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わたしのこと、わかる?【ヒメスミレ】

こんにちは、うりぼうです。

暖かくなって「春だ!」と思いきや、またいきなり寒くなる日々…。

それでも私の鼻は春を感じているようで、とてもムズムズするそんな毎日を過ごしていますが、みなさん体調崩されていませんか?

さて今日は春の足元を彩ってくれる「スミレ」のお話です。

今回はその中でも「ヒメスミレ」を中心に紹介したいと思います。

アスファルトのすき間からでも生えているこの子たちは、比較的見つけやすいと思います。

よく似ている「スミレ」「ノジスミレ」との見分け方もお話しますね。

とはいえ、スミレの見分けは難しいので、写真が間違っていたら教えてください!🙇💦

どんな野草?

「ヒメスミレ」はスミレ科スミレ属の植物です。都市部でも比較的よく見られるスミレで、花は紫色をしています。

吸い殻といっしょ

花の内側にある模様は、虫に「蜜はここですよ」というサインの役割もしています。

名前は、同じような紫色の花を咲かせる「「スミレ」よりも小さい花」の意味で「姫」の文字が付けられたようです。

漢字で書くと「姫菫」。
美しいお花だな、という感じがしますね^^

しかし「スミレ」の名前は大工さんの「墨入れ」が訛った、という説があるそうです。

木材に線を引くときに使う「墨入れ」に、花の形が似ているからだそうですよ。

美しいというよりは、カッコいい感じの由来だな、と感じます。

話を「ヒメスミレ」に戻しましょう。

花の後ろにあるお尻の部分が白っぽいのも、「ヒメスミレ」の特徴です。
(赤い斑点があるものも多いです。)

赤丸の部分です^^

この部分は「距(きょ)」と呼ばれる場所で、蜜がある場所になります。

「距」はスミレの仲間を見分ける判断材料にもなりますよ。

「ヒメスミレ」は葉っぱにも、三角形で側面がすこしギザギザしているという特徴があります。

この葉っぱ、春は少しコンパクトなサイズですが、夏になると大きくなります。

どうやって「ヒメスミレ」ってわかるの?

次に「ヒメスミレ」の見分け方をお話しますね!

「ヒメスミレ」に似ているスミレには「スミレ」「ノジスミレ」があります。

それぞれの特徴を見てみましょう!

まずは花です。

花の特徴

  • 【ヒメスミレ】 距が白っぽい。花の側弁に毛がある

  • 【スミレ】 距は花の色と同じような紫。花の側弁に毛がある

  • 【ノジスミレ】 距は花の色と同じような紫で細長い。花の側弁には毛はない花の外側が波打っている。

文字で書いていても分かりにくいですね^^;
実際に見てみましょう!

赤丸:距
緑丸:側弁(花の内側の横っちょ)の毛の部分

拡大率はバラバラです^^;

葉の特徴

続いて葉に注目です。

  • 【ヒメスミレ】 三角で外側がギザギザしている。

  • 【スミレ】 ヘラ型。葉の柄に沿って翼(よく)と呼ばれるヒレようなものがついている。

  • 【ノジスミレ】 毛が多い。

では実際に見てみましょう!

が!!「ノジスミレ」の手持ちの写真が一枚しかなく、しかも花にピントを合わせて撮ったので、毛の様子全くわかりません(T_T)ごめんなさい。

「ヒメスミレ」と「スミレ」の違いは伝わるはず(;_;)

「スミレ」の葉っぱの柄にビロビロとヒレみたいなのが広がっているのが「翼」です。

「ノジスミレ」以外の2つは、なんとなく違いがわかりましたか?^^

「スミレ」と「ノジスミレ」の全体像も一応載せておきますね!

スミレ
ノジスミレ
花の茎にも短い毛があります^^

スミレたちの工夫

最後にスミレの仲間たちが子孫を残すためにしている工夫をお話したいと思います。

蜜はハチくん専用!

「ヒメスミレ」に限らず、スミレの仲間は子孫を残すための工夫をいろいろしています。

その一つが「ハチをターゲットにすることで、効率よく受粉してもらいたい!」ということです。

ハチは同じ種類の植物から蜜を吸う習性があるそうです。

植物にとっては、この習性はとてもありがたい習性ですよね。

ではどうやってハチに来てもらっているのでしょう?

スミレの花の内側にある模様も、もちろん重要なのですが、ここではスミレの形に注目したいと思います。

先ほど「距(きょ)」というスミレの花の後ろにあるでっぱりを紹介しました。

この部分には蜜がありましたよね?

