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実はあのお話、ワタクシが主人公ですのよ!【ノヂシャ】+おいしく食しました

こんにちは、うりぼうです。

あちこちで植物が春を満喫していますね!

「ナガミヒナゲシ」や「マツバウンラン」も咲き始め、紹介したい野草が多すぎてウキウキしてしまいます。

さてそんな春の野草のうち、今回は「ノヂシャ」のご紹介です。

本当は「ヤエムグラ」か「ヒメウズ」を取り上げようと思っていたのですが、先日「ノヂシャ」の群生を見つけました。これまでも「ノヂシャ」は見たことはあるのですが、数本咲いている程度だったので、まとまって咲いているのは初めてでした。

風にかわいい花がたくさん揺れているのは本当に綺麗です^^

どんな野草?

「ノヂシャ」は日当たりのよい堤防や野原などによく自生しています。五月ごろになると白っぽい、よく見ると淡い青の小さな花を咲かせます。

今はまだ四月の頭。けれど今年は暖かかったからか、すでにたくさん咲いていました。

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小さな花はたくさん集まって咲きます。苞葉(ほうよう)という花芽を保護する葉っぱもあって、なんだか小さなブーケのようにも見えますね!

形は V の集まり

今度は「ノヂシャ」の根本から花の方に向かって注目してみましょう。

まず、枝は二つに分かれています。さらに花の方に向かっていくとまた二つに。花のブーケもよくみると二つの塊があるのがわかります。

いつもの拙いイラストですが、イメージとしてはこんな感じです。(葉っぱの色は適当です^^;)

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大きな木を想像すると、枝というのは色んな所から生えていて、ここまできれいに分岐分岐を繰り返しているのは、少なくとも私は見たことがありません。

植物の世界全体でこういった枝分かれをするものはきっと他にもあると思いますが、これは「ノヂシャ」の大きな特徴の一つだと思うのです。

ですので私は、小さな白っぽい花を塊で咲かせて、きれいに枝を分けているのは「ノヂシャ」だという判断材料にしています^^

みなさんも探すときは参考になさってくださいね。

(余談)フラクタル図形

少し余談です。ここは「ノヂシャ」にはほぼ関係ないので、飛ばしていただいても構いません^^;

いきなりですが、フラクタル図形というものをご存知でしょうか。

少し前に「危険なヴィーナス」という東野圭吾原作のドラマが放送されていましたが、そこにも出てきていたのでご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。

Wikipediaから抜粋すると次のようになります。

図形の部分と全体が自己相似(再帰)になっているものなどをいう

簡単に言い換えると、同じ図形によってその図形が出来上がっているという感じです。

フラクタル図形はある一つの図形のことではありません。上記の定義を満たしているものがフラクタル図形ですので、世の中にはたくさん存在します。

代表的なものを例に挙げると「コッホ曲線」「シェルピンスキーのギャスケット」「ドラゴン曲線」などなど。どれも不思議な形をしていますが、どれもその図を構成するのは同じ図形です。考えた人すごいな、と素直に関心!

その中で私が今回見て欲しいのは、「木のフラクタル図形」と呼ばれているものです。

これです。

フラクタル

一番真ん中の「Y」から分岐にする先に進んでみると、徐々に小さくなっていく「Y」だけで構成されていることがわかるのではないでしょうか。

おや、この形、さっきどこかで見ませんでしたか?

そうです。「ノヂシャ」の枝分かれです。

私は「ノヂシャ」の実物を初めて見た時に、フラクタル図形のようだなと思いました。もちろん自然界のものなので、実際には正確な「同じ図形」ではないと思います。けれども、自然界にはこういった幾何学がたくさんあるのかもしれない、と思いました。

幾何学という学問に関して私は知識がありませんが、もしかしたら自然界に存在する形に何か直感を得て発展した部分もあるのかもしれませんね。

マーシュ、コーンサラダ、そしてラプンツェル

話を「ノヂシャ」に戻しますね。

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「ノヂシャ」は在来種ではなくオランダ原産の帰化植物で、江戸時代頃に長崎で栽培されていたものが野生に広がったと考えられているそうです。

ところでなぜ「栽培」されていたのでしょう?

「ノヂシャ」は漢字で「野萵苣」と書きます。「萵苣」は「レタス」を表す漢字ですが、その名前からも食用として育てられていたのではないか、と思います。

植物の分類上ではレタスはキク科、ノヂシャはオミナエシ科で全く別ものになります。食べられる葉っぱということで名前がついたのかもしれませんね。

オランダ原産と書きましたが、実際にヨーロッパでは「マーシュ(フランス語)」や「コーンサラダ(英語)」という名前で食べられています。最近では日本のスーパーでも売られていたり、園芸店で野菜の種として売られていたりするようです。

ところでみなさんはグリム童話「ラプンツェル」をご存知でしょうか。この「ラプンツェル」もまた「ノヂシャ」だと言われています。

ん?髪の長い女の子の名前だよね?「ノヂシャ」ってどういうこと??

