見出し画像

【SNK】棒こそ本体【餓狼】

 先週末、唐突に――というか、おそらく上海でのイベントに合わせてだと思うが、『餓狼伝説 City of the Wolves』の新規参戦キャラクターとしてビリー・カーンが発表された。
 ビリーはテリーより5歳年長。テリボガ35(光ちゃん風表現)に合わせると、今回のビリーは40歳、不惑である。
 ……不惑?

昔の禁煙ジャンパーは確か盗品だか何だかだったような気がするけど、今度のは特注品かな?

 年齢のわりには何か若いというかやんちゃというか……まあ、いるかいないかでいえば、確かに年に似合わない若いオッサンというのは確実に存在するのでまあいいだろう。
 ちなみに判りやすく『KOF』界隈でこのくらいの年齢のオッサンたちをピックアップするなら、ゲーニッツ、セスが41、ラルフ、チャンが39。……落ち着きのないラルフ(39)が許されるなら、昔より多少は言動(=ボイス)が落ち着いた感のあるビリー(40)も許されるであろう、うむ。

 まあ、ストーリーを含めた細かい設定面のディティールについてはおいおい明らかになっていくとは思うし、今の段階であれこれいうつもりはないのだが、今回の発表を受けてぼくが少し気になったのは、ビリーがバンダナをはずしていることがやたら注目されているという点、それもややネガティブな意見が散見されたという点である。
 確かにバンダナはビリーのトレードマークのひとつには違いないが、あくまでトレードマークである。大門=下駄ではないように、ジョー=トランクスではないように、ビリー=バンダナではない。ゲーム中の操作キャラとして考えるのであれば、むしろビリー=三節棍である。
 というか、すでにバンダナを捨てたビリーは10年以上前にも存在してただろ! 忘れるなよ、忘れてくれるなよ!

ビリーが三節棍を捨てたのなら「ビリーに見えねえ!」という意見も判る。……王虎? 知らん。

 ハァハァハァ、あぁあ……。

 まあ、こうした変化が大きく取り沙汰されるのは、それなりに長い歴史を持ち、人気があるキャラクターならではのことだと思う。たとえばもりもりぼっくん(ボックス・リーパーの愛称)を見て、「髪がない! 何でじゃ!?」などと騒ぐファンはまずいないわけで。
 今回のビリーにかぎらず、SNKのキャラは国内海外ともに熱量の高いファンが多いおかげで、参戦PVの公開のたびに話題になったりするのは嬉しいかぎりなのだが、それがネガティブな方向で騒がれてしまうのは、個人的に嬉しくはない。もちろん、ファンがメーカーに対して率直に意見を届けようというのであれば、それは作品をよくするという意味ではプラスになる可能性があるが、ときどき、意見を届けるとかいうのではなく、明らかに毒を吐くというか……不満点に対する愚痴というようなレベルを超えた猛毒が、何というかこう……ね?
 たとえばぼくは外国語が得意ではないから、
「む? この海外ニキは何をいっているのかな?」
 などと何の気なしにDeepL先生に翻訳してもらって愕然とすることがままあって、どうにもいたたまれない気分になる。

 そもそもぼくは気が小さい人間なので、ネガティブ寄りの意見を声高に発信するということがなかなかできないのだが、SNKのタイトルについては余計にその傾向が強い。理由はいくつかある。
 ゲームを単に遊ぶのではなく作る側に回ったことがあるというのがまずひとつ。自分自身はもちろん、自分たちが作ったキャラに対して「死ね」とか「消えてほしい」とかネット上でいわれるのは本当に心臓に悪いと思い知っているからである。
 加えて、一度はそういう立場にいたことのある人間が、「この◯◯は△△なんだよ!」みたいに強い言葉で発言すると、それが無用な対立を煽り、激化させかねないと懸念している部分もある。どうも海外ニキの中には、ぼくが元社員だと思い込んでいる人が一定数いるらしく、DMなどで意見を求められることもあるのだが、つねに「あくまで一ファンの私見ですよ?」というようにしているし、SNSでも、ネガティブな発言の場合は、わりと控えめにするよう心がけている。

ほら、毒抜きでわりと控えめじゃん? わざわざタグもはずしてるしさあ。

 でまあ、結局何がいいたいのかというと、ゲームなんだからもう少し肩の力を抜いて楽しんでもいいんじゃない? というか何というか……まあ、単なるゲームじゃない、と感じるユーザーももちろんいるとは思うのだが、鍵でもつけていないかぎり、SNSで発信する=自分と主義主張の違う人の目にも触れる、という図式が成り立つのだということだけは忘れないように。

 ところで結局、ビリーステージの奥にあるBOSATSUSHOUだかいうネオンは何なの? 戊殺掌? 暴殺掌?

BOSATSUSHOUって読めるんだけどなあ。

いいなと思ったら応援しよう!