次にスミレを前からもよく見てみましょう!

これは「アメリカスミレサイシン」
というスミレです^^

真ん中にちらりと見える黄色の先に薄緑色の突起が出ているのが見えますか?
それがめしべの柱頭です。

蜜の場所と比べると、とても前の方にありますよね?

なぜこのような形になったのでしょう?

先ほど見たように蜜はスミレの奥にあります。そのため、蜜を吸えるのは口(舌?)の長い虫だけになります。

こうして蜜を吸える昆虫を絞っているのですね。

そしてその長い口を持った昆虫こそ「ハチ」なのです。(花の蜜を吸うハチです^^)

ハチとしても、蜜を獲得する競争相手が少ない方がたくさんの蜜を集められます。

お互いにWINWINの関係なわけですねv(^_^)v

こうして受粉担当として選ばれたハチは、スミレにやってくると蜜を吸おうと頭を突っ込みます。

するとなんということでしょう!おしべの花粉がハチについてしまったではありませんか!

「うわ、汚れちゃったぞ?!」…なんてハチは気にしないので、蜜を求めて、別のスミレに移動します。

そしてまた蜜を吸うために頭を突っ込みます。

おや?手前にはめしべがありましたよね?!

こうしてスミレは蜜だけ取っていくような虫ではなく、ちゃんと受粉してくれる虫を選別し受粉してもらっているわけです。

自分でもせっせと作る

しかし、ハチくんたちが活躍してくれる春が終わると、スミレは子孫を増やせません。

そこでスミレは考えました!

「よし!自分で種を作るぞ!」

スミレは「閉鎖花」とよばれる花の開かない蕾のままのものを作って、その中で受粉を行うことを考えました。

あれ?どこかで聞いたことのあるお話です^^;

「ホトケノザ」でお話した「自家受粉」と同じですね。

スミレは「ホトケノザ」と同じく「自家受粉」をして自分のクローンを作ってしまうわけです。

スミレの仲間の種は大体みんなこんな形をしています。

以前かるた大会の解答で
「ノジスミレかな?」と書いたのですが、
改めて見に行ったら「ヒメスミレ」でした^^;

なんとスミレはこの種をポンポンと飛ばしてしまいます。

しかし、それほど遠くへは飛ばせません。

受粉した種ならそれで良いのですが、閉鎖花を使い自分で受粉した種は遺伝子的に同じ。環境の変化のあった時、一網打尽になってしまいます。

そこでスミレは考えました!

「そうだ、アリさんに運んでもらおう!」
(おや、ホトケノザと同じことを言っている…)

というわけで、スミレの種にも「エライオソーム」というアリさんの好きなものがついています。

(種を観察した写真がありませんでした(T_T)
  だいたいホトケノザと同じようなものだと想像してください)

【2022/09/18 追記】
ようやく「ヒメスミレ」の種を撮影しました^^;
白い部分がエライオソームです。

ちょっと生地の網目が邪魔な感じですが、白い部分わかりますか?

アリさんは喜んで「エライオソーム」がついた種を巣に持ち帰ります。

「エライオソーム」を取ったあとの種はアリさんたちにとってゴミなので、巣の外に運び出します。

無事、スミレの種は地上に戻ってくることができましたね^^

こうして、スミレは自分のクローンを自分から遠くの場所へ運んでもらっているのです^^

めでたしめでたし。

おわりに

今回は「ヒメスミレ」を紹介しました。

夕日の中のヒメスミレ

とはいえ、ほとんどが「スミレの仲間」の話になってしまいました^^;

スミレは本当にたくさんの種類があります。

今回紹介していない身近なスミレもたくさんあります。

記事を読んでくださったことで、スミレウォッチングがちょっぴり楽しくなってもらえれば嬉しいな、と思います^^

最後まで読んで頂いてありがとうございました。


2022/03/28追記

コメントにてはなえみさんに「スミレを食べたことがある」とお話を聞いたのですが、なんと記事にしてくださいました✨

わーい!

葉っぱもお花も食べられることに驚きました。何より美味しそう🤤

そして気になるお花の砂糖漬け!
砂糖の量を想像してどれほど多いのかと恐れをなしています(^-^;)

作れたら素敵だな、とは思うんですが……なかなか手が出なさそうです。

酢の物がとても気になる今日この頃。絶対かわいい^^

はなえみさん、とっても楽しかったです^^
記事を書いてくださってありがとうございました。

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