)
今季成績:打率.321(159−51) 7本 ops.988

エクストラリーガ最強選手。3Aまで上がったことがあり、チェコ出身の人で最もMLBに近づいた男とされる。これでも去年より打率を1割ほど、opsを5割ほど下げている。プラハ・ベースボール・ウィークでは大学日本代表の渡邉投手から本塁打を放った。主にコーナーと捕手を守り、時には外野や二塁も守るUT性も兼ねる。代表では主に捕手としての出場が多いが、今回はどうなるか。プラハで働きながら、週末になるとブルノまで移動している。

内野手

#5 ウィリー・エスカラ Willie Escala (米独立ミルウォーキー・ミルクメン 25歳)
今季成績:打率.301(146−44) 4本 ops.826

WBCにも出場したユーティリティ・プレイヤー。キューバ人の父とチェコ人の母を持つ。元々アメリカ国籍であったが、WBC後にチェコ市民権を取得した。WBCでは佐々木朗希投手から死球を受けたことで話題となった。今季は米独立サセックス・カウンティでプレーしていたが、打撃不振に苦しみシーズン途中で解雇され、ミルウォーキーへ移籍した。WBCでは外野での出場もあったが、今回はセカンド起用が見込まれる。スイス代表との練習試合では、バウアー投手からマルチヒットを放った。

#15 ベン・モルガン Ben Morgan (コトラージュカ・プラハ 18歳)
今季成績:打率.158(101−16) 0本 ops.572

18歳ながらプラハ・ベースボール・ウィークに続いて選出された若手内野手。打率こそ低いが、選球眼が非常に良く、今季の出塁率は.384(四球29個 死球8個)と編んだ数の倍以上の四死球であった。守備は主に二遊間を守り、堅実な守備を見せる。足も非常に速く、盗塁も13個記録している。今回は試合途中から代走守備固めとして起用されることが見込まれるが。将来的に代表で二遊間のレギュラーを張っていてもおかしくない選手である。

#40 ヤクブ・クビツァ Jalub Kubica (アローズ・オストラヴァ 26歳)
今季成績:打率.310(142−44) 1本 ops.810

内野全ポジションを守るアローズの一番打者。今季は主に一番サードとしてアローズの躍進を支えた。高い守備力が評価され、WBCでは内野のバックアップとして帯同したが、今季は打撃面でも飛躍を見せた。長打こそ少ないが、出塁率も高く、足も速いので代表では9番起用が多い。今回はスタメンでの出場可能性も高い。

#56 ミラン・プロコップ Milan Prokop (ドラッチ・ブルノ 21歳)
今季成績:打率.314(70−22) 4本 ops.978

右の強打者。主にショートを守る。今季は6月までBC神奈川でプレーしたが、出場機会に恵まれず練習生に降格したこともあり、7月にチェコに帰国した。帰国後は打ちまくっており、スイス代表との親善試合ではバウアー投手から右中間奥深くに二塁打を放った。今回は中軸+ショートでの起用が見込まれる。将来のチェコ代表を背負って立つ選手である。

#77 ヴォイテフ・メンシーク Vojtěch Menšík (フロッシ・ブルノ 26歳)
今季成績:打率.186(43−7) 0本 ops.441

右の守備職人。外野手のマテェイ・メンシークの弟。WBCでは全試合で1番ショートで出場した。今季はアメリカでの学業優先のため、8月に一時帰国したときに試合に出場したのみであった。2021年には米大学野球で、2022年にはエンゼルス傘下1Aでプレーした。今回は二遊間での起用が見込まれる。

#97 マレク・クレイチジーク Marek Krejčiřík (フロッシ・ブルノ 23歳)
今季成績:打率.323(133−43) 0本 ops.868

セカンドと外野を守るユーティリティプレイヤー。プラハ・ベースボール・ウィークでは打率4割と大爆発した。打撃は本塁打こそ少ないが、出塁率が非常に高い(.462)。足が速く盗塁や二塁打三塁打を連発する。守備も各ポジションを高レベルでこなす選手で、ベンチからの信頼も厚いと推察される。今回はスタメンかベンチスタートか読めない。

外野手

#11 ミハル・シィンデルカ Michal Šindelka (ドラッチ・ブルノ 18歳)
今季成績:打率.351(77−24) 3本 ops.998

18歳の天才打者。エクストラリーガではプレーオフでホームランを放った。8月のドイツ戦で代表デビューし、スイスシリーズでは左中間へ推計115〜120mの特大本塁打を放つなど結果を残して今回も選出された。足も非常に速いが、今季パワーツールも開花した。今回はスタメンでの起用が見込まれる。NEXTフルプ筆頭候補

#20 アーノシュト・ドゥボヴィー Arnošt Dubový (ドラッチ・ブルノ 32歳)
今季成績:打率.248(133−33) 5本 ops.750

ドラッチのベテラン外野手。今季は率こそ下がったものの、本塁打が増加した。高い守備力からヨーロッパで行われる大会では代表常連だが、故障の影響でWBCには参加できなかった。今回はセンターでの起用が見込まれる。高校の教師をしており、勤務先の高校に日本のテレビ取材が入った。

#33 マテェイ・メンシーク Matěj Menšík (フロッシ・ブルノ 32歳)
今季成績:打率.288(118−34) 2本 ops.761

強打の外野手の1人。弟のヴォイテフ・メンシークと共闘する。WBCでは中国戦でチーム1号本塁打を放ち、チェコ野球史に名を刻んだ。広角に長打を打ち分ける。今季は開幕当初に死球で鼻を骨折し、長期離脱したため成績が伸びなかったが、本来はもっと打つ選手である。今回は中軸での起用が見込まれる。

#73 マレク・フルプ Marek Chlup (読売ジャイアンツ 25歳)
今季成績:打率.252(274-69) 7本 ops.764

言わずと知れたチェコの怪童。9月末に読売ジャイアンツに育成選手として加入。フェニックスリーグに参加し、opsは1.00を超えた。ソフトバンク大津投手から左中間へ特大の一発を放つなど、速くも適応を見せている。詳しくはフルプ選手紹介noteを。今回は中軸としての役割が期待される。

4. 最後に

最後に予想スタメンを考えてみます。

(二)エスカラ
(右)フルプ
(遊)プロコップ
(三)チェルベンカ
(一)ムジーク
(指)シィンデルカ
(捕)ゼレンカ
(左)マテェイ・メンシーク
(中)ドゥボヴィー

先発投手:サトリア、セナイ、パディシャーク

参考文献

データについてはbaseball–stat.czとhttps://fotobanka.baseball.cz/を参考にしました。

写真は

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