悪いって言われても…【ワルナスビ】
こんにちは、うりぼうです。
夏日を超える日が徐々に多くなってきました。暑いのが苦手な私は、この急激な暑さの訪れにすでにバテています...
みなさまは体調大丈夫ですか?
さて、今回紹介するのは「ワルナスビ」です。
図鑑をペラペラめくっていて、まだ見たことのない植物を眺めることがありますが、その中でも名前のインパクトが強くなかなか忘れられなかったのが「ワルナスビ」でした。
悪い茄子って!!
いつか実物を見てみたいな。どのくらい悪いんだろう?!
と、思っていたのですが、ようやくこの間出会うことができました。
調べれば調べるほど、「うーん、この名前になるのも仕方がないな」と思わせる「ワルナスビ」の世界を楽しんで(?)いただければ、と思います。
どんな野草?
「ワルナスビ」は北アメリカ原産のナス科ナス属の植物です。
花は直径3㎝ほど。真ん中の黄色い雄しべが良く目立っていますね。
私が見た「ワルナスビ」は白だったのですが、薄紫色のものもあるようです。
同じナス科ナス属には「ナス」「ジャガイモ」「トマト」などがありますが、ナスの花は紫が濃い印象があるので、図鑑などに書かれているように「ジャガイモの花」とよく似ているかもしれません。
トマトとは雄しべの雰囲気がちょっと違う印象です。
背丈は50cm~1mの間といった感じでしょうか!?葉っぱがの長さが10cm超えそうな大きさなので、葉っぱの存在感はなかなかです。
果実はオレンジ色だそうです。これから実ってくると思うので、引き続き観察していきたいと思います。
また見つけたら写真を載せますね^^
ワルナスビの命名と悪ポイント
「ワルナスビ」という名は「日本の植物学の父」ともいわれる牧野富太郎さんが名付けました。
名前の由来は、そのまま「悪い茄子」です^^;
牧野さんはその命名について「植物一日一題」という著書で語ってらっしゃいます。面白いですので、興味のある方はぜひ^^
青空文庫でも読めますよ。
では、悪ポイントをいくつか紹介しますね。
■ 地下茎でどんどん増える
「ワルナスビ」は種子だけでなく地下茎でどんどん増えます。
断片だけで増えるので、畑を耕すときにそこに「ワルナスビ」が生えていたらもう大変!
「ワルナスビ」が大繁殖してしまうのです。
■ 毒成分も含んでいます
ソラニンという毒成分も持っているため、果実を食べることもできず、また、家畜のエサにすることもできません。
■ 棘だらけ
「ワルナスビ」はとにかく棘が多いです。
茎にはもちろんのこと、なんと葉の表と裏の主脈(葉っぱの真ん中にある一番太い葉脈)にも棘が!
実際に見てみましょう。
<表>
わかりにくかったので印をつけてみました。
<裏>
もう、絶対痛い!
動物も傷だらけになってしまいそうです。
■ そんなこんなで除草や駆除が大変!
「地下茎で増える」ことや「棘だらけ」からも察することができるように、除草や駆除がとてつもなく大変です。
■ そのほか
・ジャガイモやナスと同じく、農作物の害虫として有名な「ニジュウヤホシテントウ」が寄ってくる。(農家さん大変!)
・ナス科の野菜を植えるとき、ワルナスビが生えていた場所は連作障害を発生させてしまう。(これまた農家さん大変!)
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さて、いくつか悪ポイントを挙げてきました。いかがだったでしょうか。
牧野さんは「植物一日一題」の中で以下のように記していらっしゃいます。
アメリカ本国でも無論耕地の害草で、さぞ農夫が困りぬいているであろうことが想像せられる
たしかに、どちらかというと農家さんが困る植物、といった印象を受けます。
もっとも、駆除が大変という悪ポイントについては農家さんだけに留まりません。庭には、あまり植えたくないというのが正直なところです^^;
ですが、きっと「ワルナスビ」の悪さは元々の生活圏では必要な「悪さ」だったのだろうな、と思います。
最後に
今回はワルナスビを紹介してきました。
「悪い」と名付けられてしまうのも仕方ないかな、と思う悪ポイントの数々。
英語でも「悪魔のトマト」と呼ばれているようなので、世界共通の悪ポイントなのかもしれません。
とはいえ、何故そんなにトゲトゲボディにしたのかしら?その上、毒まで作っちゃったの??
そんなことしなければ、果実を食べてもらって遠くでまた芽が生えるかもしれないのにな、なんて思ってみたりしました。
まぁ、彼らには彼らの事情があるのでしょうね^^
ワルナスビに似た植物として「イヌホオズキの仲間」がいますが、見分け方としては、花のサイズと葉っぱの棘の有無を見て頂ければ間違いないかなと思います。
「イヌホオズキの仲間」には葉っぱに棘がなく、花のサイズは1㎝くらいです^^
一応写真を載せておきますね。
(多分「アメリカイヌホオズキ」かと思われます)
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。