僕たちだって花が咲くんだよ!【ヤエムグラ】
こんにちは、うりぼうです。
なんとか今日に間に合いました!
二週間に一度野草のお話を更新する目標だったのですが、このところ何かと忙しくてあまり時間が取れず、野草の記事を書けるかどうか、というギリギリのラインでした。良かったー!
そんな個人的事情はさておいて...(話しておいてなんですが^^;)
今回は「ヤエムグラ」をご紹介します。
ネバネバなアレ
「ヤエムグラ」は比較的どこにでも生えているので、目にしたことがある方もすごく多いと思います。
これです。
パッと見、緑の草で特にかわいい感じもせず「うん、雑草だな!」と言われちゃう部類かな、と思います。(「ヤエムグラ」好きな方、言い方悪くてすみません^^;)
特徴は、なんといっても触った感じ少しザラザラというかネバネバとした葉っぱや茎。これらは服にもくっつくので、子どものころ服などに葉っぱをくっつけて遊んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このザラザラの正体は、ヤエムグラを覆っている棘にあります。
同じ写真を拡大してみましょう。
茎の部分や葉っぱの淵に、ヤエムグラが伸びている方向とは逆向きの棘がたくさん見えますね!この棘が引っかかって、触った感じのネバネバザラザラ感を生み、くっつくのです。
かわいい花
さて、このヤエムグラですが、実は今の時期(5月ごろ)には花を咲かせます。とはいえ、とても小さな花で見ようと思わないと全く目に入りません。
ちょうどたくさん咲いていたので、ご覧ください^^
だいぶん寄っているので大きな花に見えますが、花の大きさは1.5~2mm程度になります。(小さすぎてピントがほとんど合ってないですね...すみません^^;)
花びらは4枚で、花の色は黄緑というか、白っぽい黄色のような色味です。せっかくなので大きくしてみますね。
一輪だけではなく、たくさんの花芽が密集しているのがわかります。そして一番上の部分からだけではなく、葉と茎の間からも花を咲かせているのです。たくさん咲かせるんですね^^
おや、ちょうどテントウムシが通りかかりました。テントウムシと比べるとなんとなく花の小ささが伝わるかな。
「そういえば何か白いものがあるかな?」位にしか見えませんね^^;
花が咲いているのかどうなのか、注目しないと目につかないかもしれません。
種子も毛だらけ
「ヤエムグラ」は種子を動物などにくっつけて運んでもらうタイプの植物、いわゆるくっつき虫ですので、種子にも毛がいっぱいです。
下の方の丸いっこいものが二つ繋がっているものが種子です。今は緑色ですが、徐々に茶色くなっていくようです。
少し拡大してみますね^^
う~ん、毛だらけです。この毛が動物や人の服に絡まってくっつき、運搬されるのですね。植物の工夫はすごいです!
種子は花よりも大きいように感じました。
百人一首のヤエムグラ
ところで、百人一首に「ヤエムグラ」があるのはご存知でしょうか。
47番 恵慶法師(えぎょうほうし)の歌です。
八重葎 しげれる宿の さびしきに
人こそ見えね 秋は来にけり
中学の頃、冬休みの宿題で「百人一首」の暗記がありました。
年明けのかるた大会に向けて、という理由もあったのでしょうが、和歌を知る、という意味もあったのかもしれません。しかし、中学生の私は、意味を覚えることもなく文字として必死に暗記しました。(もちろん全ては覚えられませんでしたが^^;)
それが役に立ったのか、野草「ヤエムグラ」を知った時、そういえば百人一首の中にそんな草の名前が入った歌があったぞ、となんとなく思い出すことができました。
「どんな歌だっけ?」と、当時の私はさっそく百人一首を調べました。ところが、この「八重葎」は「ヤエムグラ」違いだったのです。
簡単に説明しますね^^
先ほどの歌の現代語訳は
つる草が何重にも重なって生い茂っている荒れ寂れた家。訪れる人は誰もいないが、それでも秋はやってくるのだなあ。
だそうです。(小倉山荘のHPより)
ここでいう「八重葎」は、「八重」が何重にも重なった様子を表し、「葎」はつる状の雑草を表すのだそう。野草の「ヤエムグラ」そのものを指す言葉ではなかったのでした。(現在の「カナムグラ」だという説もあるようです。)
ちゃんと意味を覚えておかないといけなかったのかもしれませんが、後から調べてみたことで、逆に印象に残ることとなりました。当時はわからなくても、後で新たな発見に繋がったりするものですね^^
ちなみに野草「ヤエムグラ」の漢字は「八重葎」で百人一首と同じです。
さいごに
普段は「ただの緑だな」「葉っぱだな」としか思えない野草も、子孫を残すためにいろいろな工夫をしているのですね。
そしてよく見ると、実はとても可愛かったりします^^
「ヤエムグラ」今が花盛りなので、ぜひとも観察してみてくださいね!
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。
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