試練のたびに女々しく狼狽して仕事を放棄してきた俺が、もはやたいていのピンチでは鼻毛も動かさなくなったある簡単な方法
かつて俺はピンチのたびに狼狽し、騒ぎ、打ちひしがれ、平気で仕事を放棄してきた。
自営業とはすなわちピンチの連続であるから、そのたびにサボる俺の収入も、しょっちゅう大打撃を受けた。その結果、家人は小言を言うし、借金取りは追いかけてくるしで、非常に生きづらい毎日であった。
だがしかし、今はぜんぜん違う。
意外に簡単な方法で、そんな負け犬ライフに終止符を打つことができたのだ。
その方法とはズバリこれだ。
困った、つらい、もう嫌だ、どうしよう、苦しい、悲しい、こんな仕事もうやめたい、といった消極的な思考が頭をよぎった次の瞬間、大きな声でこう断言するのである。
「おもしろくなってきたぞ!」
要は自分の人生を物語に見立てるのだ。
そしてあなたはその物語の主人公。
ご存じのとおり、物語におけるピンチは「待ってました!」の瞬間であり、拍手をすることはあっても、がっかりするポイントではない。
ということは今回のこのピンチもぜんぜん怖くないし、むしろ面白くなってきたんじゃない?というか超嬉しいんだけど、というかむしろ待たせやがって!
そんな風に強引に自分に言い含めるのだ。真顔で。
すると何が起こるのか。
脳みそがびっくりして、思考のギヤが入れ替わる。
1秒前までは「困った」「苦しい」「つらい」などと消極的なことばかり考えていた地獄のループにストップがかかり、一気に積極的な思考が回りはじめる。
そしてご承知のとおり、ピンチ打開に必要なのは絶対的な積極思考だから、もうこれでどうにかなりはじめちゃうのである。
仕事を放棄する気持ちは消滅するし、とっとと解決して次のプロジェクトにとりかかろう!という気持ちさえ湧いてくる。
このシステム(と呼ぶのもおこがましいが)のおかげで俺は、たいていのピンチでは鼻毛さえも揺れなくなったぜ。
あなたはどんなピンチ対抗システムを持っていますか。