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個性的って言われるの【ナワシロイチゴ】
こんにちは、うりぼうです。
今年は梅雨が早くやってきたためか、豪雨も例年に比べて時期が早かった気がします。
そんな初夏、お散歩途中に見たことのない植物を見つけました。
花が咲いているのか蕾なのか、よくわからない咲き方だけど、とってもきれいな色だな、と家に帰って調べたら「ナワシロイチゴ」であることがわかりました。
折角なので、今回はナワシロイチゴを紹介しますね。
どんな植物?
「ナワシロイチゴ」はバラ科キイチゴ属の植物です。
蔓性で、巻き付いたり低く這ったりしながら生活しています。
もちろんバラ科の特徴でもあるトゲトゲは「ナワシロイチゴ」にもついています。
「ナワシロイチゴ」自体はバラほど太い茎でもないのですが、棘はきっちりバラでなかなか鋭いです。
このイチゴが生えているところを歩いたら傷だらけになりそうですね。
キイチゴ属というだけあって、六月頃、つぷつぷの実がたくさん集まった赤い果実がなるようです。
食用として問題ないそうですが、生のまま食べてもめっちゃおいしい!...というほどではないそう。ジャムにするとおいしい、とWikipediaに書いてありましたので、今から楽しみです^^
なんといっても個性的!
「ナワシロイチゴ」を初めて見かけた時、私は蕾かな、と思いました。
「がく」は開いているのに、ピンクのきれいな花びらはすぼんだまま、これから咲くのかしらと思って楽しみにしていたら、そのまま花びらが落ちている様子です。
はて?と思って調べてみると、なんと「ナワシロイチゴ」は花びらを開かない植物のようです。
今から開く蕾はこれ。
真っ盛りに咲いている花はこれです。
肝心の花びらは立ったまま開こうとはしません。むしろ「がく」が本命の花びらかのように開いているところもまた面白いです。
植物にとって花びらとは虫を呼び寄せたりすることが重要な役割のはず。実際「ナワシロイチゴ」も綺麗なピンク色をしています。
なぜ開かないのかは「ナワシロイチゴ」に聞いてみないとわかりませんが、彼らの「がく」はほかの植物に比べると受粉後もせっせと働きますので、体力温存しているのかな、と思ったりもします。
受粉はやっぱり主に虫が行うようです。
ミツバチも来ていましたが...どうやって蜜を吸うんだろう?!
花びらの部分を押し開いて、蜜を吸うのかしら。
「ナワシロイチゴ」は花の中に複数の「おしべ」と「めしべ」を持っています。もしかしたら、そうやって花びらをわしゃわしゃされることで、受粉できるのかもしれませんね。
開いていた方が効率が良さげなのに、それを選ばないこだわりが「ナワシロイチゴ」にはあるのかもしれません。
彼らはなかなか個性的な性格のようです^^
受粉しても個性的!
個性的といえば、彼らは受粉後も個性的です。
先ほど「がく」が受粉後もせっせと働くということを言いましたが、どういうことなのか説明しますね。
受粉後、彼ら花びらを落とすと、なんと「がく」を閉じてしまいます。そして実が大きくなる準備をし、熟すとまた開きます。
普通の植物にはあまり見られない特徴かな、と思います。
ではさっそく、受粉した花の様子を見てみましょう。
真ん中の花はもうすべて花びらが落ち切っていますね。右の花は落ちかけ、といったところでしょうか。(「めしべ」がたくさんある様子も良くわかります^^)
その後、茶色くなり「がく」が次第に閉じてきます。
一番右下のものは、もうほとんど閉じ切っていますね。このまま実が成熟するまで待つのです。
イメージ図にするとこんな感じでしょうか?!(ちょっと雑ですが^^;)
① つぼみ
② 花が咲く
「めしべ」がちょっと頭を出す。「おしべ」も「めしべ」もこの中にはたくさんあります。
③ 受粉し花びらが落ちる
④ 茶色くなって「がく」が閉じる
⑤ つぼみと同じように閉じる。けれど、つぼみより大きい。
⑥ 実ができる!たくさんのめしべからできた果実が集まった集合果。
次に「がく」が開くときは、「おしべ・めしべ」じゃなく実がなっている。なんだか手品みたいです^^
-*-*-*-*-*- 2021/06/13追記 ナワシロイチゴの実
ようやく「ナワシロイチゴ」のガクが開いて実が顔を出しました。
折角なので写真を載せておきますね^^
ガクが開ききる前は実はまだ赤くないのですね!
赤くなってから開くのかと思っていました。
実際に目にしないとわからないものです^^
(ちなみにお味は、普通のイチゴよりも酸味が強い感じでしたよ!)
-*-*-*-*-*-
(余談) バラは木なんですね...
ここは「ナワシロイチゴ」に関係ないので飛ばしていただいて構いません。
今回「ナワシロイチゴ」を調べた時に、てっきり草だと思っていたのですが「落葉低木」つまり木の仲間だとわかりました。
あれ、「バラ」って蔓のものもあるし草の仲間のイメージだったけどなぁ。同じバラ科のイチゴも草っぽいし草じゃないの?
というわけで調べてみました。
植物学的に植物は大きく「木本(もくほん)」と「草本(そうほん)」に分けられるようです。(つまり木と草ですが、中にはこの分類に当てはめられないものも存在するようです。)
その判断の一つとして茎が「木化」するかしないかで分類されるようです。(間違っていたら訂正してください^^;)
木化とは長年生育する中で、茎が茶色く硬くなり、まるで木のようになることを表します。アジサイの新しい部分は緑ですが、古い部分は木のようですよね。ああいう状態のことだと思います。
バラもそういえば同じですよね。
バラは自分では育てたことがないので、木だとは思い至りませんでした。
というわけで、バラは木だそうです。
普通のイチゴは草のようですが、ナワシロイチゴは木のようです。
同じバラ科でも、色々違っていてややこしい...^^;
なるほど、勉強になりました。
おわりに
今回は「ナワシロイチゴ」を紹介してみました。
厳密には「木」なので「野草」には含まれないかもしれませんが、身近に生えていた植物ということで...すいません^^;
植物は花が開いて受粉し、花びらが落ちて子房が大きくなって実になる。
そう思っていましたが、植物にはそれだけではなく、花びらは開かず、受粉後「がく」を閉じてしまう植物があることを知って、やっぱり植物は面白いな、と思いました。
今回はちょっと時期が早め、ということもあって果実は紹介できませんでしたが、いずれまた紹介出来たら、と思います。
ちなみに、果実の時期は六月頃と言いましたが、これがちょうど苗代(稲の苗を育てるための田)を作る時期に当たるので「苗代苺」と名付けられたようです。
他に「皐月苺(さつきいちご)」「早生苺(わせいちご)」などとも呼ばれるようです。
日当たりの良い場所で育つようですので、もし見つけたらこの個性的なかわいい花を観察してみてください^^
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。