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【SNK】古来稀なり【SNK】
唐突だが、なかなかこういうメーカーはない。
SNKのことである。
何がなかなかないのか?
自社作品にこんなタイトルのつけ方をするメーカーはなかなかない、という意味である。
ぼくはしばしば「平仄が合わない」という表現をするが、たとえば長くシリーズが続いている『ドラクエ』は、スピンオフはともかく、メインシリーズはちゃんと順番通りにナンバーを振っている。『FF』もそう。格ゲーでいえば『SF』もそうだし『VF』も『鉄拳』も基本そう。これがまあ、一番オーソドックスでふつうのタイトルのつけ方だろう。
ひるがえって我がSNK。SNK格ゲーの原点ともいうべき『餓狼』シリーズは、そのへんどういうふうにタイトルをつけていたのか?
初めこそふつうに『餓狼伝説』、『2』と続いたが、3作目で急に『餓狼伝説SPECIAL』が来て「んん!?」となりはしたものの、「これはストーリーのないお祭り作品なのだ」と思えばまあ判らなくもなかったし、そのあと当たり前に『3』が出たので、「そう、そうだよな!」と胸を撫で下ろしたのも束の間、次作がなぜか『リアルバウト餓狼伝説』となってしまった。
さらに、「それじゃあここから仕切り直してまたあらためてナンバリングしていくのかな?」と見せかけて、『RB餓狼伝説SPECIAL』、そのあと『RB餓狼伝説SPECIALドミネイテッドマインド』。続いて『RB餓狼伝説2』、そしてリアルバウトも伝説も吹き飛び、『餓狼MotW』である。
……何だろう? この、『機動戦士ガンダム』と『ガンダムビルドファイターズ』と『G-SAVIOUR』を連続するシリーズ作品としてお出しされたかのような納まりの悪さ……。
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それに続く『龍虎の拳』も、順当に続編は『2』だったものの、そのあとはなぜか『ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝』。確か海外版ではふつうに『3』だったと思うが、なぜ国内版はこんな長ったらしいタイトルにした?
とまあこんな具合に、SNKにはシリーズものにちゃんとナンバーを振れないという不治の病がある。ぼく的にいえば、平仄の合った名づけができない難病。『風雲』とか『月華』のような2作品しか作られなかったシリーズでさえ、1作目と2作目とでタイトルのつけ方をがらっと変えてしまう。いわんや長寿シリーズにおいておや。
『サムスピ』の場合、2作目で『真サムライスピリッツ覇王丸地獄変』というタイトルになって、「ほう……続編は真と来たか。ならば次は絶か? それとも烈か、滅か?」と思っていたら、3作目で『サムライスピリッツ斬紅郎無双剣』、4作目で『サムライスピリッツ天草降臨』。
じゃあこのまま『サムライスピリッツ〇〇』的なサブタイトル系のつけ方でいくのかな? と思ったらハード変更にともない『SAMURAI SPIRITS〜侍魂〜』。まーた平仄が合わない名づけ方である。
その後は『SAMURAI SPIRITS2〜アスラ斬魔伝〜』、『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』、『サムライスピリッツ零』、『零SP』をはさんで『サムライスピリッツ天下一剣客伝』、『サムライスピリッツ閃』、でもって最新作は初代と同じ『サムライスピリッツ』。
シリーズがどういう順番でリリースされたのかまったく判らないのはともかくとして、とにかくタイトルのつけ方に法則性がないというか、落ち着きがない。平仄が合ってない。まあ、ゲーマーの間でネタになるのは事実だけどね。当時(今もか?)、タイトルが一番長い格ゲーとかいわれてたし。
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その点、『KOF』はまだましといえる。『KOF94』から始まって年号通りに『95』、『96』と数字が増えていくだけだから判りやすい。その法則も『03』を最後に崩れてしまうが、それでも『XI』、『XII』……と素直にナンバーを振っていくタイトルなので、前述してきたほかのタイトルよりははるかにスッキリとしている。途中で『リアルバウトKOF新章マキシマムタッグバトル第二幕〜はるかなる闘い〜』、みたいなトンチキな方向に吹っ飛びもしなかったしな。
ただ、これはこれで、今後もシリーズを作り続けていくのならちょっと考えたほうがいいと思わなくもない。たとえば最新作は『XV』だが、たとえば18作目が出たら、タイトルは『THE KING OF FIGHTERS XVIII』である。日本人としてはなかなかローマ数字の18にお目にかかる機会はないわけで、ぱっと見で混乱しやすい。『XVI』も『XIV』と間違いやすいし、20作目まで行ったら『KOF XX』、まるで『メタスラ』である。
『99』からそういう感じになったからいまさら仕方のないことなのだが、数作でひとつの大きなストーリーを語る『KOF』の場合、たとえば『94』から『97』を、『KOF オロチ編』みたいなメインタイトルをつけた上で、それぞれEpisode1とかSeason2のようなサブタイトルにしておけば、途中で年号から番号みたいなヘンな変更をすることもなかったし、やたら番号が大きくなっていくこともなかったと思う。
まあ、ぶっちゃけ『ストⅢ』的な名づけ方のほうが無理がなかったな、という愚にもつかないお話。