...と思った方もいらっしゃるかもしれないので、冒頭を簡単に紹介します。

 ある村に仲の良い夫婦が住んでいました。二人は長い間子どもに恵まれませんでしたが、ようやく赤ちゃんを授かりました。
 ある日、妻は隣の畑でラプンツェルを見かけ「みずみずしくおいしそうだ」と思います。それから妻はラプンツェルのことで頭がいっぱいになり、ラプンツェルしか食べられなくなってしまいました。
 夫は妻のために隣の畑からラプンツェルを取ってきて妻に食べさせます。妻はその日は元気になったのですが、次の日も、その次の日もラプンツェルを欲しがります。夫は仕方なく毎晩ラプンツェルを取りに行きます。
 しかしある晩、夫は畑の主の魔女に見つかってしまいます。
 妻が欲しがっている理由を魔女に説明すると、魔女は「ラプンツェルをあげる代わりに、子どもができたら私が引き取って育てる」と約束させます。
 そして、生まれた子どもは約束どおり魔女に奪われてしまいます。
 魔女は子どもを「ラプンツェル」と名付け、高い塔で育てました。

これはグリム童話の冒頭なので、ディズニー映画はわかりません^^;

妻がなぜそんなに「ラプンツェル」を欲しがったのかはわかりませんが、「ノヂシャ」は栄養価が高いと言われているので、ヨーロッパでは妊婦さんの食べ物として有名なのでしょうか?(本当のところ、ご存知の方教えてくださると嬉しいです^^)

とはいえ、グリム童話が日本にやってきたとき、女の子の名前まで訳されなくてよかったです。「ラプンツェル」はかわいい響きですが、「ノヂシャ」はちょっと主人公としては地味な気もします。

実食してみました

これまでも「ノヂシャ」を見かけたことがあるのは、冒頭でお話した通りなのですが、実際に食べたことはありませんでした。理由は簡単。「食べたかったけどそれほどたくさん生えてなかった」からです^^;

サラダにするにも、ある程度の量が必要です。今回は群生を見つけたので、さっそく食べてみました。

まず「ノヂシャ」の食べごろと、どの部分を食べるかについて説明しておきますね。

「ノヂシャ」は葉っぱの部分を食べますが、主に花の出ていない若苗の時に収穫され食べられているようです。どうやら種ができるころには葉にも苦みが出てくるようです。

今回私は花の咲いたものを頂きましたが、先週まで全く花が咲いてなかったので、若苗に近い状態であったのかもしれません。葉にはまったく苦みはありませんでした。

写真は根元から取った株です。

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群生から分けてもらったのはこの株のほかに、これより葉の少ない株を二株の、合計三株。サラダにしたのは株の下の方の葉っぱがこんもりした部分と、分岐点についている葉っぱです。

お花はかわいそうなので、花瓶に飾りました。...が、なんせ一株あたりの花の量が多く、とても密になってしまいました。美しく活けられなくて申し訳ない気持ちを抱きながらサラダを作ります。(私のセンスの足りなさ...)

実際に葉っぱだけになると、少し少なかったのでレタスで嵩上げ。

あとは、オリーブオイルでカリカリベーコンを焼き、プチトマトを切ってそれにかけます。

完成!(サラダだから簡単^^;)

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上に乗っかっているのが「ノヂシャ」です。食べるときはさらに半熟卵を乗せたのですが、割れてしまったので写真はありません^^;

ドレッシングはお好みでどうぞ。

食べた感想

なんというか、サラダでした。(そのまんまですね^^;)

クセもなく、苦みもなく、スーパーでベビーリーフを買ってきて乗せたような感じです。これで栄養価が高いのですから、ラプンツェルのお母さんが食べたくなるの気持ちもわかります。

さいごに

今回は「余談」が入った分、少し長くなってしまいました。楽しんでいただけたなら幸いです。

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花が終われば種ができるので、そちらを採取して育ててみようかとも思っています。本来のおいしさのノヂシャを食べてみたい(#^^#)

「ノヂシャ」は日当たりの良い堤防や野原などに自生しています。小さい白っぽい花束を是非に見つけてみてくださいね!

食べたい方は、サラダだけではなくて、パスタなどもレシピ検索で出てきますよ。(その場合、「ノヂシャ」よりは「マーシュ」で検索したほうがいいかもしれません)

ただし野草を食べるときは、自己責任でお願いします。申し訳ないですがお腹こわしても、私は責任取れません...^^;

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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