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ぼくたちの花の色本当に知ってる?【オオイヌノフグリ+α】
こんにちは、うりぼうです。
朝晩の寒さは冬を感じますが、日中は春の陽気がぽかぽかと気持ちの良い季節になってきましたね。
「春の野草たちが咲き始めるのはもうすぐかな?」
と思っていたら、ヒメオドリコソウやキュウリグサ、スミレなどなど、いつの間にかちょこちょこ咲いているではありませんか!
今年はとても寒かったので、春の陽気で一気に花開いているのかしら?!
今回は、そんな春の陽気で一気に目立ってきた「オオイヌノフグリ」を紹介しますね!
どんな野草?
「オオイヌノフグリ」は比較的どこにでも見られる野草ですので、ご存知の方も多いと思います。
小さな花は、ネモフィラを思い起こさせる綺麗な青い色をしています。
![](https://assets.st-note.com/img/1646548251859-ClUOiW2zlq.jpg?width=1200)
「オオイヌノフグリ」はオオバコ科クワガタソウ属の野草で、ヨーロッパ原産の帰化植物です。
1880年代に東京で見つかったのが最初と言われています。
花のサイズは1㎝くらいでしょうか?!青いかわいいお花を咲かせます。
花の特徴
「オオイヌノフグリ」の花をよく見ると、線が入っているのが見えるでしょうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1646549090429-5a4wlFLcKh.jpg?width=1200)
この線は受粉しに来た虫たちに、「蜜はここだよ!」と教えるサインの役割をしています。
また、「オオイヌノフグリ」は花が揺れやすい構造をしているので、蜜を吸いに来た虫たちの身体に花粉がつきやすくなっています。
花の付け根を見てみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1646549467791-7Eatr7xA6F.jpg?width=1200)
花は茎から遠いところにあり、少しのことで揺れやすそうな構造をしていますね。
花が揺れやすいことで、「おおっと危ない!」と虫たちはおしべやめしべを掴んで落とされないように頑張ります。そうして花粉がつきやすくなっているのですね^^
花は受粉すると、ポロリと落ちてしまいます。
![](https://assets.st-note.com/img/1646550579014-PVLwfbc96C.jpg?width=1200)
花びらが桜のようにハラハラと散っていくのではないのですね。
花の色
さてここまで「オオイヌノフグリ」の花は青色!と私は何度か言っていました。
実は「青」とは言い切れない綺麗なグラデーションをしているものもあります。
例えばこれを見てください。
![](https://assets.st-note.com/img/1646549993481-cvwdBwkCbm.jpg?width=1200)
花の先が赤紫色をしていますね。
ではこちらはどうでしょう?
![](https://assets.st-note.com/img/1646550076247-FJCcZ64EG9.jpg?width=1200)
これはもはやすべて赤紫色ですね。
初めてこの色の「オオイヌノフグリ」を見た時、「オオイヌノフグリ」に似た別の花かと思い家に帰って調べました。
すると、早春の時期の「オオイヌノフグリ」は紫っぽい色になることがあるとのこと!
また外的要因によって変わることもあるそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1646550272457-81Kz5pvKWc.jpg?width=1200)
つい最近ですが寒いのですものね
…ピンぼけですみません^^;
青い色も綺麗ですが、赤紫色の花もとても綺麗です。
なお、「オオイヌノフグリ」には白い花を咲かせるものもあるようです。
農薬による白化現象もあるそうですが、農薬の影響のない純粋な「シロバナオオイヌノフグリ」も存在するようです^^
名前いろいろ
「オオイヌノフグリ」の名前は、在来種である「イヌノフグリ」より大きいことからつけられました。
では「イヌノフグリ」は、というと、種子が「犬の陰嚢(ふぐり)」に似ていることからつけられたという何ともかわいそうな由来であることは有名ですね。
もともと在来種として「イヌノフグリ」があったばかりに、「オオイヌノフグリ」もまた、なんともかわいそうな名前で定着してしまいました。
「瑠璃唐草」「天神唐草」「星の瞳」などの綺麗な別名もあるのですが、あまり定着しなかったようです。
ところがヨーロッパではとても綺麗な名前を持っています。
英名では「キャッツ・アイ(猫の瞳)」「バーズ・アイ(鳥の瞳)」と呼ばれていて、とても美しい名前になってます。
宝石にもキャッツアイがありますね。
宝石とも並んでいることを考えると、本当に美しい花として認識されているのだな、と感じます。
宝石のキャッツアイについては、はなえみさんが詳しい記事にしてくださっていますので、そちらをご覧ください^^
→【誕生石】キャッツアイ(クリソベリル)
学名は「Veronica persica」
persicaは「ペルシャの」を意味しますが、「クワガタソウ属」を表す「Veronica(ベロニカ)」の由来は聖女ベロニカからつけられたとも言われています。
彼女は、十字架を背負いゴルゴタの丘へと歩くキリストを憐れみ、額の汗を拭くよう自身の身につけていたヴェールを差し出した。キリストは彼女の申し出を受けて汗を拭き、ヴェールを彼女へ返した。すると、奇跡が起こった。ヴェールには、キリストの顔が浮かび上がっていたのである。
「オオイヌノフグリ」の花をよく見るとキリストの顔が浮かび上がってくるらしく、この名前が付けられたという説もあるそうです。
…じっくり見てみたものの、私にはよくわかりませんでした^^;
ごめんなさい。
みなさんは見えますか?
仲間も咲くよ!
最後に「オオイヌノフグリ」の仲間たちを簡単に紹介しますね!
これから咲いてくるものもありますので、見かけたらぜひとも観察してみてくださいね!
タチイヌノフグリ
![](https://assets.st-note.com/img/1646553631383-HQ084hkCJd.jpg?width=1200)
オオバコ科クワガタソウ属 帰化植物
茎がスッと立ち上がって咲くので「タチイヌノフグリ」
「オオイヌノフグリ」と違って、花と茎が密着している感じで咲く
「オオイヌノフグリ」より小さな花
フラサバソウ(ツタバイヌノフグリ)
![](https://assets.st-note.com/img/1646553950552-NCKrBhVA5U.jpg?width=1200)
オオバコ科クワガタソウ属 帰化植物
ガクや茎など、毛がいっぱい
地面に這うように伸びるが、上部はやや立ち上がる
「オオイヌノフグリ」を小さくしたような花
葉っぱの形が「ツタ」に似ているので、「ツタバイヌノフグリ」とも呼ばれる
イヌノフグリ
…まだ見たことがありません…
オオバコ科クワガタソウ属 在来種
「オオイヌノフグリ」よりも小さな桃色の花をつける
花期は「オオイヌノフグリ」よりも早い時期(2~3月頃)
おわりに
今回は「オオイヌノフグリ」を紹介しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1646554704593-d8DNb7mdOM.jpg?width=1200)
身近にある野草でついつい「咲いてるな。かわいいな」で終わっていましたが、調べるといろんな工夫をしていたりして面白いな、と思いました。
別名に「星の瞳」というものがある、という話をしましたが、俳句でも詠まれていました。
犬ふぐり 星のまたたく如くなり
高浜虚子
この「犬ふぐり」は在来種の「イヌノフグリ」ではなく「オオイヌノフグリ」だそうです。
確かに群生している「オオイヌノフグリ」はとても綺麗で、星空が広がっているようにも感じられます。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました^^